「【"緋色と翡翠色"の二人の女性の禁断の恋" 18世紀フランスの離島を舞台に、気品溢れるエロティシズムな映像でその様を描いた作品。鑑賞後の僥倖感にじっくり浸れる作品でもある。】」燃ゆる女の肖像 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"緋色と翡翠色"の二人の女性の禁断の恋" 18世紀フランスの離島を舞台に、気品溢れるエロティシズムな映像でその様を描いた作品。鑑賞後の僥倖感にじっくり浸れる作品でもある。】
■特に素晴らしき点
・肖像画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)と、伯爵夫人の次女エロイーズ(アデル・エレル)の笑顔なき出会いから、徐々に打ち解けて行く過程を彩るフランスの離島の海岸の荒々しくも、美しい風景。
- この海岸の様々な風景が、二人の関係性の変遷と、重なって見える・・。-
・マリアンヌは、住込みの少女ソフィーと徐々に心を通わせ、伯爵夫人が島に戻るまで、彼女達(途中から、エロイーズも)が一緒に食事を食べるシーン。及び少女の堕胎のシーン。
- イロイロな事を語っていると思ったシーンである。
当時は貴族と女中が共に食事をすることはなかった筈であるし、堕胎も・・。-
・二人が愛し合った後に、マリアンヌが、エロイーズにあげた本に、エロイーズの横臥の裸体を描くシーン。
そして、数年後、展覧会でマリアンヌが、エロイーズとその幼き子供の肖像画を見るシーン。エロイーズが持つ本のページが描かれている事にマリアンヌが、気付くシーン。
- 見事である。唸らされた。-
◆マリアンヌが書き上げた「燃ゆる女の肖像画」が、マリアンヌと、エロイーズの二人の顔が合わされているように描かれたように、私には見えた・・。
・ギリシャ神話の”オルフェウスの冥府下り”のシーンを、”今までにないオルフェウスの妻が夫の目の前で”冥府”に引き戻される姿”を描いたマリアンヌの意図。
- 分かりやすいが、オルフェイスはマリアンヌ、オルフェスの妻はエロイーズであろう。ー
・マリアンヌが、エロイーズに様々な感情を拙いピアノで伝える序盤のシーンと、ラストの「ヴィヴァルディの四季/夏の第二楽章からの嵐」が、激しく奏でられる関連性。
オペラ座で、二人が遠目に再会しながら、エロイーズが一切、マリアンヌの方を見ずに、毅然とした態度を崩さない中、涙を流す横顔。
-今年の、個人的に激しく魂を揺さぶられたシーンである。見事である。-
・18世紀の貴族の衣装、住んでいた館の意匠の美しさも、この作品に深みを与えている。
<素晴らしき作品に出会えた事に、心から感謝である。>
こんにちは。
コメントありがとうございました。
この映画を見るために40分くらいかけて映画館に行きました。
都内まで行けば、良作がたくさん見られるのですが、時間的に厳しく、諦めることもしばしば。
のんびりと機会を待って、興味のある映画と出会いたいと思います。
あたたかいお言葉、うれしかったです。
女性チームで作った映画、見応えありましたね💖