ひとよのレビュー・感想・評価
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くだらなくても間違ってても巻き込まれてやれよ
映画「ひとよ」(白石和彌監督)から。
夫の暴力から、子供たちを守ために、母は父を殺害した。
母は自首して刑務所に入り、服役後15年後に、子供たちの前に。
この事件に、人生を振り回されてきた子供たちは、
それぞれの悩みを抱えて生きてきたからこそ、
嬉しい反面、憎らしい、責任を取れなど、心の葛藤が起きる。
愛する息子から、父親(夫)殺害を追求されても、
「母さんは絶対に間違ってない!」と彼女は動じない。
「今、私がした事を謝ったら子供たちは迷子になっちゃう」
このワンフレーズを心に秘め、罪を償ってきたはずだから。
わざと万引きし「お母さん、エロ本、万引きした」と叫ぶ。
次男「そんなこと言うために人巻き込むなよ」と怒鳴る。
そんな時、この顛末をずっと見続けてきた男が口を開いた。
「巻き込まれなよ。
くだらなくても間違ってても巻き込まれてやれよ。
こうやってしか気持ちを伝えられない人でしょ。
そんなのわかってることでしょう、ごめん」
時には「巻き込まれてあげる」のも優しさ、そう理解した。
PS.
個人的には、事件当日の日めくりカレンダーの一言。
「2004年(平成16年) 5月23日(日) 草も抜かざれば、木も茂らず」
PCの横にあった、16年後の日めくりカレンダーの一言。
「3月25日 峠を越えたらまた峠」の2つがとても気になった。(笑)
_φ(・_・ぎこちない家族が、、、、、。
子供達をDV夫から守るために殺人を犯す母親が15年ぶりに出所して子供達と元の生活を取り戻すまでの物語。子供達はいくら守ってくれたとはいえぎこちなく過ごす。とある一夜を過ごして心が通う。いい映画だった。ぶれない母親は勇気がいるしくじけそうだけれど常に凛としている。くじけそうになった時〝子供達が迷子になっちゃう〟一言は泣き。
こんな母親いいなと思う。自分の親と比べてしまい苦笑いです。
あの一夜から、好きに、自由に、家族を愛す
昨年、3本の監督作が公開された白石和彌。
『凪待ち』は予想以上に良かったが、最も期待していたのは本作。
この題材に豪華実力派。
結構賛否分かれてるようだが、こちらも非常に良かった。
『凪待ち』がハードで重厚な作品ならば、同様に重苦しくありつつも、白石作品の中でも温もりや優しさすら感じた。
地方でタクシー会社を経営する家族。
子供たちを守る為、DV夫を殺めた母こはる。「15年後に帰ってくる」と約束し、幼い3兄妹を残して出頭する。
一夜で運命が狂った3兄妹は成長し、各々の人生を歩んでいたが、出所して音信不通だった母が約束通り帰ってくる。
戸惑いながらも15年ぶりに再会した家族は…。
世の中、単純に白黒や善悪で定まらない事が多いが、本作の題材こそまさしく。
人を殺めたこはるの行いは罪だ。しかも、自分の夫だ。愛して夫婦になった筈。しかし…
回想シーンで少ししか登場しないが、DV夫は戦慄のモンスター。
我が子を殴る蹴る。末っ子の娘にまで。
もはやDVや犯罪どころではない。生き地獄。
あのまま一緒に暮らしていたら、子供たちに最悪の悲劇が起きていたかもしれない。そんな子供たちを守る為に…。
子供の居ない自分が言うのも何だが、親は子供の為ならどんな事でも出来るという。
時には命すら投げ出し、罪をも被る。
もう苦しみや何ものにも縛られない。好きに自由に生きられる。
子供たちのこれからの幸せを願い、究極の愛のカタチとも言えよう。
が…
残された子供たちは実際どうだったのか。
言うまでもなく、世間から批判、誹謗中傷の嵐。
人殺しの子供、会社には悪意の落書きや貼り紙…。
子供たちも夢破れ。妻子に本当の事を言えず、小説家の夢が三流マガジンの記者、美容師の夢が地元の寂れたクラブで飲んだくれ…。
人生がメチャクチャに。
あの時母が父を殺めていなかったら、それはそれで苦しい人生に。
母が父を殺めたら殺めたで、苦しい人生に。
時を経て、再会。
それがただ単純な感動の再会にはならない。
またかつてのような家族に再生出来るのか…?
この家族に救済は…?
他の多くのレビュー通り、キャストの演技に圧倒される!
次男・雄二役の佐藤健。
『いぬやしき』などで悪役は演じた事あるが、それとは違う等身大のひねくれ役で新境地。後で触れるが、3兄妹の中で最も複雑な役所。
長男・大樹役の鈴木亮平。
乞音持ちだが、真面目で優しい性格。壮絶な家族の過去を経験しながらも、兄妹で唯一の家庭持ち。が、その家族に問題を抱えており、さすがの演技巧者。
末の妹の園子役の松岡茉優。
3兄妹の中で自由奔放な言動。思った事、感じた事をズケズケ率直に言う。何処かやさぐれ感も感じさせ、改めて松岡のナチュラルで柔軟な演技、その才と役の振り幅が素晴らしい。
ひねくれ弟と真面目な兄、その間に入る妹。見事なバランス加減!
中盤過ぎで3兄妹が思わず談笑するシーンは、兄弟姉妹が居る人なら誰もがあるあると感じるだろう。
だけど何と言っても、3兄妹足しても尚…いや、本作の真の主役と言っても過言ではないのが、母こはる。
日本を代表する名女優、田中裕子の名演。
別に物凄い凄みがあるという訳ではない。
滲み出る母親の愛情。
不器用な優しさ。
ユーモアを交え、絶妙。お母さん、白昼堂々歩きながらエロ本読んじゃいけませんぜ…。
子供たちを守る為に罪を犯した母。帰って来てから知人たちに称賛されるが、それを否定。
自分は聖母でも人に称賛される事をした訳じゃない。
罪は罪。子供たちの人生や幸せの為の代償。
ああするしかなかった。
いややはり、圧倒的な存在感を放っていた。
この家族たちだけじゃなく、周りも個々が光る。
気のいいタクシー会社の面々。でもそれぞれ問題抱えている。
社内不倫に認知介護疲れ。
普段ならこの会社に借金の取り立てしそうな音尾琢真がしっかり者の社長役で善人! こういう役も出来るんだ…。
長男の妻、MEGUMIも印象的。少々ヒステリックでもあるが、うっすら分からんでもない立ち位置は演技の巧さ。
助演陣では特に、佐々木蔵之介。
新入の中年タクシー運転手。性格は穏やかで誠実。彼も家族との間に何かあったようで、息子との久々の再会。原因となった暗い過去。回想シーンなど無いが、背景がだんだんと見えてくる。
ハードでバイオレンスなサスペンスを得意としてきた白石監督。
究極の夫婦の愛はあったが、家族の物語は初挑戦。
シリアスでもあったり、悲しくもあったり、らしいサスペンスフルなシーンもあったり、ユーモアもあったり、それでいて心に響き染み入ったり…。
白石監督ならではの一筋縄ではいかない家族のカタチ。
母が帰ってきて、長男は受け入れる。末妹は今でも母が好き。
でも、次男・雄二は…。
アンタのせいで俺たちの人生はメチャクチャになった。
それをマガジンの記事として書き、飯の種にする。
それくらい当然だ。それくらいの事をアンタはした。
母に対して憎しみ。
本当に憎んでいたのだろうか…?
実は、最も母の帰りを待ち、母を想っていたのは雄二ではなかろうか。
今の仕事はあの時の母とエロ本の思い出、出頭する前自分たちに掛けてくれた言葉を録音し今も大事にしている。
人生の好きを選ばせてくれた。自由を歩ませてくれた。
憎んでも、それは裏返しの気持ち。
母と子なのだ。
他の家族も絡む。
長男家族。妻に離婚を迫られ、思い悩む長男。ある時妻の言葉にカッとなり、父と同じような事を…。
新入タクシー運転手。息子とヨリを戻したと思いきや、ショッキングな展開に…。
それによって思わぬ事件が。
何処か通じる悲しい家族がぶつかり合う。
息子と楽しく食事したあの一夜は何だったのか…。
家族の人生がメチャクチャになったあの一夜は…。
もう元には戻れないのか…?
他人にとっては一年の中のたった一夜。
が、その家族にとっては、ほんの一時の幸せであっても悲劇であっても運命が変わっても、特別な一夜。
元に戻れない事なんて無い。
好きに、自由に、再び。
家族は、特別な存在。
巻き込まれることを受け入れたら。
全体的にとても良かった。
特に音尾琢真が良かった。
漁師になりたかったと泣いた尻から、タクシーの呼び出し電話には極上の営業スマイル(声)でご対応。そしてスカした次男に「巻き込まれてやれよ!」って、あんたええやつ!
わたしは家族のあれこれから背を向ける次男的人間ですが、巻き込まれることを受け入れたら、違う見え方もあるのかなって思った。
とはいえ、ここんちの父親みたいな怪物が家族にいるわけでもなく、背を向けたくなる対象はペランペランだから比べたら怒られるね。
筒井真理子の介護疲れの本音、狭い仲間内での生産性のない情事、リアルで切ない。
長男くんは、長男である自分の不甲斐なさが辛すぎて頑ななんだけど、気弱な自分をもっと愛せれば、妻ともうまくいく可能性あるよね。男の子が受けた呪いを体現している彼が切なかった。
きょうだいたちが灰皿周りで言葉少なにいるだけで妙な連帯がある感じ、自分と弟達にもある空気でなぜか泣けた。
蔵之介のアルコール依存の元極道父と、シャブ中になってしまった高校生の息子のインパクトもなかなか強い。
そんで高校生息子を運び屋にしてしまう現役極道が千鳥の大悟w
お母さんのしたことが、愛がどうかはわからない。
彼女自身が辛くて辛くてやってしまったのかもしれない。
でも多分彼女は後悔してない。
田中裕子は眼差しで語ってくる。ただそこにいるだけなのかもしれないけど、隠した感情が知りたくでみつめてしまう。すごいなっていつも思う。
大人も迷いながら生きている
DVから子供を救うためにと夫を殺す母、だが残された子供は母が言うように自由にはなれず、なりたい者にもなれなかった。
社員のドウジョウ(佐々木蔵之介)は子供が薬の運び屋になってしまい、その現場を後輩の画策だと思われるが目の当たりにして世の不条理と子供は自分の失敗を親のせいにすると嘆くが、稲村家の親子は互いに人のせいには意地でもしない姿勢で踏ん張って生きていた。
人の弱さと強さをたっぷり見せられたが、終演後は不思議と胸糞悪さは無くスッキリとした気分で映画館を後に出来た。その理由は田中裕子はじめ、佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優さらにまわりを固める俳優女優陣が素晴らしかったのもあるが、自分の運命を受け入れて頑張って生きる姿を一貫して見ることが出来た事による。
最後、髪を切られるためにエプロン?をかぶった田中が空を見上げ涙ぐむシーンは、見る人によって様々な心理描写を引き出すシーンであったと思う。わたしには私は間違ってないと言っているように思えた。
フェリー乗り場でのシーン、自分にとって特別な夜も他人から見れば普通の夜という感じの言葉に深く頷いた。
別々の感情
きっかけはテレビでの撮影秘話をみての鑑賞。
開始5分で母親の衝撃的な行動からはじまり
兄弟3人が15年後事件に対して別々の感情があることが
色々な場面で感じれた。
特に中盤の3人揃ってタバコをすいながら
話していた「母が帰ってきてどう思ってるのか」
に対して
長男=変わらなければいけない
次男=無理だろ
長女=帰ってきたんだからもういいじゃん
と全員違う意見。
佐藤健の世界を憎んでるような物事を客観的にみてしまう役が毎度上手いと感じた。
と全員ちが
弱さを許容してくれる場所
暴力を振るう父親を殺めた母は、15年後、約束通り残された兄妹の元に帰ってきた。帰還を喜ぶ者、母を恨む者、感情の整理がつけられない者。崩壊した家族の行く末は…。
家族のかたちを問う物語であるのは確かだが、もっと根元的な、人の弱さを描いた話でもある。
殺人の罪、大衆の悪意と、非常に重い内容だが、フイルムノワール的な暴力とエロス、つい笑いを漏らしてしまう人間の滑稽さなど、エンターテイメント要素もふんだんに盛り込まれている。
家族を取り巻く人々も、優しく、弱く、逞しく。救われない気持ちで終わらずに済む、バランスの取り方が絶妙だった。
難しいシチュエーション、複雑で微妙な感情の機微を表現する、役者陣の演技も素晴らしい。
ちゃんとしたい。社会に受け入れられたい。成功したい。人に喜ばれたい。優しくしたい。誰だって少なからずそう思って生きている。
でもままならない。上手く出来ない。夢見たのに、頑張ったのに、最善と思って選んだのに、今、目指したのとは違う未来にいる。
「何処で間違ったのか、何処からやり直せばいいのか、知ってるなら教えてくれよ!」「親の気持ちなんて子供にゃ全然伝わんなくて、空回りばっかりだよ!」心折れて、崩れ落ちて、慟哭する。
上手くできなかった。駄目な自分のままだった。これからどうしよう。何処へ行こう。しょんぼりと立ち竦む。
そんな時、無条件で、いいよいいよ、そのままのあなたでいいよと、受け入れてくれる場所として、最後にそこ(家族)があったなら。
そんな話のようにも思った。
父のように暴力を振るってしまうのではと恐れる長男。本当は側にいて愛して欲しかった長女。漁師を夢見たのにタクシー会社を継いだ社長。
皆迷いと後悔の中にいる。
あれで良かったと、本当は母でさえ信じきれない。「度胸じゃない、度胸なんかじゃないよ」でも、「私が間違ってたと認めたら、子供達が迷子になる」から、強ばった声音で、表情で、「私は間違ってない!」と、頑なに繰り返す。
母の残した、「何にだってなれる」の言葉に囚われて、手段を選ばず、何としても成功を掴もうとした次男。母が「親父殺してまでくれた自由」だから。なんだ、あんた一番似た者同士だったんじゃないか。
自分の弱さに向き合い、許容できた時、ようやく他人を許せるようになる。或いは、他人の弱さを許せた時に、ようやく自分の弱さも許して生きる気になるのかも知れない。
近すぎて、多くを占めすぎて、それが一番困難なのが、家族というものなんだろうけど。
過去を受け容れ、現在を信じる安易さ
茨城県の地方都市でタクシー会社を営む稲村家。
子どもへのDVが絶えない父親に対して、母・こはる(田中裕子)は思い余って最終瞬断に出てしまう。
「お父さんを殺しました・・・ あなたたちは自由です。何にでもなれる・・・」と言い残して、警察に出頭した母。
残されたのは三人の子どもたち。
「ほとぼりが醒めたら・・・15年経ったら戻ってくる・・・」といった母は、15年経って戻ってくる・・・
といったところから始まる物語。
冒頭のあらすじを書いてみたが、書いたらなんだかバカくさい。
いや、映画自体はバカくさいこともなく、観ているときはかなり没頭していたように思うし、悪くない映画、いい映画だ。
けれど、なんだか、時間をおいてレビューするとバカくさくなってしまった。
うーん、よくわからない。
残された三人の子どもはそれぞれ成長し、家庭を持ったり持たなかったりで、家族という括りでいえば、いくつかの家族が描かれ、それが少しずつ中心をずらしながら、水面に広がる円形の波紋のようにどこかでぶつかり合い、共鳴したり打ち消しあったりする・・・そんな映画に仕上がっている。
けれども、中心となる稲村家の物語が、腑に落ちない。
物語の中心は二男・雄二(佐藤健)で、どこか一歩引いた視点で観ている彼である。
彼を中心にするのは悪くない。
過去の事件を明かさず結婚した長男・大樹(鈴木亮平)を中心に据えると、もっと生々しい物語になるだろうし、過去も現在も客観的に観ることはできなくなるだろうから。
そう、この物語のキーポイントは、過去を受け容れ(肯定し)、現在を信じるということなのだが、やはり、そこに合点がいかない。
夫殺し(子どもたちにとっては父殺し)という過去を、現在を信じるために受け容れるというのは、どこか暴論。
許容できない。
この暴論的な家族の描き方はこの映画ではもうひとつあって、佐々木蔵之介演じる元ヤクザの父親(で今は稲村タクシーの運転手)と息子の関係。
終盤クライマックスのカーチェイスへの布石となるこの元ヤクザ運転手の荒れ方、そこへ至る心情についての描写が欠落しており、唐突感は否めない。
足を洗って更生したと思っているが、結局、息子にせがまれるままに大金を渡してしまう父親の描き方が、どうにも嫌悪感が出てきてしまう。
ま、ここいらあたりは個人的な感覚なのかもしれないが、安易な「過去を受け容れ、現在を信じる」というのが、どうもひっかかっている。
力作だけれど、どこか蟠(わだかま)りが解(ほど)けない一篇でした。
付け加えてなんだが、個人的には田中裕子はミスキャスト。
彼女独特の雰囲気が、一般的な感覚から逸脱しているように思えました。
よかった
主人公の佐藤健があまりにシンプルにお母さんを憎んでいることにどうにも薄っぺらい感じがする。甘えているのかもしれないのだけど、もうちょっと複雑な感情をにじませて欲しい。
田中裕子がすごくいい。佐々木蔵之介が入れ墨をちらつかせながら、ウイスキーのボトルを窓からこれ見よがしに出してラッパ飲みしてタクシーを運転している横で、なぜか田中裕子がちょこんと座っているのが何から何まで面白い。
嫌がらせの貼り紙をしているのは誰だったのか、監視カメラくらいつけて欲しい。
一つの事件により家族がその愛情ゆえに傷つき、そしてまた緩やかに一つになる
今までの白石監督の映画が好きで、いつもの世界観を求めて観ると肩透かしを食らった感があるヒューマンドラマ。
母が父を殺してしまった夜もただの一夜の話と言ってしまえばそれまでだが、親族にとってはそんな一言では済まされず、ずっとその一夜に縛られ、翻弄されて生きていかなければならない。
事件前は父親の家庭内暴力により結束していた母と子供たちが、それぞれに傷ついた心を抱えながら生き、再会することにより葛藤が生まれ、緩やかにまた一つになっていく。
堂下はというと、彼は息子と楽しく過ごした一夜を胸に堅気として生きていこうとしたけど、自分がずっと過ごしてきた世界からは抜けさせて貰えず、大切な息子までその支配下に置かれてしまい、荒れてしまう。
稲村家の方は、母の万引きや堂下の暴走等で何となくまた一つになることができたけど、堂下親子の方はというと、暴走した夜が最後で八方塞がりの状態からその後どうなったかが一切描かれていないのでモヤモヤが残る。
出来ることなら、白石監督の今後の作品中のサイドストーリー的に触れてもらえるとありがたい。
音尾琢真(珍しく良い人役で好演)や大悟、MEGUMIといったバイプレーヤーが良い味を出していて効いているし、ちょっとした一言が胸に刺さることが多かった。
家族というものについて深く考えさせられる内容で、お色気シーン(万引きではなく(笑))が無ければ高校生の息子と一緒に観ることができたのになぁ、とも思った。
この映画の主題は何だろうか?
DVから子供たちを守るために母親がDV親父をひき殺して
服役。15年後に家族のもとに帰ってくるが、子供たちは殺人犯
の子供として差別された過去を引きずって母親を歓迎できない。
いろいろな出来事があって最終的には家族が元に戻ってハッピー
エンド。極めて当たり前のフィクションだし、何を訴えたいのか
全く分からない。名優勢ぞろいなので客は入るだろうが、こんな映画
を作っていると日本の映画界は衰退するんじゃないか?
誰が主人公か分かりにくい映画
ラブな映画や好きな俳優重視で映画を選んでおりますが、この度はそのどちらにも該当しない映画で、予告から観てみたいと思い観ました。
毒親で苦しんでいる子供は悲しいかな今の世の中多いのではないかと思います。子供は親を選べないのに、最終的には被害を被った子供の方が気持ち的な折り合いを付けることでしか幸せになる道がないという、現実を突きつけている映画でした。
田中裕子が演じる母親は、謝らないことをモットーに15年も服役していたのに飄々としており、子供のことを自分なりに大切にしているようですが異色の毒親ぶりが上手く演じられていました。
一方の佐々木蔵之介が演じる父親は、過去から足を洗って全うに生きたいと願いながらも、自分が積み重ねてきた過去の悪行がそれを許さないという、現実を受け入れられない人の弱さを上手く演じられていたなと感じました。
どちらの親も、実際ここまでのことはないにしても、ありがちな親なのかなと感じました。迫力も申し分ありませんでしたが、家族の映画は狭い世界なので、満足感は若干低めでした。
そんなことを考えながら最後に振り返ると、佐藤健が主人公なのに存在感が小さいという、不思議な映画でした。
俳優の演技と、台詞のやり取りが良い出来だ。反面、
だけど、設定が多少荒い。
そこを飲み込んで仕舞えば良い映画だし、損は無い。
自分はひとりっ子で、兄弟がいない。
だから、悪くは言ってても、信頼関係がある感じが
うらやましい。
あと、母親が自分が犯罪者となり、家を出てから、
安心して後を任せられる、おじさん?の存在がいたのが
素晴らしい。
タクシー会社の親戚仲間達は、母親を暖かく迎えるが、
実の子供達は、複雑な感じ。
まあ、どっちも歓迎したら、映画にならないかな。
もう、考えちゃうと、この映画の良さがなくなるから、やめる。
部分部分の、演技と台詞のやり取りの映画。
松岡、一番むずかしい役だけど、素晴らしい。
スリッパ投げは、アドリブらしいよ。
田中も、本心よくわからない感じだけど、子供愛してる感じ、良かった。本当は、いろいろ考えて悲しく不安なのに、
ひょうひょうとしてる感じ、泣ける。
自分が迷った態度、悲しい態度取ると、回りが気にするから、そうならないように、なんでもない態度でいる。
鈍感力というのか、
自分の母親も、そうだったから、余計染みる。
その当時は、わからないんだけど、後から考えると、
そうとしか思えないんです。
「自分が迷えば子供達が迷子になるでしょ!」
って台詞で、この演技なんだって確信した。
最後、漁師になりたかった社長を引き継いだおじさんに、
だれかが、「もう漁師になっていいよ!」って言って欲しかったなー。
「本当か!でも今更なれるか!」でもいいけど。
少し古い日本映画の感じだけど、こんな映画もたまには良い。
自分にとっては特別な夜でも、他人にとってはなんでもない夜なんですよ。
役者陣の好演は光るが、どうもどこかですでに演じた役の焼き直しのような印象。案の定、イメージの範疇の演技と物語の進行。だから素直に映画に入っていけない。
設定や演出も雑。
・至近距離でおまけにバックでは、当たり所が悪くて下半身不随くらいのはなろうが、死には至らない。何度も乗り上げれば別だが。
・嫌がらせが何度もあるのに、いやなくてもこのご時世、タクシー会社の敷地に防犯カメラがない不思議。
・長男は、大洗の実家に住んでいて、石岡の会社まで通っているようだが、けっこう遠い(40km以上)。
・長男嫁は、母親が殺人を犯したことを知らなかったようだが、車で行き来できる距離でありながら、何の噂話も耳にしなかったというのは、相当な世間知らずか鈍感。ありえない。
・会社にとって、殺人後のゴタゴタは端折っていたとしても、「蔵之介」の後に何事もなかったかのように営業はできないんじゃないか?あれは事故ではすむわけはなく、事件である。
・いろいろな「家族の形」を問いたいのであろうが、蔵之介親子も、筒井真理子家族も、どうも中途半端感が否めず、むしろ本筋にまとわりつく雑音にしか感じなかった。
で、誰なんだい?嫌がらせの犯人は。張り紙も次男の仕業なのかい?その次男は、騒動の種を造ったことに贖罪の意識は希薄なのかい?
涙なんてひとつも誘われず。
ひとよ=一夜、なのだという。この映画に「夜」らしきシーンはあったか?殺人事件の夜のことを言っているのか?
ああそうそう、あれから若い三兄弟はどこに行ったのだ?現場の保全どころか、証拠物に乗り込んで。
3兄弟の演技はヒリヒリした緊張感が溢れていた
原作の舞台は未鑑賞。
子どもたちに暴力をふるう父を殺した母。刑期を終え、しばらく身を隠し約束通り15年ぶりに帰宅した母を3人兄弟がどう受け入れるのかを描いた物語。
3人兄弟を演じる役者(鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優)がいい。あの夜を経験し、苦労を乗り越えてきたからこその関係性が伝わってきた。すごい緊張感だ。こんな感じですれてる松岡茉優もいいな。
帰宅した母を受け入れたい気持ちと許せない気持ちと恨む気持ちが混じり合う中で家族関係を取り戻そうとする姿がとても感動的。
ただ、若干疑問に残るところがあったことも事実。1つだけ記しておく。それは父の暴力は母に向かなかったのか、母は子どもたちが暴力をふるわれているときにどうしていたのか?何回か出てきた次男の回想シーンには母が登場しなかった(と思う)。母は運転手として稼がないといけないから暴力の対象にはなっていなかったのかもしれない。ただ、黙認していた可能性はある。自分の夫を殺したこと、そして15年も不在にしたことは母の贖罪だったのかもしれない。なんてことを考えた。
もしそうだとしても、この映画の評価を下げることにはならない。いい映画だった。
実力派俳優陣・女優陣集結
複雑な設定ではありますがテーマは家族の絆で、とても見応えのある映画でした。
重ためのこういったドラマはメインどころの演技が下手だと台無しになってしまうところですが、実力派の俳優陣・女優陣が集結していて演技に引き込まれました(千鳥の大悟さん登場のところだけは、どうもお笑いのイメージが強くて苦笑してしまいましたが)。
ほとんどのメインどころの登場人物が一度はキレる演技を披露しますがそれぞれ素晴らしかったです。
鈴木亮平さんのキレ方は迫力ありましたし、佐藤健さんのキレ方はカッコよかったですし、松岡茉優さんのキレ方はリアリティがありましたし、佐々木蔵之介さんのキレ方は不気味でしたし、筒井真理子さんのベッドでの最中にキレるシーンはセクシーでした。
不器用ですれ違う家族の物語だったのか。 田中裕子さん演じるお母さん...
不器用ですれ違う家族の物語だったのか。
田中裕子さん演じるお母さんの人間模様は
分かるようで分からないような
これからも考えてしまいそうな。
あの決断も
15年という年月も
優しいようで厳しいお母さんだったのか。
最初は父は殺しては
子供のその後は考えず
いきなり帰ってきて投げやりかと思ったが
殺した後のセリフに全てがこめられていたのか…。
子供は世間を気にし、自分が分からなくなる
親は自分を信じて生きている
ぶつかり合っていても
何故か失速感を感じてしまう。
ただ多くを語らず
子供達の前では前だけ向いていた母親は
子供達を前に導いたのかもしれない。
拙い手で互いに紡ぐ、脆くて強い家族の絆
良い映画でした。凄く良い映画でした。
個人的な境遇と色々重なった所もあり、
物凄く心を動かされた作品となりました。
色々書きたいがあまり長くなってもアレなので
今回はちょっとだけ飛ばして書こうと思う。
白石和彌監督作で、予告の内容も観る限りでは
相当に重く容赦無い映画になるのかと身構えて
いたのだけどーーいや実際に扱ってるテーマは
確かに重いのだけど、現実味はあっても優しく
どこか爽やかで軽やかな作品となっていた。
キャストのユーモラスな演技や散りばめられた
笑いのお陰で優しい気持ちで観ることが出来るし、
同時にそれらの笑いが主人公達に作用している点
も巧い(「復刻してんじゃねえよ」(爆))。
...
まずはキャストについて。
極力手短に書くが、主演から脇役に
至るまで、出演陣がみんな良いです。
とにもかくにも、田中裕子がカッコイイ!
映画を締める名女優さんとは思っていたが
まさかこんなカッコイイ女優さんだったとは。
後半でも書くのでここではそれくらいで。
佐藤健はやっぱただのイケメンじゃない。
鮫のようなザリザリとした雰囲気。動かない
表情の下で抑え込んでいる怒りが確かに伝わる。
そして、その表情がわずかに緩む時の優しさも。
松岡茉優は可愛い上に毎作品で巧いが、
本作の彼女は、マジで巧い。台詞回しの自然さ
生っぽさはこちらが銀幕の存在を忘れるほど。
やさぐれ娘が純な幼子に戻る添い寝の場面に泣いた。
鈴木亮平は一番大柄なのに、伏し目がちで弱気な
役柄をしっかりものにしているからか、三兄妹で
一番小さく見えるこの不思議。どもりの演技で
逆に伝わる彼の不器用な懸命さが良かった。
息子との夜を想い慟哭する堂下さん、
いつもオドオドしてる社長の優しい一喝、
自分を頼ってと憤る大樹の妻の芯の強さ、
サバサバ美人の牛久ちゃんとビールぐい呑み歌川君、
回想シーンの子役に至るまで、みんな巧いし魅力的。
...
時に重く、時に軽やかに描かれるのは、
家族という絆に付きまとう悲しさと優しさ。
まずは子ども達の視点から。
「あんた達は自由に生きていける。何にだってなれる」
自分の可能性を、将来の夢を信じてくれたのに。
自分の身を犠牲にしてでも幸せになるチャンスを
与えてくれたのに。けっきょく思い描いたような
大人になることは叶わず、抱いた夢は夢のまま、
歳と後悔ばかりを重ねてしまっている今の自分。
あなたのせいで俺の夢は叶わなかった。
あなたのせいで俺の人生はずっと暗い夜のままだ。
そう言って全てを親のせいにしたい気持ちはある。
だけど――
本当の本当は、それら全てが親のせいでは
無い事も分かってる。才能も努力も足りなかった
自分の選択の結果でもあるんだ、と悔やんでいる。
兄に「母が憎いだろう」と言い寄ったり、
母の罪をまた掘り返すような真似をしたり、
母を憎むような言動ばかりの雄二だが、
いつもいまも手にしているレコーダは、
夢を信じてくれた母のプレゼントだった。
愛情と憎しみは必ずしもプラスマイナス
ではなくて、それらは同居し得るもの。
雄二や大樹が母へ向けた憎しみは、
「俺を信じて必死に守ってくれたのに、
あの日あなたが信じてくれたような
立派な大人になれずにごめんなさい」
という大きな後悔の裏返しでもある訳で。
それは親への大きな愛情の裏返しでもある訳で。
...
母のこはるも、自分がそんな立派な人間
だとは思っていない。「そんなんじゃない」
という言葉は、あの行為が子どもの為だけ
でなく、私的な激情に駆られた結果だと
思ってもいるからだろう。だけど、
自分の行為を間違いだったと言ってしまえば、
子ども達に送った/子ども達が信じたあの
言葉までもが嘘になってしまう。それまでの
15年を本当に否定することになってしまう。
だから彼女は、例え恨みをぶつけられる
頑なな的になろうと「間違ってない」と
言い続けなければいけなかったんだと思う。
子どもにとって親は自分を守り
生きる道を教えてくれる神様で、
親は自分が完璧でない立派でもないと
思っていても、大切な子どもが子ども
自身を信じてすがる為の”柱”として、
必死に“親”であり続けなければいけない。
子どもも成長するにつれ、昔は神様のように
思えた親が、完璧な人間では無いと気付くもの。
そして、自分と同じように完璧とは程遠い
その人が、自分を守る為に、必死に”親”
で居続けてくれていたのかと気付くもの。
私情もあったかもしれないけれど、
子ども達のために自らの手を汚し、
子ども達の大きな夢を信じてくれた
あの夜の母は疑いようもなくかっこいい。
律儀に15年後の夜に帰ってきて、
何があってもブレない道であり
続けようとする母はかっこいい。
エロ本を万引きして「それでも母さんは
立派か!?」と開き直る母は、笑えるけど、
15年前のままずっとずっとかっこいい。
(エロ本読んで笑ってるおばさん史上
最高にかっこいい背中だと思う)
...
終盤、
息子と分かち合えたと思っていた夜を回想し、
「あの夜は何だったんだ!」と慟哭する堂下
に向けて、こはるは優しく静かに語る。
「ただの夜ですよ。自分にとっては特別な夜
だけど、他の人にとってはなんでもない
ただの夜なんですよ。でも自分にとって
特別なら、それで良いじゃないですか。」
血の繋がった親と子くらいに強く確実な
“繋がり”というものも無い訳だけれど、
どれだけ強く繋がっていても、どれだけ
大切に想っていても、全く同じ人間では
ない訳で、完全に理解し合うことはかなわない。
「母さんは母さん、俺達は俺達」という
言葉の通り、家族というのは世界で最も
愛しく近しい他人なのかもしれない。
それはとてもとても寂しいけれど、
どこかでそう割り切らないと、愛情と憎しみ
の重さで自分も皆も壊れてしまう気がする。
母はあの狭い青空を眺めて何を想ったのだろう。
流れる雲に見とれていただけだろうか。
それとも、あの暗く長い夜から始めて
明けた空のように感じていたのだろうか。
心の底は分からないけど、その小さな背中
を見つめて、待ってあげることは出来る。
「家族の絆は泡沫(うたかた)の花飾り」
だなんて、とある歌の詞を思い出した。
強くて脆い絆を、付かず離れずの
柔らかな手先で紡いでいくのが、家族。
最後、すました顔の雄二がタクシーの
車窓越しに振り返る母と、兄と、姉の笑顔。
別れたばかりなのにもう懐かしいその笑顔。
...
物語上、あの父親をひたすら悪辣に描くしか
なかったのかという点や、テーマの現実味に
対して僅かに寓話的に感じてしまう部分は
あるが、正直些細な欠点だと思う。
今年一番心を動かされた作品かも。5.0判定で。
<2019.11.09鑑賞>
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余談:
「更に死ねッ」(水バッシャア)は今からでも今年
の流行語大賞になってほしい。むしろなれ。
恨み骨髄・オブ・ザ・イヤー。
人よ…なんて惨めで誇らしいんだ。
あゝ映画は本当に素晴らしい。
そう思える傑作に出会えた。間違いなく2019年の邦画No.1だろう。
『ひとよ』、『一夜』、『人よ』、『人世』、『日と夜』。
シンプルでありながら何重にも意味が折り重ねられこのタイトルのように、物語は細部に至るまで味わい深いディテールで満ち溢れている。
圧巻は本作の脚本と演出だろう。夫を殺し、子供達の前に戻った母親・こはる、だが家族だけでなくタクシー会社の面々ともどこかぎこちなく、ボタンが掛け違ったような居心地の悪さが冒頭から観るものの胸を詰まらせる。
人の醜さ、惨めさ、みっともなさ、みすぼらしさを描くながらも、それでも意地らしく生きる人々を映す白石監督の最高傑作だ!
次男・雄二を演じる佐藤健は食事の際の首の角度から、父の墓前での足癖の悪さから愛想のない敬語使いから、とにかくやさぐれきっている。
だが、クライマックスに語られる『母さんが親父を殺してまで作ってくれた自由なんだ…』という独白に心が震えた。
母さんのためにも夢を叶える、夢を叶えるために母さんを売る。自分は母さんを憎んでいたのか、感謝していたのか。
暴露記事まで書いたのに、何故自分は今母親を守ろうと車を走らせたのか…。
『どこからやり直せばいいか、教えろよ…』
この言葉は多かれ少なかれ兄と妹にも共通する言葉だろう。
兄の大樹は吃音という壁とともに、逃げ切れない過去を自分のうちに飲み込んでしまった。夢を断たれ、必死に築いた家庭も崩れかけていく。そして無情にも心を蝕んでいく『殺人者の孫』という言葉。
本来なら父亡き後、一家を率いる長とならなければならないはずの長男を、鈴木亮平が巨体を持て余す不器用で臆病な男として力演している。
彼が思わず振るった暴力は彼の心まで壊した。こはるとの言い合いのシーンは本作で最も涙が溢れた。
妹の園子も決して苦しみから逃れていない。母親と同じようにDV男と付き合ったしまうのもそうだが、彼女は決して最初から母親を歓迎してはいないのだ。
出所の日こそ迎えに行ったが、いざ15年後にこはるが現れると一歩も動けなくなっている。そして、こはるに甘えて一緒に寝るシーンも、まるで『自分が母親を信じたことは間違いではないんだ』と、必死に掴みとるように抱きつくのだ。
母親・こはるを演じた田中裕子の熱演はもはや言葉では表せない。戻った直後に(夫を轢き殺した場所で)車のバックの練習をしたり、子どもたちの現在を無神経に詮索したり、逆に従業員の弓からデリカシーのない一言を言われたり。健気で子ども思いの母親だが、一挙手一投足が間が悪く、事態を悪化させていく。それでも強かに自分の行いを誇りつつ、時折揺れるような表情を垣間見せている。
また、堂下と息子の件は疎遠になった息子と父親の距離感を、とても生々しく切り取っている。親だって人間だ、神様じゃない。それなのに少しでも過ちを犯せば、糾弾される恐ろしさに懊悩している。彼もまた家族と言う名の楔で、身を削ってきたのだろう。
長々と書いてきたが、一点の曇りなく家族に後ろめたさはないと言える人は本作を観なくてもいいかもしれない。
むしろ、しがらみがある人は必ず観るべきだ。
この映画は画面を超えてあなたの生を揺さぶる。
そして、自分と自分の家族ともう一度向き合う特別な“一夜”をもたらしてくれるだろう。
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