「尻つぼみのシリーズ」大脱出3 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
尻つぼみのシリーズ
シルベスタ・スタローン主演での『大脱出』シリーズの第3弾。1作目は、スタローンのシュワちゃんが共演ということで、話題を呼んだ作品だった。しかし、2作目からは、ハリウッドがチャイニーズ・マネーの前に平伏した感じが強い内容となって、本作も、主なアクションは中国人のマックス・チェンが担当。しかも、中国語での台詞に、英語のテロップが映し出されるというのは、アメリカ映画では珍しい作品。
本作の中心も、これまた、中国最大のハイテク企業の令嬢が拉致誘拐され、令嬢を奪還するという内容。そこも、アメリカ人の脱獄プロ組織が、中国人を助けるという構図自体が、トランプ大統領が聞いたら、真っ赤な鬼の形相で怒り出す内容かもしれない…(笑)その為か、オマケの様に、スタローン演じるブレスリンの恋人アビゲイルも誘拐させ、ブレスリンの本気度を増そうとしているが、本来、こちらが柱となって展開されていたのが、これまでのハリウッドではなかっただろうか?
物語は、かつてブレスリンの仲間で、500万ドルの為に裏切って殺されたレスターの息子が、金の強奪のために、アビゲイルと中国企業令嬢誘拐する。同時に、アビゲイルも誘拐することで、ブレスリンをおびき寄せて、父の復讐を果たそうとするもの。そして、そのアジトが『悪魔の砦』と言われる難攻不落の迷宮監獄。そこに、ブレスリンと共に令嬢の新旧の2人のボディーガードが、『悪魔の砦』に乗り込んで、奪還を図ろうとするのだが…。
スタローンも、ラストには相変わらずのファイティング・アクションを見せてくれたが、やはり、顔の皺や身体、アクションには衰えを感じざるを得ない。また、ラスボスも、ブレスリンの前に、情けない程あっけなく倒され、クライマックスの盛り上がりにも欠けた。そんな中で、爽快だったシーンが、デイブ・パウディスタ演じるデローサが、悪魔の砦に単独で乗り込み、ショットガンで敵をバッタバッタと倒すシーンだった。