「スターウォーズとロード・オブ・ザ・リング」デッド・ドント・ダイ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
スターウォーズとロード・オブ・ザ・リング
シネコンでもジム・ジャームッシュが観られるという至福の時間。多分『ブロークン・フラワーズ』(2005)以来だと思う。やっぱりゾンビ映画を作ったとしても、緩さとオフビート感はジャームッシュ特有のもの。期待に応えてくれました。
21世紀のゾンビ作品は走るゾンビが一般的になってしまいましたが、元祖ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビものは走らないのです!走るゾンビが大流行してしまい、これでもかこれでもかと大御所が立ち上がって走らないゾンビ作品を撮る。それでも従来のままだと飽きがくるので色んな工夫をしているのです。
多分、その走らないロメロゾンビがジャームッシュの作風にピタリと合ったのでしょう。墓場から蘇る死者は『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』そのものだし、車を襲う雰囲気も古典を踏襲しています。グロ映像も満載だけど、ゾンビを殺しても血を噴出さず、黒い煙のようなものが舞い散るだけという新しさもあった。
GS兼雑貨屋のボビーの店にはオタクが喜びそうな恐怖マスクやポスターがずらり。エンドロールで色々紹介されてますが、まず目につくのがやはり『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でした。“Thanks to”の項目にもジョージ・ロメロの名前が筆頭に来ていることから、かなりロメロへのリスペクトが感じられます。
ストーリー的には、局地の工事によって地球の地軸がずれたため世界各地で異変が起こっているという設定であり、月の周りには紫色の何かがうごめいていました。温暖化とか異変のニュースも「つまらない」と言って消してしまうとか、田舎の人たちが無関心なところも風刺されているし、トム・ウェイツ演ずる世捨て人ボブの言葉で「物質主義が・・・」がありましたし、金銭欲なんかも皮肉を込めたかったに違いありません。
アダム・ドライバー、ビル・マーレー、トム・ウェイツ、イギー・ポップなどジャームッシュ作品の常連が出てくるだけで楽しくなるし、今回はティルダ・スウィントンが日本刀を振り回して暴れる様子がとても良かった。彼女の正体が・・・というサプライズも。
おはようございます。
私、”ロード・オブ・ザ・リング”見たこと無いので分かりませんでした・・。(すいません・・)私のツボはジムの過去作キャラの使い方や真面目な顔でおバカな台詞を呟くところ、特にティルダ・スウィントンは面白かったなあ・・。
では、又。