「事件を掘り返すことの意義とは」罪の声 nakano.oさんの映画レビュー(感想・評価)
事件を掘り返すことの意義とは
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あくまで主役2人はストーリーテラーであって、この話の主人公は総一郎な気がした
総一郎が今まで何を考えて生きてきたのかを考えるとあまりにも悲しい
俊也が総一郎に『曽根さんはどんな人生だったか』と聞かれても何も答えられないところが苦しかった
あまりにも総一郎の人生が壮絶すぎて
父親が殺され夜逃げをして学校に行けなくなり、姉を目の前で殺され、母親を残して逃げ、優しくしてくれた夫婦に迷惑をかけまいと仕事をやめ、保険証がないから病院に行けず目の症状が悪化してようやく見つけた仕事をクビになり、死を選ぼうとしていた時に『同じ境遇』の人と出会ったときは嬉しかっただろうな
質問した時の嬉しそうな表情が本当に辛い
でも『同じ』ではなかったと知ったとき、また苦しんだんじゃないかなと思うとさらに辛い
母親と再会出来て、
『置いていってごめん』と謝れて本当に良かった
母親は謝って欲しいなんて微塵も思ってないだろうけど、罪の意識に苛まれ続けるのは辛いから
でも全てのきっかけであるテープの声が唯一の形見なのは悲しかった
あと色んな人がわりと話してくれたのは、当時は関わりたくないから黙ってたけどずっと誰かに話したいことだったからなのかな
板長はちょろすぎるけど
事件に利用されたマスコミが、マスコミを利用して事件関係者が前に進めるきっかけをつくったという綺麗な終わり方で救われた
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