「色彩構成の緻密な作品」燃ゆる女の肖像 おたけさんの映画レビュー(感想・評価)
色彩構成の緻密な作品
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色の構成がどのシーンも美しい。
美しいだけでなく、作品に込められた意図を感じる配色で、絵画的な見どころのある作品だった。
屋敷主の母が本土へ発ち、屋敷に残された3人の女性たちの生活シーンが好きだった。
深刻な事態を抱えながらも和気あいあいと過ごす彼女たちの暮らしに、リアルな女性たちの空気感が漂っていた。
構成の緻密さを感じる反面、前半の画家であることを隠すシーンに無理を感じて、個人的には完成度がアンバランスに思えた。
描いていた肖像画は油絵具だが、油絵具の匂いはかなり強い。
そのため、あの部屋は匂いで充満するし、手や服にも匂いが付く。
カーテンでは防ぎようのないきつい匂い、お嬢様が部屋に入った時点で既に発覚するのではないかと。
画家と深刻そうに明かすシーンに「いやいや、あの状況なら既に気づかれてるでしょ」、信頼を失ったというような反応に「いやいや、匂いで絶対気づいてたやん!!」とツッコミを入れずにはいられなかった…。
細かな設定にツッコミを入れすぎてしまったせいで深刻に見れず、あまり没入はできなかったが、全体的におもしろい作品だった。
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