劇場公開日 2020年12月4日

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「 久しぶりにクソ映画に巡り合いました。」燃ゆる女の肖像 Comeさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5 久しぶりにクソ映画に巡り合いました。

2021年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 18世紀のフランスが舞台。

 とある女流画家が、ブルターニュの島に住む母親から、娘の結婚相手に渡す肖像画を描いて欲しいと依頼されます。気難しい娘に、最初は画家だと明かさず1枚目の肖像画を仕上げますが、娘には気にいらず、画家もそれを受け入れ、母親に描き直しを約束します。しかし、母親の出かけている5日間、肖像画の作成と並行し、娘とただならぬ関係になってしまい…。

 というあらすじですが、これ自体、何のひねりもないストーリーに加え、つまらないエピソードの数々。何より登場人物に全く魅力がない。演技もヘタだし、美人でもない。加えて、横井和子さんの翻訳が「グーグル先生か!!」っていうくらい棒訳。
 途中挿入される音楽も、民族性など全然感じられず、映画の雰囲気をぶち壊していました。
 題名の「燃える女の肖像」なんて、いかにも思わせぶりなタイトルですが、最初にそのタイトルを現すへたくそな絵が出たっきりで、それ自身は映画全体を貫くテーマとも何とも感じられません。そのエピソードにあたる、娘のドレスに、焚火の火がつくシーンの演技も棒。暗闇に浮かび上がるドレス姿の娘も、なんら感銘を与えない。肝心の女流画家の絵も大したことがない。(むしろ、途中で出てきた、娘を描いた絵のほうが、よっぽど上手でした。)

 「映画史を塗り替える傑作!」とか「世界の映画賞席巻!!」とか、前評判ばかり高い作品でしたが、こんなクソ映画に受賞させるなんて、評論家の目が腐っているとしか思えません。
 これだけはっきりと、わかりやすいクソ映画なのに、評価が高いなんて、不思議です。

Come