燃ゆる女の肖像のレビュー・感想・評価
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絵画のような映画
ただ静かな空気が流れてた。多くを語らないので、見ることで全てを読み取る感じ。そういう点に置いて感情が複雑なのに伝わりやすかったのは凄い素晴らしいと思った…というか普通に演技が凄くてビックリだった。
割と予備知識アリで見たからか分からないけど感情移入しやすかった。だからか、最後のシーン切なすぎてボロボロ泣いた。
雰囲気がヌード。性的な意味でも2人は互いに惹かれてたんだなぁと思う。まぁ18世紀のフランス?かな?が舞台だったのを考えれば諦めざるを得ない恋愛なんだろうなって思った。
これは何回か見ればその度に面白く思えそう。
画面が綺麗だし雰囲気も好みでした。
説明的ではない
説明は多くないしゆったりしてるんですけど、凄い示唆的というか、まったく隙がない。
ラストの28pの書物のサインは切なかったですね。
ただ新しい、これは見たことがないな、という体験はここにはなかったような。キャロル、アデル、あるいはブロークバック〜にはないものを考えました。時代背景そのものではなく。
美しすぎる映像、音楽、女たち
画家のマリアンヌも、不幸な面持ちのエロイーズも、お屋敷で働くソフィも、伯爵夫人のお母様も、みな非の打ち所がない完璧な美しさ。それぞれに当時の慣習常識により女であることだけで不自由である。画家は自由に旅したりできるのかと思うが父親の名前で作者を発表する。エロイーズは母親が決めた結婚、自らの肖像画を送り相手が気に入れば誰かもわからない相手と結婚する、ソフィは事情はわからないが様々な方法で堕胎を試みざるを得ない。冥府からの妻の生き返りをかけた地上への道で約束を守れず妻を振り返るオルフェ。
絵が完成し別れの時、振り返らないマリアンヌ、振り返って!と叫ぶエロイーズ。マリアンヌが振り返ることでエロイーズは自らを奈落の底へ、この島で束の間の愛と生命、活力溢れる時をマリアンヌと過ごした自分をほうむったのだろうか。
今、それではどれほどの自由を女は手にしているだろうか。
村の祭りで手に入れた、飛べる草
村の祭りで、地が揺れるような女たちの歌声、があっとうてきにすごい。
さまざまな問題提起もあり、しかし完璧に単純に映画として素晴らしい
美しい 深い、
何度も浸りたい世界観
予想以上に良かった!一貫して淡々と流れる物語で、盛り上がりの部分さえゆったりとしていました。
18世紀後半が舞台ですが、宮殿や晩餐会など煌びやかな物は一切なく、衣装や建物がとても地味なのであまり時代物とは感じませんでした。でもこの地味でくすんだ色味がたまらなく良かった…。たまの差し色が映えてとても美しい。
内容で特に良かったのは令嬢エロイーズがどんどん美しく見えてくるところ!もったいつけた後に初めて顔が映った時、正直がっかりしました。カトリーヌドヌーブのような妖艶で華やかな人を期待していたので、ごつくて老けてるなぁと。上品だけれど全く笑わないしそっけないし何の魅力もない、と思っていたのですが、画家のマリアンヌ(エマ・ワトソンに激似)との交流を経てどんどん綺麗に見えてくる。多分、エロイーズに日に日に惹かれていくマリアンヌの目を通してそう映っていたのだと思います。ラストシーンの涙するエロイーズは最高に美しかった!
驚くこともあって、アデル ブルーは熱い色 の時もそうでしたがフランス映画って唐突なシーンが普通なのでしょうか?唐突にヌード、唐突に歌、唐突にモザイク、唐突にキス。エロイーズとマリアンヌが惹かれ合う過程が分からなかったので、突如キスシーンでびっくりしました。また、言葉少なにじーっと見つめるところは、フランス文化に慣れ親しめば理解できるのでしょうか…。ものすごく目で語るシーンが多かったように思います。
LGBT映画というよりヒューマンドラマに感じました。女性同士の恋愛です!ではなく2人の人間の一生忘れられない愛の話。
冒頭に書いた通り雰囲気が抜群に好きですし、ストーリーも良かったので間違いなくもう一度観たい映画。しばらく世界観に浸りたいので、演者さんたちの他の出演作は見れない!
傑作!!!
生者と死者は結ばれない。
詩人オルフェは、死者の妻を生き返らせるよりも、永遠に残る劇的なる場面(芸術)を望んでいる。無自覚に。一方運命を悟った死者ウリディスは、オルフェの望みを叶えるために彼が振り返ることを望む。
画家であるマリアンヌは逞しき生者であり、見る側(オルフェ)だ。エロイーズは冥府に囚われた死者であり、見られる側(ウリディス)。
ただ一度、祭りの夜に燃えるドレス(情熱)を解放したエロイーズは力強くこちらを見ていた。その圧巻の美しさは確かに生者だった。
しかし時代は女が自由に生きることを許さない。
純白のドレスを着たエロイーズの幻影は、冥府に連れ戻され永遠に閉じ込められた死者の姿だった。
別れ際にエロイーズはマリアンヌに言う。「振り返って」と。私には「生きて!」と聞こえた。
だからラストの、決してマリアンヌと目を合わせまいとするエロイーズの覚悟に泣けた。
あなたは生者として生きる。あなたは「見る側」だから。私は冥府に囚われた「見られる側」。だから決してあなたを見ない。それが愛する人と運命を分かつということ。
…それにしても、3人の暖炉の前の食事や食器、暮らしぶりの「音」が魅力的だった。木炭のデッサンの音にも興奮した。女たちの合唱しかり。ビバルディしかり。
生者の世界が視覚であることに対して、目に見えない永遠の世界は聴覚でできているようだ。
ブラヴォー!!!
18世紀ブルターニュ。
望まない結婚をさせられる貴族の娘と、その肖像画を描くよう依頼された女性画家。
被写体と画家、見つめ合う内に愛が芽生える。
ストーリーの大まかな骨組みとしては決して目新しくないけど、当時の画材や技巧で描かれる絵画一つとってもそこに専門家の目があることが分かる。
そうやって当時の生活を丁寧に描くことで、恋愛対象は男の私ですら深く入り込みラスト「振り向け」と強く願った。
オルペウスの物語が後半で母と子の肖像画で回収され、拙いピアノのヴィヴァルディが最後にオーケストラとなって感情の高鳴りとリンクする。など、しっかりとした骨組み。
なんという素晴らしい脚本!映像だけでなく、スートーリーも完璧に整っていて美しい。
会話でなんでも説明してしまう作品が多い中、
久々に観客を信じる「映画」に出会った。
嬉しい。
当時の女性が生計を立てる職業の一つが肖像画描き。
けど美術史には名前がほぼ登場しない(映画の中では父親の名で描いてる)。
必然的な恋と、余韻
必然的に恋におちていく。孤島で、視線が絡み合い近づいていけば自然なこと。
修道院で音楽や文学に触れて静かに暮らすほうがよほど心地よいエロイーズにとっては生きることは容易くない。姉の選んだ道はそう遠くにあるわけではない。でも、彼女にとっては、愛した人と語り合ったオルフェウスの逸話の思い出が、マリアンヌの視線の思い出が、いつまでも残る。再会がたとえあんなかたちでしかなくとも。
ビバルディの夏が、余韻となって心を揺さぶる。
18世紀ヨーロッパ。孤島のガールズラブ。
そこには自立した強く美しい肖像画家の女性と、孤島に幽閉される貴族の娘の、ひと夏の
ハーレクイン・ロマンスがあります。
真の芸術とは、こんな甘っちょろい映画を指さないと思うのが自論です。
2020年(フランス)監督・脚本:セリーヌ・シアマ
カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞をW受賞。
(クィアパルム賞とはLGBTやクィアをテーマとした映画に贈られる賞)
18世紀のフランスのブルターニュにある小島。
貴族の娘エロイーズを嫁に出そうと、母親はミラノの見合い相手に肖像画を
渡す必要があった。
選ばれた女性画家のマリアンヌは、小さな手漕ぎの船に乗り孤島を訪れる。
望まぬ結婚を控えるエロイーズはナーバスで、以前男の肖像画家に、一度も顔を見せなかった過去がある。
素性を隠したマリアンヌは、エロイーズを観察して肖像画を完成させるが・・・
エロイーズに「この絵は嫌い、私ではない」と拒絶されてしまう。
激怒したマリアンヌは肖像の顔を黒く汚してしまう。
《肖像画の描き直し》
エロイーズの母親は自分の5日間の留守の間に、肖像画の描き直しを命じるのだった。
ここからはエロイーズとマリアンヌが急接近します。
音楽や文学に飢えているエロイーズに、マリアンヌは頼もしい自立した教師。
マリアンヌがチェンバロで奏でるヴィヴァルデイ協奏曲第2番ト短調「夏」
この一瞬のメロディが美しい!!
マリアンヌはエロイーズにとっては、パリの都から来た美術・音楽・文学の師!!
この時代の女の芸術への渇望が痛いようです。
母親の不在の開放感に、心も身体もひとつになるエロイーズとマリアンヌ。
この描写が百合(ガールズラブ)なんですねー。
「一夏のアバンチュール」
女性映画の王道です。
ブルターニュの孤島の貴族?
貧乏貴族?
よそ行きのドレスは緑が、たった一枚。
父親不在・・・(ここも、いかにもの、女性映画)
ほぼ4人の出演者の映画です。
ラストの方で、島民たちの焚き火のシーンがあるのと、
ラストのラストでミラノのオペラ座が写るシーン以外は、
エロイーズの母親、お手伝いのソフィ、そしてマリアンヌとエロイーズの4人の登場人物。
舞台劇みたいです。
撮影もブルターニュの孤島を使い、絵画のようなショットが散見されます。
肖像画も美しいのですが、マリアンヌの絵をレンブラントやフェルメールの肖像画と較べるのは酷というもの。
マリアンヌがチェンバロで奏でたヴィヴァルディの「夏」がフルオーケストラで盛り上げる
ラストは、ちょっとほだされます。
主役のマリアンヌのノエミ・メルランとエロイーズのアデル・エネルが、毅然としてとても美しい。
(アデル・エネルはセリーヌ監督の元パートナーだったとか)
美しい映画です。
しかし、大の大人が観るような本物の芸術作品とは到底思えません。
多感な若い女性には、結構愛される映画なのかもしれませんね。
是非
「ピアノレッスン」や
「ブロークバック・マウンテン」の火傷するようなラブストーリーを
ご覧ください。
絵画みたい
絵面がとにかくキレイ。ほとんどのシーンが絵画を見ているようで
特に台所のシーンには気合が入ってんなと思った。
ストーリー的にはちょっと分からない部分も多く
正直 入り込めなかった感じ。
同じく絵面がキレイって意味では、
個人的に「レヴェナント」の方が衝撃だったしストーリーも面白かったかも。
#33 ギリシャ神話か日本神話か
『パリ13区』メインキャストの1人が主演しているとのことで観に行った。
そしてやっぱりノエミ・メルラン氏が美しい。
家の主人であるお母さんがいなくなると、画家も娘もメイドも身分関係なく楽しく過ごす風景が新鮮だった。
身分を重んじるこの時代に本当にこんなことがあったのであろうか。
あと堕胎の仕方がなんだかフランス的。
それはさておき映画の中で出てきたオルフェの物語、どこかで聞いたことがあると思ったら日本神話の『イザナキとイザナミ』のお話じゃないですか〜。どっちが先なの?
肖像画
最近この手のLGBTのお話が非常に多い。今まで大っぴらに作品として発表されてこなかった分、今の世の動きで増えているのだろうがあまりに多く食傷気味。何でもそれに当てはめる感じ。よく知らない相手との結婚に逃げるだけじゃぁやっぱり弱いのかなぁ?しかし2日3日で永遠の恋に落ちるにはエピソードとして物足りなく、うーん分からん!でした。
最後それぞれの道を確かに歩いている二人。どういう感情かは読み取れなかった。
肖像画を描いた事も描かれた事も無いのだが5日位で描けるなんて驚き‼️
アンビバレンスな歓びと哀しみ
この映画は女性の、人生における喜びと悲しみをまるでアンビバレンスな感情のように、描いていると思う。結婚は女性にとって最大の喜びのはずだ、だがその相手が会ったこともなければ、どこに住んで、どんな性格かも分からなければ、どうだろう。果たしてその男性を直ぐに愛することができるだろうか。黙って運命に従わなければならないとしたら、哀しみ以外の何物でもないだろう。
出産もまた女性にとって大きな喜びである。だがおかれた境遇により、自分に宿った生命を堕さなければならないのは、大きな悲しみだ。監督は堕胎しようとする女性の隣に元気な赤ちゃんを置いて、無垢な喜びとその喜びを享受出来ない悲しみを鮮やかに対比させている。
愛もまた大いなる歓びである、互いにひかれあう心は理性では止められないし、閉鎖された環境ではなおのこと、より強く燃え上がる。画家もモデルも互いの感情を隠し切れなくなる、モデルが燃えているのではない、画家の感情がモデルを燃え上がらせるのだ。だが他者に知られてはならない関係は必ず終わりが来るし、最後に大きな悲しみを招く。
画家もモデルも関係を終わらせたくはない、二人は心で繋がろうとする。それが二人だけの密かな歓びであり、大げさに言えば生きる支えにもなったはずだ。だが時を経て、愛は変わらずとも、二人の境遇は大きくかわる。時を経て出会えた歓び、だが彼女と見つめ合うことの出来ない哀しみ、ここで繋がりを断つべきか、それとも・・・彼女は苦悩する。
丁寧に描かれた前半からの終盤の畳み掛けが見事
映画ファンの人からかなり高い評価を受けている本作。観たいと思ってたんですけど公開当時は地元の映画館で上映していなかったため観ることができず、最近立ち寄ったTSUTAYAのレンタルの棚で見掛けたので鑑賞いたしました。
敢えて情報を入れないようにしていたので、予告編やあらすじも知らない状態での鑑賞です。
結論ですが、いやー、面白かった。
日頃から「何でもかんでも登場人物に台詞で状況説明させるな」って思っていたんですけど、本作は非常に台詞が少なく、演技や演出で状況説明する映画でした。こんなに台詞も少なく、カットの切り替わりも少なく、役者の演技を堪能できる映画は久々に見た気がします。しかしそれ故に映画を観て登場人物の心情などを理解するのに集中力が必要で、観終わった後はドッと疲れが出てきました。体力に余裕がある時に観る映画です。
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画家であるマリアンヌ(ノエミ・メルラン)は、ある貴婦人から娘のエロイーズ(アデル・エネル)のお見合いのために肖像画を描いてほしいと依頼を受け、孤島の豪邸に招かれる。結婚を嫌がるエロイーズは肖像画を描かれるのを嫌っていたため、マリアンヌは自分が画家であることを隠して彼女に近づいていく。次第に親しくなっていった二人の間には特別な感情が芽生えていき……。
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最初は画家としての身分を隠し、外出する際の付き添いとしてエロイーズと共に行動するマリアンヌ。エロイーズの顔の造形を記憶し、それを基にして肖像画を描いていく。
とにかく前半は大きな盛り上がりもなく、静かに淡々と物語が進んでいく印象。登場人物が非常に少なく、また台詞も最小限しかない印象です。それ故に正直分かりにくいところも多くて、私は鑑賞し終わった今でも本作を理解できたとは思えません。
後半にかけて物語が盛り上がっていき、終盤は前半の静かな雰囲気から一変していきます。前半と後半との対比が素晴らしかった。終盤の畳みかけは、多分前半の淡々とした雰囲気に付いてこれなかった人でも息を飲むような素晴らしい展開でした。
特にラストシーンの、マリアンヌの回想シーン。絵画展覧会でエロイーズの絵を見掛けた時の描写と、演奏会(?)の観劇に行った際にエロイーズを見掛けた時の描写。あそこは本当に素晴らしかった。「エロイーズはこちらを見なかった(気付かなかった)」とマリアンヌは回想していましたが、実はエロイーズはマリアンヌの存在に気が付いていて、でもマリアンヌの方を見なかった。ヴィヴァルディの『夏』が鳴り響く中、どんどんとアップになっていくエロイーズのシーンは鳥肌ものですね。
レビューって、レビューに引きずられませんか?w
こういう映画のみなさんのレビューを見ると、ほんとかなあ?
なんて感じてしまう。初めにカンヌ!という先入観がある上、
高評価がズラリ。それに引きずられて星5つなんてことになるんじゃないかな。
私は、見てる映画の本数は人には負けないと思うのですが、
感性(言葉が古いけどw)がお子ちゃまなので、こういうスローで
静かで、ストーリーがほとんど展開しない映画は、眠くなるんですよね。
延々と絵を描いて、そのうち恋心が生まれて、結局は破局というそれだけやん。
この長さは辛いです。最後の最後の方だけ、グッとくるとこがありましたよね。
肖像画の本と、お嬢様の涙。その2点だけが良かった。あと、映像の美しさ。
これは、素晴らしい。
カンヌって、こういう映画、好きですね。
振り向いてはいけない
姉が亡くなり、急遽、修道院から呼び戻され、結婚させられる貴族の娘の肖像画を描くために、女性画家が呼ばれる。
この二人が恋に落ちる。
全体がとても美しい絵画のようで、うっとりと見入ってしまう。
草むらで三人の女性が立ったりしゃがんだりするシーンが好きだ。
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