劇場公開日 2020年10月30日

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「☆☆☆☆ 風見しんご→わらべ 原作読了済み。 これは原作に於ける登...」罪の声 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0☆☆☆☆ 風見しんご→わらべ 原作読了済み。 これは原作に於ける登...

2024年3月9日
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☆☆☆☆

風見しんご→わらべ

原作読了済み。

これは原作に於ける登場人物の多さ。並びに、史実を基にした時間や場所等、多少の縛りが有るストーリー展開。
それらの情報量のごちゃごちゃ感を、ここまでスンナリと分かりやすい内容にまとめ。尚且つ、エンターテイメントに仕立て上げた脚色が素晴らしいですね。

でも、内容が内容だけに、やむを得ないのでしょうが。大量の台詞やナレーションで、説明過多になってしまっているのは、本当に惜しい。

比べるモノではないのですが。最近では『朝が来る』が、極めて作家主義に徹したミニシアター系の作品と言うならば。この本編こそ、本質的にはミニシアター系の地味な内容であるにも関わらず。「よくぞここまでエンターテイメントに振り切ったなあ〜!」…と、感心するばかりでした。

原作だと、事件の全面解明は。ほとんどが阿久津と、もう1人のパートナーによって読者側に明らかになって行く。
曽根はあくまでも、自分の家族周辺の情報しか(確か)得られない。
しかしながら、映画本編は。星野・小栗によるW主演作品に他ならない。

その為に、映画の上映時間が丁度半分辺り。1時間と少しを経過した時に、2人のバディムービーとして仕立て上げる脚色に至り。「いや〜!そうくるか〜!」…と、思いましたね。

何しろ、原作だと。「し乃」の板長が、阿久津に対して(取材をしたいなら…と)金銭的な要求をするのですが。それを要求されてはいないが、別の人物へと振り分けた事で。その後の阿久津と曽根のバディ感を増す効果を、全面に押し出しており。一見すると、何気ない場面ながらも、思わず「やられた〜!」…と。

原作・映画本編共々。昭和を代表する大事件を基に構築されているだけに。ある程度の縛りは、どうしても発生してしまっています。
原作を読むと分かるのですが、(原作だと)事件の発生から31年が経過。

それが、映像化された本編だと、35年あまりもの長い年月を経過していながら。数多くの登場人物達は、当時の記憶がハッキリとしており。誰が、誰に向かって何と言ったのか…等。
その詳細で事細かな辺りは。原作を読みながら、ところどころで「おいおい!幾ら何でも30年以上も経っているだろうに!」…と、思ってしまったものです。

映画本編では、意外とその辺りの疑問点を感じさせない様としてでしょうか?ドンドンとスピーディーに、先へ先へと進んでいた気はします。
まあ、それらの疑問に対しては。「当事者なんだから当たり前だろ!」…って言われたのなら、やむなしでは有りますが💦

とは言え、主人公の1人である曽根本人だけが。何故だか(事件に関する)記憶が無かったり。
(これも、当事は6歳なんだから仕方ないだろ…と言われそう)
何よりも、歴史に残る大事件を基にしているフィクションとは言え。その事件自体が30年以上も、日本の警察が威信を賭けて力を入れながら、犯人へはたどり着けなかった程の大事件。

それなのに、原作・映画共に。僅かな人数、時間の取材で、一気に真相へとたどり着けてしまう、、、辺りは。「幾ら何でも!」と思う事しきりで(´・_・`)
(だから!元々犯人側に近い人間なんだから当たり前だろ!…って、これも言われそうですが、、、)

まあ、何だかんだと貶しつつも、ここまでエンタメ性に優れ。年齢や性別を抜きにして、誰でもが楽しめる作品へと昇華させた脚色には、素直に脱帽するしか有りません。

ラスト近く、2人の 〝 男の子 〟が。母親の愛情を受けて、《心の重荷》から解放された時。今現在の我が身と母親との関係性を鑑みて、思わず号泣させられてしまいました。
だからと言って、点数を爆上げする様な事はしませんが(´・ω・)

出演者の中では、(あくまでも個人的にですが)小栗旬の俳優としての可能性の高さには、ちょっと驚きました。
これまでは、ミニシアター系のこじんまりとした低予算な作品で映える人…との印象だったのですが。
この本編を観て、今後はエンタメ性の超大作作品でも1枚看板として、しっかりと作品を支えていける実力の有る俳優さんなのだ…と、認識されて貰いました。
勿論、バディとなる星野源も良かった。

梶芽衣子演じる母親は、元過激派の女性党員。
長い年月に渡って、胸の中では社会に対して反旗を翻していた…って設定には。

「おいおい!それ狡いって〜!」

…と、思わず叫びたい気分でしたわ(^_^;)

ネットでは、宇野翔平の演技が絶賛されている様ですが。
彼はどの作品でも素晴らしいので。「何を今更!」…感が自分には少し、、、

2020年11月5日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン1

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松井の天井直撃ホームラン