ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒のレビュー・感想・評価
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【虚栄心に塗れたプライドは、破滅の原因。そんな腐った”プライド”には、舌を大きく出して”オサラバ”しよう!。スタジオライカの製作陣の気概が"画"から伝わって来る作品。】
■サー・ライオネルは、冒険家。ネス湖のネッシーを探そうとしたりするが、失敗続きで、助手にも愛想を尽かされる。古臭き思想の貴族クラブからは除籍されている・・。
が、ある日、未確認生物、ビッグ・フットを見つければ・・、と貴族クラブのドン、ダンスビー卿に持ちかけられるが・・。
- 時代は、いつかなあ・・。あ、資料にヴィクトリア朝のロンドンと書いてある。だから、貴族クラブのドン、ダンスビー卿は”あんな古臭い進歩を認めない考えに固執しているのか・・”
・サー・ライオネルは、イエティを探しに行って命を落とした且つての相棒の妻、アデリーナ(元、恋人でもあるらしい・・)のところから、ビッグ・フットに関する手紙を手に入れて冒険の旅に出るが、漸く会えたビッグ・フットは”良く喋り、字も書けるが(手紙は彼が自分で書いていた・・)、独りぼっちで寂しく、仲間に会いたい・・”と願うユニークな類人猿だった・・。
- ビッグ・フットのキャラクターが良いなあ・・。寂びしんぼうで、ちょっとドジで・・。でも、憎めない。-
・そして、サー・ライオネルの冒険の邪魔をするダンスビー卿に雇われた殺し屋に邪魔されつつも、サー・ライオネルはビッグ・フットとアデリーナと、ビッグ・フットの同類と思われるイエティを探す旅に出るが・・。
<イエティを探しにシャングリラに辿り着いた彼らを待っていたモノは・・。自分の大切なものを只管に隠し、外界と縁を持とうとしないモノたちと、進歩を認めない頑迷なヴィクトリア朝のイギリスの貴族クラブの姿を滑稽に描いた作品。
”現代にもこういうモノたちは、まだまだいるなあ・・、と感じながらも、スタジオライカのストップモーション・アニメの楽しくも美しき映像と、魅力的なキャラクター造形に引き込まれた作品でもある。
ヒュー・ジャックマン(良い声である。)を始めとした声優さん、全て分かったら凄いなあ・・。
但し、一点だけ。
"もう少し、物語展開に一捻りあればなあ・・">
ストップモーションは確かにすごいけど
※後半に少々ネタバレも含みます。
技術面では確かにすごいと思う。
すごく手間暇かけてるんだろうし、膨大な費用と時間がかかっているんだろうなとも思う。
ただ、やっぱりストーリー重視してしまう人間からすると物足りなさが目立ってしまう。
子ども向けアニメとして観たらいいのかもしれないけど、あえて喋らない方が面白いシーンでべらべら喋られたり、「おっ、賢いな!」と思う行動があるかと思いきやしばらく後に「なんでそんなポカするん?」と言いたくなったり、キャラクターの性格に一貫性が無いように感じられてしまった。
そもそもの話、ミッシングリンクにあまり愛着が湧かない。
ひねくれ主人公のお供としては素直すぎるというか、ひねりが無さすぎると思ってしまった。
未亡人の女の人と主人公の距離の縮め方にも少々違和感が…。
愛する亡き夫を想っているのかと思いきや…うーん?
観るものが他にないからこれを選んだけど映画館でわざわざ観なくてもよかったな。
ストーリーは二の次三の次
「毒」部分が強すぎるのが気になった
過去の『コラライン』や『KUBO』と比べて、動きの滑らかさや物の質感、小さな表情など、ストップモーションアニメなのかCGなのかもうよく分からないほど、クオリティは明らかに上がってる。
その表現の豊かさには感服するんだけど、今回は少し演出の「毒」が強すぎた感じ。
ディズニー・PIXAR・ドリームワークスなど昨今のアニメ作品がかなり滅菌されていることに感化されているつもりはないのだが、特にジョークの表現において下品さや残酷さ、乱暴さが物語全体の雰囲気から浮いていた様に感じて、飲み込みにくかった。
正直なところ、ヒュー・ジャックマンの声優ぶりはさすがで、リンクさんが登場するまでのハードボイルドな活劇の雰囲気が良かっただけに、必要以上に流れをコミカルな方向に「ハズし」てくるリンクさんには感情移入しにくかったという部分もある。
※以下ちょっとネタバレ
最後のつららに掴まって落ちるか落ちないかっていうアクションシーンも、すごく表現が巧みでドキドキしながら見てたのに、結局あの悪役が落ちたらすぐ「ハイ、よじ登れました」って、そりゃないでしょ?って、感じ。
あと、名声ばかりを求める主人公が改心するくだりも何だか弱い…というか、「ホントに分かってる?」って感じ。
そんな細々したところにあちこちトゲトゲがあって、なんか引っかかる感じが最後まで続く感じで、十分には楽しめなかった。
ビッグ・フットの大きな靴
ストップモーション・アニメと言われてもにわかには信じがたいほど動きがなめらかで、アングルも変幻自在だ。水しぶきとかどうやってコマ撮りするのか、見当もつかない。顔のパーツだけで10万6000種類作ったというのも気の遠くなる話だが、その注力が作品の価値にどう結実したかが問われるところ。
オープニングからエンドロールまで、手を抜いたところがなく、極めてウェルメイドな作品であることは間違いない。人物の造形のデフォルメもほど良く(なぜみんな鼻が赤いのかはナゾだが)、ストーリーもわかりやすい。氷の橋の活劇など実写だったらそうとう無茶な展開だが、アニメーションと思えばロードランナーとコヨーテの攻防レベルで許容範囲だろう。
ライカは「コラライン」が大好きで、「KUBO」には乗れなかった。技術を向上させるのはいいけれど、これ以上突き進むと普通のアニメーションと大差なくなるような気がする。ストップモーション・アニメならアードマンの「ウォレスとグルミット」ぐらいがちょうどいいかも。
それでもアカデミー賞を争って敗れた「トイ・ストーリー4」よりはずっと好き。
やはり好きなやつだった
CGも3Dプリンターも小型カメラも、何でも使ってパペットアニメーションの可能性を切り開き続けるライカの執念に脱帽する作品。
至高のスタジオライカのストップモーション技術を存分に味わうなら、映画館での鑑賞ほぼ一択。そりゃ確かに人形のようなキャラクターを存分に動かすのであれば、ピクサー作品に敵うものはないけれども、ライカが目指すのは、物理的な質量を持った物体にどうやって生命を吹き込むのか、という飽くなき挑戦。しかも作品ごとにその技術レベルが、素人の眼で見ても格段に進歩し続けているのだから、本当にすごいのひと言。
今作でライカ制作の劇場長編作品は5作目だけど、一作ごとに世界をまるごと作り上げるために、広大なスタジオと多くの技術スタッフ、そして膨大な機材が必要になるとのこと。数作品のためにこれだけの手間と資金と時間を費やしていって、経営的に大丈夫なのかしら…、と要らぬ心配をしてしまうので、心から大ヒット祈願。
パペットアニメーションに関心のある人なら劇場に何度でも足を運びたくなること間違いなしなんだけど、問題は本作のテーマと主人公を受け容れられるかどうか…。主人公は英国貴族の探検家で、貴族クラブの仲間入りを果たすという野望のために、伝説の生き物を追い求めるという、要するにかつての帝国主義宗主国を体現したような人物。その強引で自己中心的な性格と行動は、劇中でそれなりに魅力的には描かれてはいるけど、ちょっと感情移入が難しいほど。
というか、ライカもよくこんな人物を主人公に据えようと思ったなー。その媚びない姿勢もまた、ライカの魅力なのだけれども。
ホンモノをみる感動
脚本は色々雑な部分が多い。
ライオネルとスーザンの出会い(発見)は簡単に解決しすぎてもっとドラマチックになったような気がする。スーザンを見ても誰も驚かない件もなんかご都合感を感じる。「スーザン変装作戦」みたいなギャグにすればよかったのに。
ツララの一連もどんな奇想天外な方法で敵を倒してさらに上に戻るのかとワクワクしてたら、なんとなく上に上がってきてしまった。
さらに、悪役も殺す必要はあったのか?目の前で2人も死んでめでたしめでたしは現代のファミリー向けの作品としてはどうだろうと思う。
各々のキャラクターの成長もなんだか分かりづらく、困難を乗り越える要因がその成長に起因しないのも残念。
とはいえ、
そんな事はどうでも良くなる程の映像美!
「こんなのCGアニメと変わらないじゃん!」という人もいますが、CGでどんなに美しい朝日を見せられても『アラビアのロレンス』の陽の昇るシーンの感動を超える事はできない。
本物の砂漠から【ホンモノ】の太陽が昇ってくる。人間がどうやってもコントロールできないモノを目の当たりにする感動だからだ。
一方、本作のアニメーションも人間の完全なコントロール下にあるといえばその通りだが、その為にどんな苦労をしているか想像は容易く、それが人間技を超えた【ホンモノ】の努力に他ならない。
ライカにしてもアードマンにしても人の心を動かすのはそういう部分であると思う。
とか言いながら、
船の中のチェイスとか、氷のぶら下がりとかのシーンではしっかり手に汗握り、そんな作り手の努力をすっかり忘れてしまうのだから、完全にお手上げだ。
物語としては欠点はあるが、活劇としては傑作だった。
慇懃無礼な紳士とイノセントな野人とそれを手玉にとる美女が世界中を周る冒険をぜひシリーズ化してもらいたい。
動きがなめらかすぎて…
驚異のアニメーション
最高にコミカルな冒険もの。
子どもから老人まで楽しめるシンプルさ。
権威主義って愚か、と感じさせる皮肉っぷりも心地よく。
『KUBO』から4年、ますます「驚異」という高レベルな領域に突っ込んだ、ライカスタジオのストップモーション・アニメーションの新次元を、心ゆくまで堪能させていただきました。
満足、満足!
ディテールが凄すぎる
広大な世界を体験した先に
東京国際映画際にて鑑賞。とても温かく優しい作品で映画際に相応しい作品であった。
ヒュー・ジャックマンが吹き替えを演じる主人公のライオネルは探検家であり、まだ人間が解明できていない、いわゆる神話、未知なる生物の存在を確証するため探検の日々を過ごしている。
そんな中未知なる生物のリンクと出会う。リンクは人間に殺される事を怯えて人間と関わらず森に潜み独りで生活を送っているが、人間の事を観察して自力で言葉を覚え読み書きができるようになっていた。
彼もまた神話に夢を見て秘境となる場所には同種族がいると考えライオネルと共に旅をする事になる。
旅の途中にはライオネルを狙う殺し屋から逃げたり、色んな荒波を乗り越えたりと旅の付き物でもあるいくつもの壁を共に乗り越える。目指していた場所に辿り着くもののライオネルとリンクが望んでいたものはなく、最後は2人は家に帰り今後は共に親友として暮していく事となる。
旅のシーンではコメディシーンが多く比較的子供向けの笑いシーンが多い。ストーリーも良くも悪くもありきたりで単純明快な展開の為こちらもまた子供が楽しめるものとなっている。
もちろん大人も楽しめる作品ではあるが、個人的には子供向けな作品だったかなというのが率直な感想である。
この作品で好きだったのは、世界はやはり広く、外に出る事で色んな体験や経験を育む事ができる。
そんな広い世界の一部を経験しても最後は元鞘に収まるようなところが個人的には魅了された。
大切な人は気づかないだけですぐ近くにいるものである。
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