「スペイン版『ニュー・シネマ・パラダイス』と思っていたら・・・」ペイン・アンド・グローリー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
スペイン版『ニュー・シネマ・パラダイス』と思っていたら・・・
主人公が映画監督でサルバトーレという名前が一致していただけだった。それでも回想録部分では映像も綺麗で心地よく鑑賞することができた。現代の監督(アントニオ・バンデラス)パートはどことなく薬物の話が中心となってしまい、半自伝的だと思われるのですが、釈明的・自嘲気味に描いていました。
多分、喉がつまるという精神的苦痛を和らげるためにヘロインに手を出し、やめられなくなってしまい、皮肉なことに30年前の主演俳優アルベルトに対しても露骨な態度をとってしまうサルバトーレ。せっかく「中毒」というピッタリの台本で演技してもらったというのに・・・また孤独になっちゃうよ。
好きだな~と感じるのは幼少期の回想パート。家に金がないからと神学校に入れられるも聖歌隊のソロをまかされるほど重用され、他の科目を受けなくてもよくなったとか。それでは勉強できなかったんじゃ?と思うのに、壁塗り職人エドワルドに対しては読み書きや計算を教えるほどだったのです。
ゲイに目覚めるのは神学校に入ってからだったのでしょう(『バッド・エデュケーション』参照)けど、エドワルドの入浴シーン(uncensored)には少年サルバドールも胸の鼓動が抑えられなくなって熱まで出しちゃいました。
結局、一番良かったのがこのエドワルドとのエピソードだっただけに、現代パートの良さがまったく伝わってこなかった。これも苦悩する監督自身を表していたのかもしれません。ただし、ラストを見る限り、まだまだ映画製作意欲があるのだと感じられてよかったです。
スペインのタクシーはMT 車なんですね、気付きました?シトロエンの白いセダンが何度も映りましたが坂道発進はあまり上手くなかったなぁ。
kossy さんご安全にー‼️今年もよろしくお願いいたします。