「映画ならではの独特な世界」燃ゆる女の肖像 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
映画ならではの独特な世界
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いろいろな意味で「美しい」印象が強く残る映画だった。
冒頭すぐから引き込まれる。衣装の鮮やかさ、女優さんの、凛とした美しさ。火が効果的で、光と影の世界にひきこまれるうちに心理的に外界から遮断されていく。登場人物も極端に少ない。ここでは、マリアンヌとエロイーズの母親との会話などによる最低限のあらすじ情報が与えられるだけで、他の雑多なものが一切排除される。
閉鎖的で圧迫感はある一方で、2人の女性(厳密には小間使い含め+αで2.3人くらい?)の存在感が浮き彫りにされてくる。ちょっとした目の動きやからだの緊張感から伝わる存在感の強さ。
いつの間にか二人が惹かれ合うのは当然のことのように感じられ、言葉を介さずに、絵を描き描かれることで魂が触れ合い、ひかれあっていく様は、美しい、とさえ思わせてくれる。
。そもそも人と人が惹かれ合うということは、こういうようなものなのだろう、と考えらさせられる。
映画ならではの方法を駆使して独特な世界を感覚的に見せてくれたと思う。
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