「スマホ落としてないじゃん、と思いきや。」スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
スマホ落としてないじゃん、と思いきや。
良い映画を作ろうという気、ありますか?
前作は溢れんばかりの愛嬌とつまらなくはない物語で乗り切ってくれたのに、どちらも底をついてしまったみたい。
愛嬌を失ってしまったらもうただのダメな日本映画の模範例になるしかないじゃない?
「命を狙われている」という切羽詰まった気持ちが全く湧かないのはなぜなの。
IT企業に勤めておきながらパス無しのフリーWi-Fiに接続してしまうのはなぜなの。
乱暴すぎる伏線とミスリードをかましてしまうのはなぜなの。何も無い方が全然マシだと気付けないの?
そもそも破綻気味のストーリーがこれ以上破綻しないよう、何とかシーンを繋げただけの作品に思えてしまう。
登場人物それぞれが変な気持ち悪さと胸糞悪さを持っていて、誰も好きになれなかった。
虐待されて育った人に無神経なことを言えるのはなぜなの。加賀谷母の老けメイクが雑すぎるのはなぜなの。
大して親しくも無いカップルの目の前で結婚を促してしまうのはなぜなの。
護衛の音坂がめちゃくちゃ弱いのはなぜなの。
馬鹿みたいな小ネタを入れてしまうのはなぜなの。そんな陳腐なネタで笑えるとでも思ってるの?
アキラの脇におぼん落としておく労力をもっと有益なところに使って欲しい。
脚本とか。演出とか。スマホ画面とPC画面のデザインとか。演技指導とか。
そう演技。実力の無い人をメインの役にするのはもうやめてほしい。役者にとっても全然プラスにならないでしょうそれ。
多少の下手さくらい全然気にしない鑑賞スタイルをいつも構えているけれど、ちょっと耐えられないくらい酷いメインキャストがいて本当に悲しかった。
浦野の振り切り具合だけが救いだけど、正直そのサイコパス的アプローチはダサすぎる。
ただし、予測不能な彼の行動力には結構テンション上がった。
いいぞいいぞ!頑張れ浦野!肉まん食べたい!
加賀谷VS浦野のほっぺぽよぽよプリティ男子対決はこれからも追いたい。
兵頭の着ているスーツがかなり気になった。
サッカー地にしたのはなぜなの。ヤクザみたいでかっこよかったけど。
頭蓋骨に群がるウジ虫、変死体に群がる蟻、嫌がらせスープなど、所々でちょっと好きなポイントを突いてくるのが憎らしい。
殺される女の見開いた目蓋にマスカラが落ちて付いていたのが妙に好き。