「相手の為に取った言動は本当に相手の為になるのか?」ひとよ さっちょさんの映画レビュー(感想・評価)
相手の為に取った言動は本当に相手の為になるのか?
決して楽しい内容ではないが、心につきささる作品。題名の「ひとよ」は「人よ」だと思っていたが、「一夜」だったのか?両方を示しているのだろう。たった一晩で人生が変わる。たった一つの行動が家族を崩壊に導く。佐藤健さんの重たい表情、鈴木亮平さんのどもりあるつたない話し方、松岡茉優さんの今まで感じていた清純派イメージを払拭した一皮むけた演技は特に凄くて驚き!田中裕子さんの母の子供に対する思い、佐々木蔵之介さんの変貌姿、みんな素晴らしい演技力でした。俳優の演技力を最大限に引き出した映画のような気もします。父から子供を守る為にとった母の行動は、子供達に重たい影を落とす。犯罪者の家族のつらい境遇をグッと感じた。親は子供を思う為に行動したとしても、果たしてそれは子供にとって本当に良かったことなのか?これは犯罪者家族という非日常の世界かもしれないが、多かれ少なかれ親の思い子供に届かずではないが、食い違いのある親子関係家族関係いえ、家族だけでなく人間関係にはあるのではないか?時が過ぎても一度幻滅し受け入れることができない感情は簡単には戻せない。家族だから・親だから血縁関係の絆があっても受けた傷を癒せるかは本人次第。でも本人の考え方ひとつで状況は変われるのかもしれない。相手の為にと思ってとった言動が実は相手を傷つけてしまっているのかもしれないことを教えてくれる映画だった。
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