「名脇役アーネスト・ボーグナインの怪演にひれ伏す」北国の帝王 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5名脇役アーネスト・ボーグナインの怪演にひれ伏す

2020年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何故か1973年に集中した”1930年代のノスタルジー”ブームは、「スティング」や「ペーパームーン」などの名作を輩出したが、その中で強烈なインパクトを残したロバート・アルドリッチ監督の快作。男性映画の骨太で逞しいタッチが特徴のアルドリッチ監督の迫力ある演出に、強烈な風貌を持つアーネスト・ボーグナインの文字通りの怪演が炸裂する。アカデミー賞を受賞した「マーティ」の愛くるしい演技なんか何のその、怒りに燃える憎々しさでは他の追随を許さぬその演技に唖然となる。この作品で一気にボーグナインのファンになってしまった。
題材のホーボーと呼ばれる浮浪者が主人公の設定も異色で、1930年代初頭の世界恐慌の煽りで無賃乗車の旅を続けるのが、リー・マーヴィンとキース・キャラダイン。走る蒸気機関車で戦うホーボーとボーグナインの鬼車掌。アクションシーンが命の映画で、ラストは若者に対する教訓めいたメッセージもあるが、純粋にバトル映画として楽しい作品。

Gustav