「すべての事に終わりは来るけれど、それでも諦めず前に進もう。…そんなメッセージを感じる作品でした。」わたしは光をにぎっている もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
すべての事に終わりは来るけれど、それでも諦めず前に進もう。…そんなメッセージを感じる作品でした。
ボスターの松本穂香の憂い顔がいいなと感じて鑑賞しました。
再開発の名のもと壊されていく町。
その町の銭湯に居場所を見つけかけていたヒロイン。
これはきっと、そんなノスタルジックな雰囲気を味わう
作品なのだろうと。そんなことを思いながら観てました。
地元のローカル駅で
仲間に背を向けてホームに向かうヒロインの姿に共感。
行きたくない。 けれど
行かないと前に進めない
だから行かなくちゃ。 …うん。分かります
☆
タイトルを見たときに、どことなく「詩的なイメージ」と思ってまして
調べてみると、出典がありました。
山村暮鳥(やまむらぼちょう)
明治の詩人にして児童文学者。
詩集「梢の巣にて」の
「自分は光をにぎつてゐる」という詩。 ← こちらでは「わたし」でなく「自分」
※ 私は手の中に、光をにぎりしめている。 そのはずだ。
一度手にしたものは、なにがなんでも手放すものか。 (意訳…)
このような思いが込められた詩かと思いまして
そう思いながら作品を振り返ってみたら、もっと別のメッセージが
見えたような気がしました。
「失敗や挫折なんかに負けずに、たくましく生きていこうよ」
そういうことなのでしょうか。
ラストの場面、ヒロインは場所を変え、他の銭湯にて働いておりました。
☆
祖母のひとこと
「自分に出来ることから始めなさい」
本当にそう思います。 しみじみ。
中川龍太郎監督
「四月の永い夢」のカントクさんでした。
まだ20代ですか 若いなぁ
生きることの儚さとか再生とか
そういうものをテーマにするのが好きな人なのかなと思いました。
次の作品もすぐにあるみたいなので、自分的には要チェックです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。