「笑っちゃうけど笑えない、愛せないけど愛しちゃう」ひとよ 映画野郎officialさんの映画レビュー(感想・評価)
笑っちゃうけど笑えない、愛せないけど愛しちゃう
家族ってそういうもの。最後に頼れるのは家族だけど、いつもとらわれてしまうのも家族。みんな家族について何かしらのいろんな悩みを抱えながら生きている。「家族の病」ってやつ。
最初の印象は、なんだか飄々とした映画って感じ。あれだけ耐え難い複雑な過去を持ち、15年ぶりに再会したのにあっさりしすぎって思ったけど、結局家族ってそういうものなのかもしれない。内にはいろんな想いに引っ張られていても表面上は普通に素っ気なくしてしまう。
この映画もそんな家族のようなあり方をしていた。真面目な中にもくだけたネタが散りばめられていて、思わずくすっと笑ってしまうけど、笑っていいのか迷うぐらい。それを一番物語っていたのが、エロ本を盗んだ母のことを兄弟三人で談笑するシーン。
真剣な想いも、怒りも悲しみも、笑いのツボも、そして愛情もどこかすれ違ってしまうもどかしい家族愛を描いたチクチクするハートフルな物語。
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