「骨太な薫りを一気に飲み干す様な感じです。」9人の翻訳家 囚われたベストセラー マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
骨太な薫りを一気に飲み干す様な感じです。
予告編を見て、久々な骨太のサスペンスミステリーで面白そうと思い、鑑賞しました。
で、感想はと言うと、普通に面白いのは面白いです。
洒落た感じとフランス映画らしく明暗の暗的な寒々しい感じが全編に漂い、ミステリーらしい。
オープニングの9人の翻訳家が集められて、横一線に並ぶシーンは格好いい。それを左手に移動するとタイトルが出るのも洒落てて良い感じ♪
個人的に好きなスタートでテンションが上がります。
ですが、中盤からの怒濤の展開でちょっと詰め込み過ぎな感じは否めなくない。
また、いろんなどんでん返しがラストにありますが、やっぱり詰め込み過ぎと狙い過ぎかな。
綿密に練られた出版計画の割に、出版前の情報管理が雑w
どうもバランスが悪いし、テンポが良いと言えばテンポは良いんですが、この手の作品は余韻であるとか、状況の雰囲気を楽しむ面白さもあると思うので、勿体無いかなと。
薫りふくよかなウイスキーを一気に飲み干すみたいな感じでしょうか?
そもそもこの作品って、上映時間の105分でまとまる話ではないかと思います。
たっぷり3時間かけたから良いと言う訳ではないんですが、かと言って105分はやっぱり短い。
中盤からの駆け足で「こうでした」となるのなら、あと30分増やしてでも、それぞれのキャラエピソードやラストに向かう伏線を張っていても良かったのではないかな。
もう少し、そこに至る迄の人物描写をより細かくしても良かったのではと思います。
邦題の「9人の翻訳家」とありますが、その9人の翻訳家のそれぞれの人物描写が薄くて、一部の翻訳家以外はその他大勢みたいになってる感じ。
世界中が待ちに待ったベストセラー小説の世界同時出版で徴集された翻訳家達が集められる。
契約書に明記された項目に納得して参加している訳ですが、不条理な扱いに徐々に不満が募ってくる。
世界が注目する大ベストセラー作品の翻訳を担当すると言う名誉に光栄となるんですが、先程述べたそれぞれがどう言った輝かしい経歴で選ばれたのかと言うのが無いので、思い入れが持てないんですよね。
妖艶な美女のカテリーナやパンキッシュなマリアと面白そうなキャラもいるのに、どうにも惜しいんですよね。
個人的には秘書のローズマリーがお気に入りです♪
中核となるアレックスは時折、ダニエル・ラドクリフに見えますw
様々な国の言葉に翻訳する中で日本語訳が無いのは、アジア地域では既に日本はファーストマーケットに入ってない現実と言うのはちょっと驚きですが、日本人が入ると海外作品って、変な解釈をされてる事も多いので、とりあえず人選は良いとしても、その他大勢になるなら、9人も要らないのではと思います。
テンポが良いとも言えるけど駆け足だし、サクッとしてるとも言えるけど余韻が無い。
なんとも勿体無いかな~と個人的には思うので、それぞれの好みがあると思いますが、あまりハードルを上げずに鑑賞するのが良いかと思います。
リオさん
コメントありがとうございます。
骨太の良いミステリー作品として期待もしていたので、人物描写が薄い感じで、それぞれの描写を入れるとあと30分は足さないと難しいかと思いますが、面白い部分が多いだけにやっぱり惜しいと個人的には感じます。
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
bionさん
コメントありがとうございます。
9人の翻訳家と言う意味深な人数にいろんな推測をしましたが、ちょっと人物描写が浅かったのが惜しいかなと。
おぉ!メロビンジアンのランベール・ウィルソンですね。
「マトリックス・リローデッド」からはかなり年数も経っていて、歳を重ねてますが、懐かしい。
マトリックスの第4作も製作されるとの事ですので、期待はしますよね♪
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
ワンコさん
コメントありがとうございます。
琴線に引っ掛かる、割りと期待していた作品だけに面白いのは面白いのですが、ちょっと細かい所で引っ掛かってしまいましたw
あくまでも個人的な一意見ではありますが、惜しい感じではあります。
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
日本語がなかったのは、フランス語が達者な日系俳優がキャスティングできなかったのかな?
ラストは、詰め込み過ぎだったかもしれないですね。
それでも、僕は、メロヴィンジアンが大好きなのでよかったです。