「昭和後期の未解決事件と新左翼運動をかけ合わせる原作の妙味」罪の声 h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和後期の未解決事件と新左翼運動をかけ合わせる原作の妙味
原作に書かれている細かい部分の説明や前振りが省略されているので、映画では強引な展開のところもなくは無かったが、400頁強の原作小説の世界観を損なうことなく、よく140分の映画に収めたなあと納得させられた。
新聞記者出身の塩田武士氏の緻密な事件調査にもとづく骨太の小説をどう描けるか。映画を観るのも迷っていたのだが、結局は気になって映画館に足を運ぶことに。
出演する俳優陣には映画をヒットさせるための客寄せキラキラ俳優はおらず、脇役陣は名バイプレイヤーで固めており、サスペンス調に偏りすぎることなく作品自体も想像以上に見応えがある作品だったと思う。
内容に関しては必然的に原作小説に関することになってしまうため、映画のレビューの場であるため控えたい。本作が気に入られた方はぜひ原作の一読をお薦めする。あわせて本チャンのグリコ森永事件に関する本やNHKスペシャルを観るといろいろな自分なりの仮説が出てくるのでは。
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