劇場公開日 2020年6月5日

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「舞台は「ナイト・オブ・リビング・デッド」でテーマは「ゾンビ」で」デッド・ドント・ダイ 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5舞台は「ナイト・オブ・リビング・デッド」でテーマは「ゾンビ」で

2020年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ジム・ジャームッシュ初のゾンビものということで、公開前は結構盛り上がってた記憶があるけど、公開後の反響はあまり聞こえてこなかった本作。
Amazonビデオでレンタルが始まったので観てみたら、その理由が分かったw
舞台が田舎町や墓場なのはロメロの「ナイト・オブ・リビング・デッド」を連想するし、ラストでトム・ウェイツが全部セリフで解説してくれるテーマはロメロの「ゾンビ」と同じ。
それをジャームッシュ作品常連の豪華キャストと、オフビートな掛け合いでユーモアたっぷりに描く――っていうオシャレゾンビ映画なわけだけど、ただエピソードの断片を乱暴に繋ぎ合わせて最後は投げっぱなしの駄作とも見えるし、好意的に深読みすれば消費社会に溺れた人類というテーマに世界や個人の分断という今どきな社会問題を付け加えた、ある意味でロメロ版「ゾンビ」のアップデート版と取れなくもないっていう。
ただ、監督がジム・ジャームッシュでなければ、ただの「悪ふざけB級ゾンビ映画」と切り捨てられちゃうだろうと思った。

青空ぷらす