風の電話のレビュー・感想・評価
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モトーラ世理奈は早くも邦画界でかけがえのない存在に
NHKドラマ「透明のゆりかご」(現在4Kで再放送中)で初めてモトーラ世理奈を知り、その圧倒的な個性に驚かされた。そして昨年から今年にかけて「少女邂逅」「おいしい家族」そして本作と、主役や重要な役で起用され、異なる物語の中にもある種共通した空気感を醸し出している。 東日本大震災で家族を失った17歳のハルが、多くの人に助けられながら故郷を目指す旅を描く。道中で出会う人々の経験や思いや優しさに触れ、彼女は喪失を自覚し、再生のきっかけをつかんでいく。演技巧者の共演陣を相手に、モトーラ世理奈は常に自然体に見える。泰然ではなく、はかなげで、頼りなさげで、自らを持て余すかのような。そんな脆弱さを演技という鎧で隠すのではなく、そのままさらけ出す逆説的な“強さ”がある。それを引き出した諏訪敦彦監督の演出も大きい。 どうかこの魅力を失わないまま、邦画界で順調にキャリアを積み上げてほしい、と心から願う。
水のような映画
とかく此の手の映画はあまりメジャーではない俳優さんが出演しているイメージですが 「風の電話」に限っては 豪華メンバーです。 映画の題材はストレートな自己再生の旅。観る人それぞれが それなりに共感する。 しかしながら この映画の狙いは違う!そんなテイストを取り入れながら 序盤戦からかなりの力業で引き込んでいく。 ドキュメンタリーなのか巧妙な演出なのか かったるいストーリーなのか 物凄いオチがあるのか...どこにも針を振らずとも 取り合えずみせられてしまう。 何処かで見たようなシーンの中に淡々としているが故 役者は深いところでの演技に全力投球しているように感じました。 観てしまう...なんだか観てしまう。が続く映画。 残念なのは終盤戦からラスト。リアリティーの暴走。真のリアルを演者に求めてはいけない。 どんな映画でもオチだけはしっかり考えないとエンターテイメントとは言えない。
大槌の、風の電話。 とても悲しい映画でした。 2011/03/11...
大槌の、風の電話。 とても悲しい映画でした。 2011/03/11はまだ終わっていません。 という間にも、能登半島2024/01/01のような震災も。 持ちつ持たれつ、できることを都度考えて、努めねばです。
痛み、悲しみの普遍性
特別なものは何もない。会話は平々凡々とした感情の交換に終始しているし、西日本から東京を目指すというロードムービー的動線に迂回路はほとんどない。どこにでもいる人々、どこにでもある映画。しかし本作はそうした「どこにでもあること」、すなわち交換可能性を突き詰めた果てに普遍性を打ち立てようとしている。 劇中ではしきりにものごとの交換可能性が強調される。たとえば冒頭、主人公のハルは土砂災害に見舞われた山奥の村落に迷い込む。滅茶苦茶に破壊された家屋と、途方に暮れる少女。その光景は3.11の惨状を強く惹起させる。あるいはクルド人家族との出会い。帰ろうにも帰る故郷がないという理由から日本での窮屈な生活に耐え続ける彼らの姿は、家族と故郷を失い遠い街で細々と暮らすハルの憂鬱と強く共鳴する。あるいはハルを見て死んだ娘のことを思い出し、泣き崩れる母親。 時空を超越して個々の体験が重なり合う。「震災」「原発」といった固有名詞が有する良くも悪くも強烈なイメージは徐々に相対化されていき、そこに通奏低音として流れている痛みや悲しみといった不可視の感情が前景化してくる。2時間20分という長尺、全編にわたる長回しの多さは、その繊細な変化の過程を捉えるための必然性であるように感じた。 津波に飲まれた両親と弟に「風の電話」から電話をかけるハル。彼女の言葉は素朴で拙い。悲しい、なんで、待ってて。しかしそこには普遍性がある。彼女の痛みや悲しみは、誰もが抱くことのできるものだ。だからこそ彼女の言葉の素朴さ、拙さがかえって沁みる。 痛みや悲しみは特権化されやすいものであるように思う。当事者が「お前にはわからない」と言い切ってしまえば、あるいは非当事者が「俺にはわかるはずがない」と諦めてしまえば、両者の間には埋めることのできない断絶が生じてしまう。しかし本当に「わからない」のだろうか?場所や時間といった外部構造を一つずつ丁寧に外していけば、そこには案外似たような痛みや苦しみが横たわっているのではないか。 東日本大震災はあまりにも強烈なできごとだった。しかし誤解を恐れずに言えば、その強烈さゆえに「当事者だけが語りうるもの」として不健全にタブー化されている節がある。本作はその凝固した「震災」観を長い時間をかけて徐々に融解させ、そこにある普遍的な人間感情を掬い上げることに成功している。説教臭い感じがまったくないのが本当にすごい。
演技は良いが演出が下手
🎥有り、触れた、未来の後に、たまたま同テーマの本作品。監督の差が如実に出てしまった‼️辛いことを辛い、不安を不安と語らせたり描いたりすると観客は同調できない。オープニングのこれは震災の関連した内容の映画だと言うモノローグも不要。🎥有り、触れた、未来は一切舞台を最後の最後まで語らない。演出がまだらっこしくて見てられない❗モトーラはそのまだらっこしい演出の中でも存在感があった。演出に影響を受けないベテラン、三浦友和、西島秀俊、西田敏行が良かった‼️中途半端なドキュメンタリズムは意味不明。クルド問題がなぜ出てくるのか・・・。ロードムービーなのか・・。これも意味不明。広島発の北へのロードムービーは🎦ドライブ・マイ・カーを想起させたが本作品の方が先であった。それにしても震災とその被災地を表に出し過ぎ。その当事者はこれを見れるか?あとではなく先に見ていたらもう少しいい評価にしただろうか。
一言「人は1人じゃ笑えないんだよね」。
主人公ハルの表情が乏しく、ストーリーも淡々としているんだけど。 そこに途中、心に欠けたものを持っている大人たちが、手を差し伸べる。 この助演俳優が豪華でしたね。 予告には出てないけど、未婚の臨月母役・山本未来さんも温かい手だったな。 話は逸れるけど、見ててふと思ったんです。 家を建て替える時に、生まれ育った家を取り壊した時。 すごく泣けたんです、 だから震災で急に家や家族を失った方々の思いは、いくばくかと。 色々考えさせられた作品でした。 ⭐️今日のマーカーワード⭐️ 「お前が死んだら、誰がお前の家族のことを思い出すんだ!」
ありがとう
3.11 忘れられない数字。原発 津波の被害を残した大地震。私たちの住んでいる所も大きな被害を受けた。海がないので津波は無かったが家の屋根の瓦は落ちて家の中も壊れて相当な被害を受けて大変だった。 主人公のハルは震災によって両親と弟を失った空っぽな心の叫び…… どうしたら 埋めることができる 色んな人と出会い ただ ありがとう という言葉しか発しないハルだけど思っていることがわかる。 風の電話 大切な人を失った悲しみを 誰にも言えず 風の電話で 想いを言った 心の叫びを話すことができた いつも涙目で虚ろな顔だったが亡くなった家族に会う時は自分がおばあちゃんになった時。それまでは生きると ハルと同じ境遇の人達はたくさん居ると思います。残された人が亡くなった人をどのように偲んで生きていくかそれぞれの想いをもって。
亡くなった人と話ができる電話
主人公(モトーラ世理奈)は3.11で両親と弟を亡くし、広島の叔母に引き取られていた。 その叔母が倒れ、一人ぼっちになってしまう恐怖から、故郷の岩手に行くことに。 途中で原発作業員をしている男(西島秀俊)に拾われ、車で向かうことに。 ロードムービーなので、色んな人達と出会うエピソードが興味深い。 「家族を思い出す人がいなくなるので死んじゃだめ」
人の苦しみや悲しみに寄り添いたい、そう、深く感じました‼️
最初、映画として鑑賞してたのですが、これは鑑賞したり評価するものでは無い、そう、思いながら見ました。 理解を超える内容では無いが、当事者にしかわからない気持ちは、身に染みわけでもなく、ただ、寄り添うような気持ちは持たなければ、そう思いました。 果たして、西島秀俊のように親切にできるだろうか、自問自答して、いじめに加担することはないだろうか、自分の身に置き換えて、考えました。 クルド人も、エピソードはてんこ盛りですが、映画の出来より視点を勉強してる、そう見ていました。 いろんなことを学ばせて頂きました。
で?
これはコロナ禍がなくても、おそらく映画館では観ない。 デリケートなテーマで、 訳知り顔で軽々しく扱われても不快になるだけだから。 そして、案の定そうなった。 終始、陰鬱。 おそらく魅力的な娘なのだろうが、 ヒロインの表情だけで心が暗くなる。 星一つ出ていない夜に暗闇を描かれてもよく見えない。 闇に朧気でも光があればこそ、それがくっきりと浮かび上がる。 制作者は何を描きたかったのか。 津波に、原発に、土砂災害、さらにはクルド人まで、 盛りだくさんで散漫になっている。 タイトルの風の電話はおまけ程度にちょっと出てくるだけ。 ラストの電話シーン、 おそらくは最も盛り上がるべきところでウトウトしてしまった。
今リアルな自然の恐怖
封切り時には想像もしなかったコロナの猛威 悲しい震災の現実も、私に起こった事ではない 切ない作品が今、誰もの身に降りかかる現実に変わったんですね 放射能はうつらないが、コロナは感染するぞ 人口密集の都会の恐怖
震災
震災を経験してない自分には、わからないことが多かった。ただ、ずっと胸が苦しいまま、最後までストーリーが続いた。これほどゆっくり進む映画は初めてだ。それにしてもモトーラ世理奈は演技がうまい。本当に経験したようだった。また素敵な女優、映画に出会えました。
不思議と巻き込まれていく
どういう作り方なのだろう?と、慣れない感じもあったけれど、気づけば巻き込まれていて、泣いていた。 主役のモトーラちゃんは、この役にはまっていた、最高の出会いだったように思う。 このプロとアマの狭間のような絶妙な空気感を、ものすごい役者陣と絡んで、負けない存在感で乗りきっている感じ。 特に、渡辺真起子さんと山本未来さんとのシーンが良かった。女性同士に生まれる何か、なのか。 強いメッセージ性も押しつけがましくなく盛り込まれていて、素晴らしかった。
震災、豪雨/台風、介護、入管、差別、自殺、他にも現代を生きていて接...
震災、豪雨/台風、介護、入管、差別、自殺、他にも現代を生きていて接する様々な問題を描こうとしています。 生きる、生きていることの意義、亡くなられた方への思い。 この先、彼女がどこでどう生きていくのか?想像しながら映画を思い出しています。
モトーラ世理奈は岡山天音に似ている
2020年映画館鑑賞22作品目 広島県呉市から岩手県大槌町までのロードムービー スタートから重苦しい 全体的にリズム感がおかしい テンポが悪い 変な間がある なぜかと思い映画を観たあと調べたら台本はなく全てアドリブでやっているから そんな丸投げな演出は邪道だ 西田敏行や佐藤二朗のようなベテランなら許されてもいいが若手には無茶振りだ こういうアドリブ映画はあってもいいが主流にはなってはいけない インディーズならともかく商業映画だ イオンや朝日新聞とかがよくカネを出したもんだ 重い雰囲気を三浦友和や山本未来や西島秀俊や西田敏行がだいぶ和らげてくれた 広島呉市で倒れているハルに三浦友和が声をかける場面と流された自宅を西島と共にあとにする場面のロングショットが印象的 いろいろ詰め込みすぎという意見もあるようだがそれはあまり感じなかった クルド人も余計だとまでは思わなかった 139分と少し長めだがそれほどでもない ハルが家族に会いたい思いを爆発するシーンが3回あるがくどい 呉市の工事現場も大槌町自宅跡も抑えめでいった方が良かった 最後の風の電話で爆発するべきだった 流された両親と弟はここで登場するべきで西島の自宅で登場するのはおかしい ロードムービーだから場所と日付と時間の字幕がほしかった あまりにも不親切だ ほとんど西島のおかげで大槌町に行けたようなものだし 最後に主役のモトーラ世理奈について 彼女の存在を知ったのは今回の作品が初めて 予告編から感じていたが桁外れのブサイク女優 剛力とか多部とか黒木華なんて全然比べ物にならならない 杉村春子より酷い 顔の奇形かと思った 残念ハーフという言葉が1番ぴったりな芸能人 整形番組のbeforeかさんま御殿の再現ミニドラマに出てくるブスとどっこいどっこい しかも陰キャのブス 笑顔もキモい そばかすといえばキャンディキャンディだが彼女は明るくて前向きだった 陰キャのキャンディじゃ多くの人に愛されることはなかった これじゃヒッチハイク無理だわ よく乗せてもらった奇跡だよ 不良3人組もよくもまあナンパしたもんだ 後ろ姿で美少女っぽいから声をかけたけど振り向いたらごめんなさいだよ現実は それゆえに彼女の存在は今の芸能界に必要不可欠だ 隙間にはまる足りないピースがモトーラ世理奈だ 若いのにモデル出身なのに現時点での演技力は上々 世の中は美人ばかりじゃない 超ドブスが主役でもいいじゃないか 唯一無二モトーラ世理奈今後の活躍を大いに期待してます
内容てんこ盛りそして薄い
原爆、豪雨災害、原発事故、難民問題、東日本大震災により被災した者の苦しみや悲しみ周りの人の意識の違い等を表現しようとしたのかもしれないが当事者やそれに違い人には伝わるかもしれないが話しの流れの区切り方や持っていき方が強引だったり無駄に長かったりして一体何を伝えたいのかわからない。 脚本が監督が違えば良い作品になったのかと思います。 こういう話題だからこそしっかりと練り上げて作って欲しかったです。役者さん達は一流なのだから。
一つだけ惜しいのが
素晴らしい作品だと思う。一つ惜しいのは、モトーラ世理奈さん演じるヒロインが、呉線の駅で「あえて自宅最寄駅とは反対方向ゆき(「糸崎」と読めた)の電車に乗った」ことが、地元の方or旅好きにしかたぶん分からないこと。ヒロインはすっと電車に乗ったのではなく、躊躇しながら発車間際に乗ったことで、東(大槌の方向)へ向かおうということを示そうとしたのだろうが、この場面はヒロインにとってターニングポイントとなるので、もうひと工夫欲しかったです。
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