劇場公開日 2020年10月30日

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「時効でも在るもの」罪の声 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時効でも在るもの

2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

キツネ目の男という表現と似顔絵にインパクトがあったので、強く印象に残っています。あの事件後、キャラメルやチョコなどがすべて透明フィルムでパッケージされるようになり、子供ながらにとんでもない事件なんだと思いました。本作は、その風化してしまった35年以上も前の話を「今」の物語として蘇らせ、フィクションであることを忘れるくらいのインパクトがありました。原作は未読ですが、土井監督ならではのリアリズムが奏功しているように思います。そして、狂言回し的な意味でも主人公の記者を演じた小栗旬の存在はとても重要と感じました。「すでに時効になっている35年も前の話を記事にする意味がわからない」というスタート地点は、本作を観ている観客と相通じるものがあり、自分が過去を調べることで壊れていく家族の存在もあって、主人公と同じ気持ちで心を揺さぶられました。それにしても、警察ではなく、記者が社会の不正を暴く様は、まるで現代における文春砲ですね(笑)。

赤ヒゲ