劇場公開日 2020年10月30日

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「正義のための犯罪の浅はかさ」罪の声 高之さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0正義のための犯罪の浅はかさ

2021年7月3日
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「正義のための犯罪」、「誰も傷つかない犯罪」。しばしばドラマや映画で肯定的に扱われるモチーフである。
しかし、嬉々としてその犯罪の素晴らしさを説く犯人の、いかに浅はかなことか。愚かなことか。視野の足りないことか。考えの足りないことか。

それらの犯罪の愚かさをテーマとした『ファーゴ』やら『復讐者に憐れみを』やら『古畑任三郎の江口洋介回』やら、その系譜の中でも特にシリアスな映画である。

実際、元のグリコ森永事件でも、焼身自殺が出ている。

学生運動を嬉々と美談として語る世代に怒りと見下しを隠さない信念ある映画である(『相棒』とは大違い(笑))

高之