「過去の欠片を丁寧に紡いで辿り着く答え」罪の声 まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
過去の欠片を丁寧に紡いで辿り着く答え
実際の歴史的事件を下地に、あくまでフィクションとして描かれた本作ですが、造りが非常に丁寧で細部まで矛盾がなく、且つ、大袈裟になり過ぎない物語になっているため、これが真実ですと言われても信じてしまいそうなくらいです。
ミステリー的要素よりも、時効を迎えたとはいえ日本中を巻き込んだ事件の真実が明らかになるにつれて変わっていく登場人物の心理描写に重きをおいて描かれていました。
真実を知らない方が幸せだった人もいれば、知ったことで少しは傷が癒えた人もいて。動機を聞くと「そんなことで」と思うけど、それは時間が経った今だから、当事者じゃないから感じることで。
令和の時代に見るとなお、昭和という時代の異常性が際立ちます。
でもラストは、哀しみや虚しさの中に少しの希望を感じることができ救われました。
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