「フランス味が濃くて、そのあたりで好き嫌いが分かれそう。冒頭のシーンで思ったことは多分正しいです(がっつりネタバレ)」9人の翻訳家 囚われたベストセラー mikyoさんの映画レビュー(感想・評価)
フランス味が濃くて、そのあたりで好き嫌いが分かれそう。冒頭のシーンで思ったことは多分正しいです(がっつりネタバレ)
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映画は本と書店が炎に包まれて焼かれているシーンから始まります。「本に関する映画なのに本にリスペクト薄いスタッフなのか?!」と憤りますが、後でこれは逆なのだと気付きます。あのシーンはいわばジェノサイドです。だって本の悲鳴が聞こえてきそうな映像だったし。そして映画は焼き殺された本と書店と文学を擬人化したような恩師の弔い戦であり復讐劇です。
映画の最中犯人は何度も何度も同じことをいうのですが、正直薄い言い訳のように感じてあまり深く考えませんでした。殺している。許せない。結局あれは真の動機なので、映画中私たちはずーっと告白されているようなものだったんだと思いました。繰り返されるそのセリフがどれだけガチなのか始め気付きませんでした。
犯人は最近大事なものを失ったというシーンがあります。それがなんなのかそのシーンでは判明しないのですが、それは本であり、あの大事な書店であり、恩師なんだと思います。
被害者が出たあたりで計画を止めないのを不思議に思うのですが、復讐心が思っているのより何倍も根深い。ミステリー物に馴染んでいるとアルアルだと思いますが、一度人を殺したことがある人は、また殺します。なのであの事態を予想できなかったとは思えません。でも復讐したかったんだと思います。
この文学に対しての情念の描写がねっとりしていてフランス映画風でちょっと苦手でした。
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