「私は振り向かずにいられるだろうか」燃ゆる女の肖像 イズボペさんの映画レビュー(感想・評価)
私は振り向かずにいられるだろうか
ミニマムな舞台設定で、よくぞここまで描ききったなと感嘆する。
18世紀のフランスの辺鄙な田舎の館は、登場人物が身につけているコルセットと同じように彼女たちを閉じ込める。
自然の音以外で唯一耳に聴こえてくるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲。「夏」だろうか。まさに二人の人生の短い夏を象徴するかのように時に気だるく、時に激しい。
本作は二人とも女性であるし、その必然性は理解できる。しかし、二人がいかなる性別の組み合わせであったとしても…。いや、二人ともが女性であることがメッセージとして大切なのだ。
これをきちんと言語化できないことがもどかしい。
コメントする