劇場公開日 2020年12月4日

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燃ゆる女の肖像のレビュー・感想・評価

全167件中、1~20件目を表示

4.0私は振り向かずにいられるだろうか

2024年12月11日
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ミニマムな舞台設定で、よくぞここまで描ききったなと感嘆する。
18世紀のフランスの辺鄙な田舎の館は、登場人物が身につけているコルセットと同じように彼女たちを閉じ込める。
自然の音以外で唯一耳に聴こえてくるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲。「夏」だろうか。まさに二人の人生の短い夏を象徴するかのように時に気だるく、時に激しい。

本作は二人とも女性であるし、その必然性は理解できる。しかし、二人がいかなる性別の組み合わせであったとしても…。いや、二人ともが女性であることがメッセージとして大切なのだ。
これをきちんと言語化できないことがもどかしい。

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イズボペ

4.5描くこと、振り返ること=想い起こすこと

2024年4月19日
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鑑賞方法:その他
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まぬままおま

4.0完璧かよ。

2020年12月31日
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正直、語りづらい映画だと思った。というのも、どこの瞬間を切り取っても完璧にしか見えなくて、もはや付け入るスキがない。もう、伝えるべきことはすべてそこにあるので、観てくださいしか言いようがない。一応ライターという名目で仕事をしてる者として、かなりの敗北と言わざるをえない。

かといって、説明的なのではない。むしろ説明は極力省き、なんなら登場人物も極力絞り、人物や物語の背景に関する情報も最小限に留められている。静かに、淡々と進むようで、とても熱い。そして、静けさを一気に打ち破るのが、炎と、人海戦術による歌声というあまりにもダイレクトなぶっ込みであり、「繊細かつ大胆」みたいなあまりにも陳腐な言葉をついつい書いてしまう。やはりこれほどの敗北感を味わう映画にはなかなか出会えない。完璧か。

🔥🔥

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村山章

4.0憤怒に満ちた愛の讃歌が観客に与える不思議な感情

2020年12月19日
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鑑賞方法:映画館

興奮

萌える

18世紀のブルターニュの孤島で暮らす貴族の娘、エロイーズは不機嫌極まりない。母親が気の進まない結婚をゴリ押しする上に、お見合いのための肖像画を先方に送らなければならないからだ。なぜ、当時の女性たちは相手の顔も知らないのに自分だけ肖像画を差し出さなければいけなかったのか?ヒロイン一家に仕えるメイドが置かれた状況も含めて、甚だしい女性蔑視に対する押し殺した怒りが背後に横たわっていることは確かだ。しかし、そんな重々しい背景を凌駕して、エロイーズと肖像画家マリアンヌの恋が、孤島という閉ざされた空間を舞台に堂々と燃え盛っていく。たとえ人々に広く告知され、祝福されなくても、否、だからこそ秘めた思いは強く、エロチックな香りを放つもの。監督がエロイーズを演じるかつての恋人に捧げたという物語は、無駄なカットを極力削ぎ落として、憤怒に満ちた愛の讃歌を観客に向けて奏で続ける。だからだろうか、見終わった後、なにかに憑かれたような気持ちになるのは。

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清藤秀人

5.0「見る」という行為

2020年12月13日
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鑑賞方法:映画館

画家とモデル=見る側と見られる側という記号的な関係性は、これまでの幾度となく映画の題材として用いられてきた。対象をつぶさに観察し、その心情まで読み取って筆に伝えようとする画家の行為は、一方的な求愛にもよく似ている。そこが恋愛物語の語り部たちの想像力を刺激するのだろう。

「見る」という行為は、何にも増して禁断的で、潜在的な欲望そのものなのかもしれない。

思えば、日常生活において誰かのことを「見る」とは、とても限定された条件のもとで行われている。一定の秒数以上ずっと相手のことを見続ければ、それはすぐさま特別な感情や事情に紐付けられてしまう。

映画の舞台となった18世紀のフランスでは、女性同士がお互いを「見る」行為は、いま以上に社会的な束縛を課せられていたはずだ。だからこそ2人の行為はスリリングで、ゆえに絵画のように美しい輝きを放つ。

また、この映画はさらに、「見られる」側の心情にも踏み込んでいく。画家により一方的な求愛を受ける側は、どんな気持ちでこれを受け入れるのか。劇中、ギリシア神話のオルフェとユリディスの物語を引用し、「見られる」側の心情に独自の解釈を忍ばせるあたりに、この映画のオリジナリティがある。

こうした伏線をこれ以上ないかたちで回収するラストシーンがとにかく素晴らしい。われわれ観客もまた「見る」側となるのだが、それは、スクリーンの向こう側から覗く視線とは全く別物の、主人公と一体化した主観の視線にほかならない。その視線でわれわれは、「見られる」側の心情に寄り添い、禁断の愉悦に身を浸すことを許されるのだ。

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オスカーノユクエ

4.0Another Worthy Artifact in the Gallery of Painting Films

2020年12月8日
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鑑賞方法:映画館

Portrait is certainly a modern social issue film that addresses abortion and female homosexuality. It hangs high on the easel for its deep literary presence equal to that of a fabulous oil painting, so much so its profound nature sings in shots of the artist's fundamental sketch marks. Costumes drape the actresses with the same mystery of classical paintings. A quiet film pleasant to gaze upon.

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Dan Knighton

5.0そのままでも愛すべき好作。背景を知るほど傑作の感を強くする

2020年11月30日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

萌える

女性の人権や自由が男性より低く見られていた18世紀末のフランス。伯爵家の娘エロイーズは親に縁談を決められる。画家の父親と同じ職についたマリアンヌは慣例にならい父の名で作品を発表している。そんな2人が、見合い用肖像画の制作を通じて出会い、芸術を愛し自由を渇望する互いの魂に触れ、恋に落ちる。

監督・脚本のセリーヌ・シアマは、やはり女性同士の恋愛を扱ったデビュー作「水の中のつぼみ」のヒロインにアデル・エネルを起用。シアマはエネルと一時期パートナーだったが、友好的に別れた後、エネル(仏映画界でのMeToo運動の牽引役でもある)に新境地を拓いてもらいたいとエロイーズ役をあて書きしたという。監督の心情がマリアンヌに投影されたと知れば、ラストシーンでエロイーズを見つめるマリアンヌの眼差しから伝わる切なさが一層増し、彼女らの絆に感動も一段と深まるはず。音楽の使い方も絶妙で、焚火シーンの劇中歌は鳥肌もの!

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高森 郁哉

4.5スローだが、先が読めない展開にただただ驚く

2020年11月10日
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鑑賞方法:試写会

これまた女性監督案件。カンヌで見逃し、トロントでも見逃し、ずーっと気になっていた一本。18世紀のフランス、ブルターニュの離島に女性の肖像画家が船で渡る。クライアントは、娘をミラノに嫁に出す良家の夫人。嫁ぎ先に肖像画を送るのです。「娘は肖像画を拒んでいる(=嫁に行きたくない)から、友だちとして散歩して娘を観察し、その記憶をもとに絵を描いてほしい」と。そんなプロットだけで興味を持って見ていましたが、話が意外な方向に進んでいって、先が全然読めなくなってしまいました。ペースはスローなのに、話の展開には驚きっぱなし。凄い物語を作るのは、もう完全に女性の方が多いですね。ラストシーンにシビれました。

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駒井尚文|映画.com編集長

3.5だって振り向いてしまったんだから

2025年3月31日
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観応えある好作品だけど感情移入はできないのでこの評価かな。

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Mr. Planty

4.0強い愛は個々の中に潜む

2025年3月30日
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美しい景色、美しい構図
そして美しい女性たちと
完璧なショットが続く

心情と情景の物語
言葉と視線の物語

オルフェの話に予感…
そして強烈なラスト
ワンカットのロングシーンに
全身の血液が逆流した

そうすれば失う…
凄いものをみた。

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星組

3.0セリーヌ

2025年3月24日
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シアマ。確かにすごくキマってる。衣装も美術も照明も。ただ、主演の画家の顔に乗れず。
火祭りのフォルクローレの高揚感がほとんどニコラクルスというかつばめのティアーズで、隠し砦の三悪人みたいで、ググッと上がる。

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pigeyes

5.0振り返る

2025年2月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

ただ美しかった。意味を解さずとも、光と影、沈黙と囁き、そのすべてに魅了された。
初見ではその美しさにどっぷり浸って余韻に酔った。何度も見返し新たな色を拾っていきたい。

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えるま

4.0どこを切り取っても絵になる

2024年1月29日
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好き!
先に書いている人がいる通り、本編はもちろんだけど作品の背景を知るのも楽しい

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みぞれ

3.5"28ページ"

2023年8月27日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

最初の再会でのエロイーズの肖像画、最後の再会での昂る感情を抑えながらも徐々に乱れていくようなエロイーズを映し出し幕を閉じる、思春期を迎えた現代の女の子を生々しく描いている印象のセリーヌ・シアマが18世紀を舞台に静かで上品な大人の女性同士の恋愛映画を進む物語が一定のトーンを保ちながら退屈になることもなく最後まで魅入ってしまう。

同年代の女性三人での共同生活が楽しそうで、感情的にはならないお淑やかに互いの気持ちをぶつける二人に知的なものを感じながら。

エロイーズを演じたアデル・エネルはセリーヌ・シアマの『水の中のつぼみ』から大人の女性に、誰かと思いきやヴァレリア・ゴリノには驚いた!?

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万年 東一

5.0感想

2023年8月23日
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ティム2

2.5ふしぎな作品

2023年8月20日
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千恵蔵

3.5タイトルなし

2023年8月11日
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ouosou

1.5高尚そうで中身の無い作品

2023年7月28日
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知的

寝られる

カンヌ映画賞を取ったらしいが、終始つまらない映画。
ジェンダーに触れてることと美術を題材にしていることで、"高尚な映画"感を演出しているが、皮を剥げば予算の低いレズポルノ映画。

"美術館に通う自分"が好きな人種は好きだとおもう

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故障ちゃん

3.0絵画を鑑賞しているよう。

2023年4月30日
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鑑賞方法:VOD

映像がただ綺麗なだけでなく、シーンの一つ一つが絵画を観ているようだった。
美術館などで絵を観ることは好きなので満足。

ストーリーについては感情移入できなかったことと、伝えたいことは理解出来たがこの場面必要かな?と何度か感じてしまったので、観終わった後の感動は少なかった。

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映画館から徒歩5分

3.5女性同士の微妙な触れ合い

2023年3月14日
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鑑賞方法:VOD

ノエミメルラン扮する画家マリアンヌは、アデルエネル扮する結婚を望まないエロイーズの肖像画を依頼され一度完成するもエロイーズから否定されてしまった。再度描き直すうちにふたりの心情に変化が芽生えた。

女性同士の微妙な触れ合いが静かに展開していった。もともとマリアンヌにその気があったのか、突発的なのかは分かりかねるが、直情型の男性とは違うんだろうね。それにしてもノエミメルランは、美人と言うよりは、彫りの深い彫刻の様な端整な顔立ちの女優さんだったね。

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重
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