「何度も浸りたい世界観」燃ゆる女の肖像 4匹のミーアキャットさんの映画レビュー(感想・評価)
何度も浸りたい世界観
予想以上に良かった!一貫して淡々と流れる物語で、盛り上がりの部分さえゆったりとしていました。
18世紀後半が舞台ですが、宮殿や晩餐会など煌びやかな物は一切なく、衣装や建物がとても地味なのであまり時代物とは感じませんでした。でもこの地味でくすんだ色味がたまらなく良かった…。たまの差し色が映えてとても美しい。
内容で特に良かったのは令嬢エロイーズがどんどん美しく見えてくるところ!もったいつけた後に初めて顔が映った時、正直がっかりしました。カトリーヌドヌーブのような妖艶で華やかな人を期待していたので、ごつくて老けてるなぁと。上品だけれど全く笑わないしそっけないし何の魅力もない、と思っていたのですが、画家のマリアンヌ(エマ・ワトソンに激似)との交流を経てどんどん綺麗に見えてくる。多分、エロイーズに日に日に惹かれていくマリアンヌの目を通してそう映っていたのだと思います。ラストシーンの涙するエロイーズは最高に美しかった!
驚くこともあって、アデル ブルーは熱い色 の時もそうでしたがフランス映画って唐突なシーンが普通なのでしょうか?唐突にヌード、唐突に歌、唐突にモザイク、唐突にキス。エロイーズとマリアンヌが惹かれ合う過程が分からなかったので、突如キスシーンでびっくりしました。また、言葉少なにじーっと見つめるところは、フランス文化に慣れ親しめば理解できるのでしょうか…。ものすごく目で語るシーンが多かったように思います。
LGBT映画というよりヒューマンドラマに感じました。女性同士の恋愛です!ではなく2人の人間の一生忘れられない愛の話。
冒頭に書いた通り雰囲気が抜群に好きですし、ストーリーも良かったので間違いなくもう一度観たい映画。しばらく世界観に浸りたいので、演者さんたちの他の出演作は見れない!