THE QUAKE ザ・クエイクのレビュー・感想・評価
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クライマックスは手に汗握ります。
津波によりPTSDを患い家族と離れた主人公が、地震の危険に気付き、家族を助ける為に奔走する物語。
THE WAVE/ザ・ウエイブの続編です。
粗を探せばキリがない作品ですが、後半は、その粗を気にせずに楽しめた作品でした。
エレベーターに閉じ込められる夫婦。そして妻の転落死は意外な展開で正直驚きました。
そして、妻の死の悲しみを振り絞り、幼い娘を助ける為に高層ビルの最上階に駆け上る父親。そのギリギリのシチュエーションは緊迫感を煽り、手に汗握るものでした。
前作では漆黒の闇で胡麻化した災害シーンも、本作ではしっかりとCGで作り上げていて好感です。
少し気になったところを幾つか。
少し前段階が長い印象ですね。冗長に感じました。
一緒になって娘を助ける女性の存在。「主人公の友人の娘で初対面」では、説得力に欠けるように感じます。良いように車を出させて、運転手代わりをさせ、命まで掛けさせるのであれば、以前からの知り合いであった方が説得力がでます。
最後に、「主人公が地震の警告」しても、「責任者が懐疑的」で・・・という設定は前作でも使っていたはずで、同じシチュエーションは余り見たくありません。
ネガティブなコメントを連ねましたが、標準点を付けるには十分な作品だったと思います。
ダイ・ハード的な
ブルース・ウィリス行くところ、必ずテロがあるように、続編なので、地質学者クリスチャンの行くところ、必ず災害がある的な感じはします、特に狭いエレベーターの中とか。妻も助かると思いきや、完全に裏切られました‥この家族も二度も災害に遭うって、もう嫌だよな、だから引っ越したのに。クリスチャンは前作もそうだったが、仕事になると家族や家族の約束を忘れてしまう。前作で家族の命は助けたものの、同僚含めて多くの人を助けられなかった事で、精神的に塞ぎ込み、未だに故郷で暮らし、家族とは離れて暮らしている。娘が折角会いに来ているのに、自分に受け入れる余裕が無いからと言って、次の日帰すって、理解できないし、非常に煮え切らない。苦しむことは理解できるが、自分だけが被災者ではない。決して家庭的な父親ではないが、地質学を通して、地震の予知を日々研究し、家族を含む皆の安全を案じているのではあるが、前作があるだけに、災害の時だけ家族を助けるって、ちょっと感情移入出来なかった。変わらないかも知れないが、不慮の事故でなくなった同僚の手紙や、電話に気付けば違ったのかも知れないとも思った。しかし、迫力はありました。どうやって最後ビルから助けられたのだろう。
超高層ビルの中の方が安全じゃない?エレベータは乗っちゃダメだし・・・
ハリウッド産のディザスター・ムービーで何度も経験したかのような超高層ビルパニック。後半は既視感いっぱいでありながらも手に汗握る。
前作は未見のまま自宅鑑賞。何人もの命を救ったヒーローとしてクリスチャン・エイキョードがテレビ出演したりもするOP映像。あ、これが前作での功績だったんですね。と、強靭な体を持ったヒーローかと思えば、トラウマが邪魔をして終始眉をひそめたような情けない顔になってる主人公。この怖がってる顔がどことなく稲川淳二に似てるかなぁなどと思いつつも、別居してる家族の中でも末っ子のユリアがまた可愛い。かつてのダコタ・ファニング風。
前半では元同僚で友人のコンラッドがトンネル落盤事故で亡くなったニュースと、彼の独自の研究成果を読んだため、大地震が来るに違いないと確信する。ノルウェーはヨーロッパの中でも地震頻発国だそうだ。それじゃ耐震設備とかも整ってるんじゃないの?と思うのだが、妻が仕事してる34階まで助けに行こうとするクリスチャンであった。
亡コンラッドの娘マリットは葬式の準備に忙しいというのに、クリスチャンは彼女を連れだしてあちこち調査する。いい迷惑だとも言えないマリットちゃん。もう単なる運転手だよ、これじゃ。やがて停電とか、ネズミが死んでいく映像を見せられて、全面協力するのだが。クリスチャンは「絶対大地震が来る!」と確信して、息子の大学に「爆弾を仕掛けた」などと息子を助け出すために警察に嘘の電話。うーん、大学だって新しそうだし、そこまでしなくてもいいのでは・・・犯罪だし。
そんなこんなでクライマックスは妻と一緒にエレベータに乗ったはいいけど、停電により止まってしまう。そしてユリアちゃんも健気に一人でビルに忍び込んだりで大変な事態に陥るのです。そして34階が斜めに!!これも既視感アリ。まさか外に垂直離着陸ジェットが助けにきてるのでは??て、そこまでハリウッド化してませんでしたが、とにかくCG映像が凄い。日本じゃこのレベルのCGは無理だ・・・
行動心理はわからなくもないが、耐震性能という点は無視されてるし、一番の失敗がエレベータ。ママを無駄に死なせてしまったような気がする。それでも迫力十分だったし、地震の予知問題といったテーマも伝えてくれたし、色んなことを考えさせられる映画でした。
ちゃんと最後まで描いてほしい
前作を乗り越えた主人公たちと街の人々のはずだが、意外に地震対策進んでいない。
アラートを鳴らすオッサンが躊躇ってアラートを鳴らさないとか無能すぎる。
主人公クリスチャンが津波後のショックから立ち直ってないのに家族は結構平気なのは不思議。
いざ地震となると一瞬で街が崩壊、揺れた描写は少なくて「あれっ?」となる。
大学の息子も出来れば「親父の言うことだから」とすぐ避難してほしかったがそこまでドラマチックな作りではなかった。
娘ユリアが言うことを聞かないのは仕方ないのでビルの上階で被災するのは仕方ない。
色々書いたがラストがあっさりし過ぎて驚いた。
何回も余震が…とか言っといて、娘助けたら終わり?(娘も落ちるのを防いだだけでまだ救助されてないまま)
大活躍の友人の娘マリットが主人公に見えた。
地球上に生きているということ
大変に怖かった。とにかく怖かった。人智を超えた圧倒的な力の前に、生身の人間のなんと無力なことか。
地球の内部でマントル対流が起きていて、マントルの上に乗っている地殻は必然的に対流に引っ張られて動き、複数の地殻の相互関係で地震が起きるというメカニズムについては聞いたり読んだりした。そしてメカニズムが分かっても個別の地震がいつどこで起きるのかは予測できないということも、あちらこちらで見聞きした。
「天災は忘れた頃にやってくる」という寺田寅彦の言葉はあまりにも有名である。被害に遭って次の被害に備えているうちは次の天災は発生せず、被害を忘れて用心を怠っているときに限って発生することが多く、結果として被害を甚大にしてしまう。
被害を大きくする原因には正常性バイアスもある。自分だけは大丈夫と思ってしまう心理、あるいは起きていることが大したことではないと見くびってしまう心理のことだ。災害時には悪者扱いされる正常性バイアスだが、日常生活で簡単にパニックに陥ったりしないためのブレーキの役目を果たしていると思う。例えば猫が何かに驚いて道路に飛び出して自動車に轢かれる例はよくあるが、人間では滅多に起きない。正常性バイアスは日常生活に必要な心理なのである。
しかし災害時には逃げ遅れや判断ミスの原因となる。東日本大震災で避難先を間違えた教師たちがそのミスと見苦しい弁解を責められていたが、もし自分が彼らの立場にあったとしてら、生徒たちを正しく安全な場所に誘導できたかどうか。教師たちの行為が意図的であったなら責められて然るべきだが、正常性バイアスが働いたミスならば、必要以上に非難されるべきではない。
さて本作品はノルウェーの首都オスロを舞台に、人々が巨大地震に遭遇する映画である。文明の象徴みたいな巨大なビルも、地震のエネルギーにはマッチ箱みたいに潰れてしまう。動物はいち早く察知して逃げ出すが、彼らの逃げる先に安全がある訳ではない。
家族を描き人間を描いてはいるが、本作品はヒューマンドラマではない。寧ろ自然災害を前にした人間の無力さを強調し、創造と破壊を繰り返す地球の、あるいは宇宙の不条理をあぶり出す。
恐ろしい場面の連続は、蜘蛛の糸よりも頼りない生命の糸の、あまりの細さに気づくことに由来する。死は日常的に我々の前に口を開いて待っている。今日、何を選択するか。今、何を選択するか。人が地球上で生きているということはどういうことなのか、改めて深く考えさせられる作品であった。
これはヤバイ
地震の話だよ。
冒頭から『地震がいつ起こるか解らない』って言ってるのに、突然主人公が『地震が、今、すぐ来る!』って確信するの。おかしいんだよ。
地震予知は現代科学ではできません!
どうも友人がトンネル内にネズミを置いていて、それが死んだら地震が来る合図だってことらしいの。地震の前にはガスが出るってことにしたらしいのね。
まあ、地盤が少し動いて割れ目ができて、そこからガスが噴き出すってのも、なくはないかもね。でも、ガスが噴き出し始めてから地震が発生するまで何日かかるかは、予想できないよ。
でも主人公は「地震が、今、すぐ来る!」って言って、家族を救うために走り回るの。
『主人公は地震予知ができた!』ってのは、フィクションとして許すとしてね、でも、その余地が全く役に立たないの。
大学にいる長男を建物の外に出すために『大学に爆弾を仕掛けた』って偽脅迫電話までして、それで大学では警報が鳴るんだけど、長男は建物の外に出ないんだよね。それで被災するんだけど、たまたま負傷しないっていう。お父さんが予知しようがしまいが、長男は無事なの。
妻を救いに行くぞ!って34階に上がるんだけど、そのときエレベーター使うんだよ。駄目でしょ。災害時にエレベーター使うなって散々言われてるでしょ。しかも『地震が、今、すぐ来る!』って確信してんだよ。
まあ、行きはギリギリ許容するとして、降りるときはエレベーター使っちゃ決定的に駄目。妻がああなったのは主人公のせいだね。予知が全く役立たない。
長女は主人公と行動を共にしてるんだけど、主人公が34階に上る前に『車で待ってろ』って言ってるのに『お父さんと離れたくない』ってことで34階に登ってしまい事態を悪化させる。だから、予知してんだって。誰も信じてないじゃん。
で、地震の描写は一瞬で終わって、それからは高層ビルから脱出するパニック映画。《タワーリング・インフェルノ》っぽかった。
ここでもね、主人公は長女をおぶれよと思ったね。それくらいできるだろって。長女が一人で頑張ってるから事態が悪化すんの。パニック映画のシーンをみせたいだけっぽいの。
そして最後にテロップで『ノルウェーは欧米諸国の中で地震が多い。大地震を学者は断言している。だがいつ起こるかは解らない』って出るんだけど、それでどうしろって言うのか解らないの。『いつ来るか解らないが、できる限りの備えをしましょう』って言うなら解るけど、作品中にそんなの一切出てこないの。「地震はいつか来るよ。ほーら来るよー。恐いねー。恐いねー」って言ってるだけなの。そんな作品つくんなよ。
もしかすると「地震は予知できる奴がいるから、誰かが『地震が、今、すぐ来る!』って言ったら、言うこと聞け」っていうのが教訓なのかな。そしたら長男は外に逃げ、長女は車で待機し、妻は階段で降りるから、全員被災しないかな。でも、もう一度いうけど、現代科学のレベルで地震予知はできないからね。万が一それが教訓だったら超トンデモ映画になっちゃうな。
蘇る記憶
ディザスターパニック「THE WAVE ザ・ウェイブ」の続編。今度は都市を襲う巨大地震の中で生き残るため奔走する人々の姿を描いた作品。
東日本大震災被災者の私にとっては、この2本の作品は当時を思い出して悲しくなる作品ですが、多くの方に「津波」「高層ビル内での震災」とは、こういう物であると知ってもらえる貴重な作品でした。
前半から震えが止まらないほど緊張して観ていましたが、作品として現実を忠実に再現している秀作と思いました。
勇気と努力と決断力
「THE WAVEザ・ウェイブ」で岩山崩落によりガイランゲルが津波に襲われた3年後、元同僚で友人のコンラッドがトンネル崩落事故で死んだことを切っ掛けにクリスチャンが個人的に調査に乗り出す話。
タイトル通り今度は地震。
そういえば前作を劇場で鑑賞してから丁度3年。
津波の後、被害者への責任や自分に出来ることを勝手に背負い家族と距離を置く主人公。からのわかりやすい地震煽りとやる気のない超保守的調査会社に、クリスチャンを信用しない登場人物達。
それが起こるまでかなり引っ張られたし、収束がかなり駆け足だったけど、余計な胸アツエピソードラッシュもなく、テンポが良くてやっぱりディザスタームービーは面白いと感じさせてくれた。
ロック調とは違った調べのディザスター
派手な宣伝もなく単映館で細々と上映されているこの種の映画が気になる人はレビューがどうであれ観るのでしょう。引き留めません。
公開初日からネタバレ書くのも野暮ですから漠然とした印象で悪しからず。
前作からの引きずりと北欧の風土から来るものでしょうか、例えるなら冒頭からグリーグの組曲『ペール・ギュント』の「オーゼの死」を思わせる重々しく暗い旋律の曲が想起されます。
「カルフォルニアダウン」のような予算もCGもないですが十分恐怖は描けています、これは監督が20年余り撮影監督で磨いてきた実力のなせる業だと思えます。加えて主役はドウェイン・ジョンソン程のタフガイではないのである種頼りないほどのリアリティがあります。ディザスタームービーをパニックエンターテインメントではなく現実として描いて見せようとする製作陣の姿勢、これはこれでありでしょう。ただノルウェーの地震リスクはサンアンドレアス断層ほど知名度がないので予測に至る展開がいまいちピンと来ませんでした。あとで調べてみたらノルウェーでは氷河期に地中に押し込められた沈殿物が粘土状の地質を作り出しており、氷河が溶け出したことでこの粘土状の地質が浮上している。これによりノルウェーは毎年国土が 1cm 程度上昇している。このような国土の浮上も地震の要因の一つと考えられているとのことでした。
興ざめした
前半はよかった。クリスチャンは、前回の津波で多くの仲間や知り合いを無くしてしまい生きる目的を見失ってしまう。家族との関係も絶ち、前回の災害への鎮魂、次の災害に備えることに取り憑かれてしまったクリスチャンの風貌が、鬼気迫っていて、次のディザスターで多くの人を救うことで、心の澱が消えていくんだろうと思った。
しかし、地震が来ることを確信してからがいけない。多くの人を救うことよりも自分の家族を助けることを優先しまうくだらない男に成り下がってしまう。
それにしても、地震に蹂躙されるオスロの様子がチープで、興ざめしてしまった。ゴジラが暴れまくらないとビルはあんなふうに倒壊しないと思うし、主人公たちが、あえて危険な状態に向かっていくような設定がおかしい。
東日本大震災を経験した自分にとっては、とにかく揺れが長く続くことがほんとに怖かった。地震を経験していない人に地震の怖さを伝えることもこの映画の目的でもあるのに、地震が続くシーンはあっさりと終わってしまい、地震が終わってからのわざとらしい危機的なシーンが続いていく。どんどん映画への興味が薄れてしまった。
迫力はあるけれど。
話が回収しきれてなくブチ切れ感が否めないラスト。危機一髪でいきなりこれかよ、と。一番見せ場の地震のシーンもほぼ予告編で出し尽くし。それでもやっぱりスクリーンで見る迫力は違うけどね。
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