「シュール過ぎて人は選ぶだろう」デッド・ドント・ダイ テツさんの映画レビュー(感想・評価)
シュール過ぎて人は選ぶだろう
いやーなんともシュールなゾンビコメディ笑
オフビートなユルさと緊張感の無さに加え、ロニーとゼルダのキャラクターにヤられた笑
もうやりたい放題かよ笑
ネタバレになるので後半で詳しく書きますが"メタ発言"の多さよ笑
監督、アダムドライバーで遊びすぎじゃないか?笑
他にも同じくだりを繰り返したり、独特の間とか空気感?というのかなそれが妙に笑えてくる。
ゾンビ映画としては、"生前の行動に従ってしまう"あたりが目新しいか。
彼らがゾンビとしてさ迷う姿と欲望のままに行動する現実の人間たち…もはやどちらと変わらないんじゃないか?みたいなメッセージなのかな?
最後のセリフが全てを物語ってます笑
田舎町の警察官、クリフとロニーは奇妙な事件をきっかけにゾンビパニックへと巻き込まれていく…
間違いなくゾンビ映画ではあるが、ゾンビはなかなか出てこない。登場人物紹介や舞台となる街の紹介、そしてテーマ曲の「デッドドントダイ」の紹介だ。(ここで早速アダムドライバー演じるロニーによるテーマ曲だからというメタな発言笑)
全体的にオフビートと言うかスローなテンポで彼らの日常及びそこに静かに迫る脅威をチラリと覗かせながら物語は進んでいく。
原因は極地での工事が原因による地軸のずれらしいが…それによって何がどうなってこうなったのかなんてことは説明されない。もうこの方が清々しいので好感が持てる笑
ゾンビが出現して、襲われる展開はゾンビ映画らしいのだが、被害者を発見してからの「野生生物に襲われたの?、何頭もの?」の繰り返しギャグのシュールな笑いの提供に加え、ティルダスウィントン演じるゼルダの刀捌きのレベルの高さよ笑
ん?あの刀は斬鉄剣かな?ぐらい一刀両断してくれるあのキャラ最高笑
ロニーもまたゾンビを足早に理解し淡々と「頭を破壊」していく
そして呟くのだ「最悪の結末になりそうだ」と…
(ちなみになんでそう思うと聞かれて最初の答えは「強く感じる」のだそう。フォースかな?笑?車のキーホルダーがスターウォーズだし笑)
そんな淡々としていた理由。それは「台本を読んだから」というトンデモメタ発言笑(ちなみにビル・マーレイは自分の出番の分しか貰ってない笑ジムめ!笑)
さらに、ゼルダはUFOに乗ってどっかへ旅立ってしまう…ポカーンである。(アダムもここまでは知らなかったらしい笑)
と、まあゾンビ映画っぽさを発揮しながらも緊張感がないようなシュールな展開とメタな発言に終始ニヤニヤしながら観賞しました笑
多分合う人合わない人はいる作品でございましょう…
ゾンビ映画にどこまで、どの辺を求めるのかによっても好みが別れるかな?
監督としてはwi-fiやBluetoothの電波を求めさ迷う人々や欲望のままに群がる人々、そんな様がゾンビとして表層化し、ゾンビと現代を生きる人々に何の違いがあろうか、もしくはまるでゾンビを見ているようだなと思ったのかもしれない。
本編ラストのセリフが監督が見ている世界なのかも知れないなと思ったり。
シュールに笑えて、メタ発言にニヤニヤしながらゾンビ映画という存在もネタにしつつ、監督の現代を見つめる視線も折り込んだなかなかの傑作だと思ったり
パンフレットを読んで↓
やっぱり着想はwi-fiやスマホゾンビのような人々だったらしい。ただ、あくまでと悲観的には捉えず、コメディだとも言っていたのでコメディとして楽しむのが正解かな?