「眠くならないお話です。それはいいことだと思う。」さくら akiraさんの映画レビュー(感想・評価)
眠くならないお話です。それはいいことだと思う。
ある家族の生き様を描いた映画。よく作成しようと思ったなと思います。
一見、話がバラバラでむちゃくちゃだと思いますが、最後まで目が離せないのはうまく作られている証拠だと思います。ただ、脳内でたくさん補完しないといけません。
起承転結、どれもありがちな話だと思いますが、今をトキメク俳優さん、ベテランさんをうまく配役して、良く作ったなと思います。
私も三人兄弟だからでしょうか?家族の関係性が結構リアルに感じられ、すべてが懐かしかった。
兄弟で使っている二段ベッドも、そこに貼ってあるビックリマンシールも同じだった。
戸建ての家のフローリングの床の感じ、その壁の作りなど、色々リアルでした。
作っている料理もリアル。彼女さんに無理して準備したフルーツを載せているシルバー(ステンレス)のプレートもリアル。
兄弟が部屋にこもって密談している距離感も兄弟ならでは。(他人同士だと近すぎる距離)
すごくすごくリアルでした。
卒業式のLのカミングアウトはむちゃくちゃだと思いましたが、それで見ている人は理解できるでしょう?そこはサービスカットです。現実と思わなくていい。
クルミを投げつけてガラスやミラーが割れるのも「それぐらい強い思い」ということ。
表現がわざとらしいとか古く見えるかもしれませんが、ワンカットワンカットに、「こう思ってほしい」という気概が感じられました。
私の気のせいかもしれませんけれど、何だか製作した人達の意図が、ドドドッと流れ込んできて、だから全然眠くならなかったんだと思います。
平凡な家族だからねぇ…。何があっても、歩いていくもんだよ。
懐かしい日本の家族、そしてLGBTのぎこちない社会参加と、禁断?だけど普通にある愛。
見て良かったと思います。
本当はみんなチグハグに生きているはずだから、この映画は正直な思いの映画だなと思いました。