バクラウ 地図から消された村のレビュー・感想・評価
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想像を超えた創造性に辟易しましたが─
背景に潜む設定はしっかりしているのでしょうが、それが全く全面に出てこないまま、多くの謎を残して終わるパターン。
何気にこちらの予想がつかないような展開とかに、少しだけ戸惑ったけれど、画面の中のちらりズムとか、少しだけ残虐少しだけスプラッターとか、ちょっとエロでシュールなところなんかが、心をくすぐる。
豊かなイマジネーションを感じつつも、人間の本質をついているようにも思えたし、こういったコミュニティーもあり得なくもないと感じさせてくれただけに、謎だらけでも非常に楽しめた。
ポスタービジュアルとキャッチフレーズに騙されてはいけない作品です。
「見事なまでに狂ってる」と言うやたらとカルトアンテナに引っ掛かるフレーズに引っ掛かって観賞しましたw
当初は全然食指が動かなかったのですが、上映館の「シアター・イメージフォーラム」が全て全席完売。
サービスデーと映画の日で全国でもまだシアター・イメージフォーラムか上映してないとは言え、完売と言うのはなんかビンビン刺激されますね。
で、感想はと言うと…変な映画。
「見事なまでに狂ってる」と言う程、狂ってない。
おかしい村人達ではあるけど、正直そこまでではない。
この手の作品はポスター画像やキャッチフレーズでやたらと挑発するかの様な画像や言葉を引用してきますが、あまり手が込み過ぎているとちと引いてしまう。
でも、一度気になるとウズウズしてしまうんですよね。
「見事なまでに狂ってる」なんて言われると「何処まで狂っているか見たろやないけ!」と思ってしまうのはまさしく相手の思うツボw
でも、ハードルを上げてしまうので、正直肩透かし感もハンパない。
戦闘村民の「ミッドサマー」みたいな感じで、アリ・アスター作品にタランティーノ節がおおいに振りかけられた感じですかね。
ストーリー紹介を鵜呑みにすると逆に解り難くて、説明不足と言うか、足らない所が多数。
簡単に言うと…余所者が滅多に来ない村で、選挙の票集めの為にならず者を雇った議員の思惑を村人達でめっちゃくちゃに返り討ちにする、実はヤク中スーパーサイヤ人の超バイオレンスな村人達のお話って所ですかね。
なんせ、タランティーノ色豊かな感じの作品だし、バイオレンスは強めでも前半までは結構退屈感アリ。
なんか意味なくセックス描写が入るのも雑。
テロリストの1人が頭を見事なまでにブッ放してされてからがエンジンがかかってきて面白くなってきた感じで、誰も居なくなった村ではドキドキしても、何故村人が超絶バイオレンスな戦闘村民なのかがよく分からん。
村人の素性は後半から明らかになるけど、村を襲うテロリスト集団の目的と言うか動機も微妙でラストで分かると言うか、最後にムリクリこじつけた感じもするし、魅力的なキャラクターも設定も特に無し。
テロリストの一味の女性に至っては終始カイロ・レン役のアダム・ドライバーの女装にしか見えないしw
怪しい匂いと言うか、荒々しくも雑な感じがプンプンしてて、そこにUFOらしき物体まで写っているともうナニがなんやら。
地図から消された村と言うのもラストでなんとなく分かるが、UFOが出てきても村人が全然動じない。
かと思えば、早々とドローンと言うのがバレる。
とにかく説明が粗いと言うか、シッチャカメッチャカ。
何が言いたいのかがよく分からんです。
「カンヌ国際映画祭」であの「パラサイト 半地下の家族」を向こうに回して、審査員賞を獲得したとか、世界のいろんな映画祭で25冠受賞ってウソだろ?と言う感じ。
もっと倫理観もブッ飛んでいて、理解不能な程に狂っているとかなら良いのに、「食人族」「変態村」を想像して、そこに「トワイライト・ゾーン」的な味付けを期待したのに~w
個人的には完全にポスタービジュアル詐欺ですわw
あくまでも一個人の意見ではありますが、肩透かしをおおいに食らいました。
ハードルを限りなく下げて、ポスタービジュアルもキャッチフレーズも無視して観ると違う感想になるかと思いますので、ご興味があれば如何ですかw
見事なまでに狂ってます。
始まりは眠かったが。。。なんだこりゃ???人殺し集団の村なのか?多分、昔々の大昔から部族としての伝統やしきたり等々の文化を受け継いだ結果、現代とはかけ離れた殺しが合法な村になってしまったのか。その存在を疎ましく思った市長(?)がハンターを雇って排除に動いたが逆に壊滅させられてしまうという。。。そのハンターたちも人殺しが趣味のようなイカレタ連中なのだが。皆狂ってます(笑)
あれ?村の連中にとっては通常なので、村人は狂っていないのか?
世界の歴史と今に痛烈な皮肉の鉛玉をぶち込め!
ポスターのコピー「みんな狂ってる」に惹かれて鑑賞。
近い将来、、、って前置きのもと最初っから斜め上からの話が展開します。
この殺伐感はなに?
そこはかとない不気味〜な雰囲気。
何かが始まってる感は一体、、、?
なんか終始ザラザラ気分。
最初はなんのことやら?な雰囲気。
でも今思えば、なるほど。
ぜーんぶ伏線かいっ!
ってな感じで「?」ポイントはあとあとに絡んで
きますから、最初から気合い入れていきましょう。
なので、様々な唐突感を感じる展開、演出ですが
最後は全てすっきりします。
ってことは、しっかり考え練られている脚本って
ことだと思います。
先がなかなか読めない感じでぐいぐい引き込まれます。
前半三分の一乗り越えれば、もうカタルシスまっしぐらです。
なかなかのバイオレンス描写や、そこはかとない
マカロニウエスタン的な感じがフィットしてます。
最後の話の締めくくりは、あーなるほど!ってちゃんと着地しますからご安心を。
でも、エンタメ作品ではないかな?
僕はこの作品の裏テーマは、歴史的にも、そして今も、白人民族の一部が行ってきた、不当な差別、侵略、略奪、至上主義などへの痛烈な皮肉、批判だと思います。
バクラウという村は架空です。
しかし、過去白人民族により消された国や村は、民族は数多く存在してきたはずです。
(この作品ではアメリカ大陸先住民をモデルにしてる気がします)
残念ながら、白人民族に限らず人間社会は変わってないのです。バクラウという架空のコミュニティを舞台にして世界の縮図が描かれて、ふざけるな!と叫び警鐘を鳴らす、そんな映画でした。
その点はビシビシ伝わってきました。
ココロがザワザワしました。
結末はちょいとチープかな?ですが、ま、良しとします。
合う、合わないはあるとおもいますが、
僕はオススメしたいです。
しかし、愚かな人間は繰り返すんだろな。
コピーの狂ってる「みんな」は「人間」と読み替えることにします。
見ごたえのあるバイオレンス映画
伏線はそこかしこに潜んでいる。村へ至る一本道の途中にある監視塔みたいな小屋には人が詰めていて、村に入る人がいることを無線で知らせる。南米の名もなき村にどうしてそんな歩哨みたいな設備が必要なのか。村に戻ってきた女が口に入れられる薬は何なのか。村人たちが何度も口にする博物館には一体何があるのか。何故村人全員で殺し屋の映画を観ているのか。市長はどうして避けられているのか。
最後の最後に政治ぐるみの恐るべき観光商売が明らかになるが、それまでの村人たちは何の商売で生きているのか、売春婦と医者以外はよく分からない。セックスシーンが騎乗位ばかりなのは何か意味があるのだろうか。
序盤は不穏な空気が流れて、村人たちと不安を共有し、中盤は狂気の遊びをする連中の凶暴さと愚劣さを実感し、終盤は村人たちの真の姿を見る。よくできた構成で、容赦ない殺戮シーンに心を顫えさせられる。
登場人物からナチという台詞が出るシーンがあり、国家主義者同士のマウントの取り合いが演じられる。このあたりは個人主義的な集まりの中でも出自や母国のプライドを捨てきれない精神性の低さがある。一方の村人たちは政治よりも相互的な共同体としての村に重きを置いていて、村の歴史で培われたポテンシャルが終盤に発揮される。見ごたえのあるバイオレンス映画だと言っていい。
【現実】
近未来の物語?
「みんな狂ってる」というキャプチャーは、確かにそうだと感じる。
でも、よく咀嚼してみて、実は、これは世界のあちこちにある現実で、世界も狂っていると思い始める。
ブラジル。
バクラウ村。
何もない。
仕事は何だろうか。
でも、ネット環境は整えられていて、スマホやパッドはある。
医者もいるにはいる。
怪しい薬もある。
そして、何か組織だろうか、そいつらとの紛争もあるようだ。
水の確保が命題。
選挙活動に来るやつはいる…が、しかし、水の問題は解決しない。
実は、あってもなくても良いような村と思われているのかもしれない。
侵入者。
白人で英語が母国語。
アメリカ人らしい。
「良い警察官だけど、仕事は…」
リーダーらしき男の話すのを聞くと、白人至上主義者で、黒人をいとも簡単に殺す白人警官を思い起こさせる。
ゲーム感覚の殺戮なのか。
「俺は子供を殺さない主義だ」
何を免罪符にしてるのか。
村人を一網打尽にしようと目論んでいるようだが、動機は不明だ。
村人が傭兵のような連中と協力して、侵入者を殲滅するのに、どこかほっとする思いがよぎる。
しかし、この村人達は…本当に、これで良いのだろうか。
社会とは半ば隔絶したような状況で、食料や医薬品はめぐまれたもののようだ。
それでも、何か独自の信念に取り憑かれて変化を求めているようには見えない。
もしかしたら、ブラジルの現状を比喩的に表してるのかとも考えたが、発展途上国の紛争地域の状況そのものではないのかと次第に思えてくる。
宗教の宗派対立、多民族間の民族対立を背景にした発展途上国の紛争は後をたたない。
これといった生活の糧はなく、持ち込まれるスマホなどで表面的に文明化だけはする。
近代的な武装化も同様だろう。
時に対立する相手は、外国軍を送り込んでくることもある。
こちらも傭兵を雇う。
相手の正義、自分達の正義。
決して理解し合えるものではない…ことを前提にしているように感じる。
本当に理解し合えないのだろうか。
歴史学者ハラリ氏の言うように、僕達はフィクションを信じ込んでいるだけなのかもしれないのに。
もしかしたら、本当の敵は別にいるのかもしれないのに。
戦いは絶えない。
地下に閉じ込められようとする侵入者のリーダーらしき男が「また、同じことが繰り返される」と警告する。
事実だろう。
何も変わらない。
同じだ。
これが現実だ。
架空の村を舞台にして、比喩的に世界を表現したのではないのだろうか。
これが僕達の世界を覆う現実なのだと。
カンヌでは、それが評価されたのだと思う。
ネット上から消すって凄いね。
ブラジルのとある田舎の村バクラウが何者かに狙われる話。
94歳の語り部にして村の中心人物でもあった女性が亡くなり、葬儀が行われた直後のバクラウで、村外れの農家が何者かの襲撃にあい皆殺しにされる事件が発生。
又、同じ頃、インターネット上の地図から村の存在が消えたり、ドローンの目撃情報があったりと不穏な事態が巻き起こっていくストーリー。
地図の件もドローンの件も、犯人は直ぐに示されるけれど、その目的は?そして怪しげなアメリカ人集団は何を?何の為に?となっていくけど…。
結局のところ、そういうことなら小出しに襲われた理由も良く判らないし、リーダー格のヤツは何がしたかった?更に言うと黒幕は何の為に差し向けた?
と、ストーリーがテキトー過ぎる。
山場のバクラウの本性的なものの面白さはあったけど、映像的にド派手なものもほんの少しだけだし、山場までの時間が冗長過ぎた。
『ザ・ハント』『サプライズ』のように"被害者が加害者"モノで、『ミッドサマー』のようにある意味"怪村"モノ、そして『ゲット・アウト』『アクエリアス』のように強烈なソーシャルコメンタリー!!
やりすぎたかな?いや、このヘンテコさが病みつきになる。またブラジルが直面している政治的問題・不安を示唆に富む視点から描くように深い。様々な所/双方にスポットを当てては思わせぶりで、観客を煙に巻き、なかなかその実態を掴ませてはくれない。奇妙で不穏、ストレンジでスリリング、そんな不思議な魅力に満ちている。例えば主人公女性のパートナーらしき"殺し屋"が事ある毎に意味有りげな挙動をするのも如何にも裏がありそうでいい。そして話の実は…被害者が加害者みたいなオチの付け方自体は正直結構よくあるタイプのものなのだけど、そこに至る過程までの見=魅せ方が上手くて、独特で、見る見る内に引き込まれてしまう。神経逆撫でし胃を掴まれる、だから前情報は極力入れずに見てほしい(※ただグロ耐性はある程度必要かも)。いい意味で&最高の褒め言葉としてトチ狂ってる。だって我々は最強の薬を飲んでるから。
《博物館》「これは始まりに過ぎない!」と言うように狩り側の更に奥に待っているのは彼ら"地図から消された村"を食い物にする連中か。白人社会のエゴ。優れた、かつ痛烈なソーシャルコメンタリー。そしてシュールだけど何よりリアル。流石のウド・キアも彼女の前ではちっぽけな存在にしてしまうソニア・ブラガ×クレベール・メンドンサ・フィリオ監督コンビはNetflix映画の傑作『アクエリアス』を思い出すけど、実際似た部分が多分にあった気がする。
勝手に関連作『ゲット・アウト』『ザ・ハント』『ミッドサマー』『サプライズ』
正直なところ、途中で止めようと思った。監督が何をいいたいのか全くわ...
正直なところ、途中で止めようと思った。監督が何をいいたいのか全くわからないし、ただ、ホーラ映画や、スリラー映画を作ったのではないのはわかる。ブラジルの現状、政治混乱の中、このような作品を作るんだから。このつまらない映画の中に、なにか見出せないのかと考えて見ていたら、この映画が二千十九年のカンヌ映画祭で賞を取ったと知った。ええ?ほんとう? カンヌはちょっと風変わりな映画が賞を取るので、まあ理解できとるして、そ
のあと、監督(クレベール・メンドンサ・フィリオ)と医者役を演じた女優(ソニアブラガ)のあるインタビューを聞いたが、全く、何が目的でこの映画ができたのかも何も話していないし、ソニアがこの映画で子供の死が、強烈であって、こんなことがあってはならないような話をしていて、観客に喝采をされた。それに、この監督はブラジルのレシフィーにある大学をジャーナリズムを専攻して卒業し、ジャーナリストで映画評論家でもあると。リオやサンパウロの新聞に投稿したり、雑誌にも記事を載せていたらしい。そうなると、ブラジルの将来を予測しているのかな。地図にない場所をジャイール・ボルソナーロ が作っているのかもしてないと勝手に考えたりした。ブラジルの私の友達はジャイール・ボルソナーロ の息子は問題が多く、整形手術をして逃げていると言った。息子が安心して住める場所が地図にないところかもしれないとも思った。なんだか時間を無駄にしたような作品だった。これはあくまでも私感である。
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