ブレス あの波の向こうへのレビュー・感想・評価
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定石のサーフィン映画とは異なる意外な中身
オーストラリア南西部のビーチは、ほどほどの波と予想外の高波がいい案配でやってくる、波乗りに憧れる少年たちにとっては絶好の訓練場。ある日、浜辺で出会った伝説のサーファーに導かれ、一人前のサーファーへと成長していく少年の物語は、意外にも、サーフィン映画の定石に逆らい、憧れと恐怖の間で揺れ動く主人公の心理と、同時に、陸で彼を待っていた危険な体験に迫って行く。いい波を探し求めて、世界中のビーチを渡り歩くサーファーのライフスタイルを賛美するのでなく、スリルやロマンと引き替えに失うものの大きさを描いて、とても上質で大人びた作りになっているのだ。監督と出演を兼ねるサイモン・ベイカーが、抑制された演出と演技の両輪で物語を牽引していく。ベイカーに導かれて、主人公を演じる本職はサーファーのサムソン・コールターが、とても新人とは思えない心の機微を表現して圧巻だ。オーストラリア映画界の底力を感じさせる1作である。
【”あの波を越えて、僕らは大人になる!”滅多に観れないオーストラリアで大ヒットしたサーフィンムービー。少年たち、色んなサーフィンをしています・・。】
■オーストラリア西南部の田舎街。
バイクレットとルーニーは日々刺激を求めて冒険に明け暮れていた。
ある時伝説のサーファー・サンドー(サイモン・ベイカー)からサーフィンを教わり、すっかりその魅力に取り憑かれた2人は、次第にライバルとして互いを意識するようになっていく。
序でに、サンドーの片足が不自由な美し過ぎる奥さんイーヴァ(エリザベス・デビッキ)の美しき魅力にも惹かれていくのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作のフライヤーも手元にある。
観たかったのだが物理的、時間的に鑑賞出来なかったのである。
ー あとは、少しの噂も・・。-
・バイクレットとルーニーが、伝説のサーファー・サンドーからサーフィンを習い、ドンドン上達していく様は観ていて面白い。
特に、ビッグ・ウェイブを捉えて、波の上に立つ数々のシーンは盛り上がる。
・だが、この作品は後半、サンドーが学校を辞めたルーニーを連れて東南アジアにサーフィンの旅に出た後に、残されたイーヴァとバイクレットが寂しさを埋めるがごとく、SEXのシーンが延々と描かれるのである。
ー ええつ、サーフィンの映画じゃないの!確かに○○の上に立つという意味では、サーフィンかもしれないが・・。ホント。スイマセン。だけど、エリザベス・デビッキから誘われたらそりゃ、乗るよなあ。重ねてスイマセン。ー
<今作は、滅多に観られないサーフィン映画であり、その魅力は十分に伝わって来る。
だが、ストーリー展開は、もう少しサーフィンに特化して欲しかったなあ、と思った作品である。
重ねて言うが、美しきエリザベス・デビッキから誘われたら、10代の少年は、ベッドでサーフィンしちゃうよなあ、と思った作品である。ホント、スイマセン・・。
でもね、フライヤーによると、この作品オーストラリアでは大ヒットしたらしいですよ。>
サーフィンを通して少年の成長を描く
さわやか青春サーフィン映画と思いきや、青春の葛藤を結構重めに描いている。
映像がとてもきれいで、オーストラリアの小さな町の寂れた雰囲気が逆にとても良い感じだし、海は上からも横からも下からもドキドキするほど美しい。そんな景色の中、白いワーゲントラックの存在感はまさに抜群。
青春の甘酸っぱさをきれいな映像で包むことで、なかなかの作品に仕上がってると思いきや、実際のところストーリーはどうだろうか。筋は通ってるのだろうか。冷静に考えると、多様な青春感を出すために何だかんだと詰め込み過ぎたのでは、というのが正直な感想。あまりに焦点が絞りにくい印象だ。
とは言え、海への憧れが強い私にとっては「結局残るのは自分と海」という台詞はズバリと刺さった。こんな台詞一度は言ってみたい。憧れる。
完全にスタンドバイミー。
サーフィン映画の中でも群を抜く、ものすごく綺麗な映像ですね。
オーストラリアの映画なんですね。ものすごく雰囲気があるので、誰もいない静まりかえった居間で深夜に見たのは正解でした。
個人的に、サーフィン映画の中では2番目くらいに好きですね。
あらすじなど読まずに視聴するとイメージ違うかもしれません。サーフィンものはサーフィンものですが、他のサーフィンものと違って完全に人間の内面にフォーカスして表現した映画で、スタンドバイミーとエヴァンゲリオンみたいな、青少年葛藤ものって感じです。
丘サーファー的には、人が少なくていいスポットがあって、仲間がいて、メンターがいて教えてもらえるその環境がただただ羨ましいと思いました。
13.5歳から18.5歳くらいまでのメンドクサイ時期の話。
①僕ちゃん->②サーフィンにハマり親離れしかかる->③挫折->④年上の女性との性愛にはまる->⑤厭世->⑥親元に戻る(内心の話)->⑦我が道を進む
③と④の間に同級生ガールフレンドが入って来たり、死を間近に見たりのエピソードが挿入されます。思春期男子の成長物語のテンプレに国境は無いなぁ、って思わされる映画でした。ちなみにオーストラリア製作。なんと言ってもオーストラリアの海岸と海の美しさ、と言うか雄大さ。バーニーズの波と来たら、もうなんとも言えません。サーフィンはスタントとの事ですが、もう、本人にしか見えないんですけど、どうやったの?
④のところが冗長で、すこしダレた。同級生ガールフレンドが物語にもう少し絡んで来てくれたりした方が、悶々の厭世観が表現できた様な気がする。オーストラリア映画得意の「フィルハーモニックオーケストラ」演奏の音楽も良かったです。
Breath
息ができないほどに苦しい日々
呼吸のためには自分自身の力で、海面から
上に顔を出すしかない
主役男子二人が、肉体的にも子供から青年になって行くところが、えらくリアルで、そこに引き込まれました。サーフィンシーンと海中のシーンは美しかった。「朝が来る前に」の海中シーンは芸術的な画で勝負だった。こちらはダイナミズムでした。動的。
わたくし、泳げないんですよね。正確に言うと、浮くけど進まない。5kmの沖合の岩礁に出てサーフィンとか正気っすか?彼らの命知らず感には慄きっぱなしでした。
セックスできたくせに愚痴垂れてんじゃねえよクソガキ
サーフィン映画って何本か見ましたが、これが完成形なんですかね。
ってか、これ以上はないような気すらしますね。だって、未完成な若造のオフビートな日々を描く以外にする事ないもんね。
あとは調理法次第、こいつは高級料亭です。それでもこの程度だけどさ。寂しいね。
私のくすんだ青春と、こいつらのくすんだ青春は、どうにも決定的に違います。
あー、青春‼️
『恐れなければいけない唯一のものは、恐れそれ自体である。』by フランクリン・ルーズベルト(第32代アメリカ大統領)
格言として有名ですが、昔聞いた時には今ひとつピンときませんでした。
今回、パイクレット少年に教えてもらった気分です。
恐怖心を覚えることについて、自己嫌悪や敗北感を抱く必要は無い。怖いものは怖い。それを冷静に受け止めたうえで、さて自分はその状況にどう向き合うのか。
怖いことを始めから無かったかのように振る舞ったり、強がって、ただの無鉄砲に陥ることの方がよほど恐ろしいことなのではないか。パイクレット少年の一番の成長は自分が怖いことの正体をしっかりと見極めて堂々と認めたことだと思います。ただ、恐れおののくのではなく、自分に相応しい向き合い方を考え、実践する。なかなかできることではありません。
それにしても海とサーフィン🏄♂️と青春はなんて食い合わせがいいのでしょう!サーフィンにまったく縁のない青春時代を送った身としては羨ましさと嫉妬心をこの歳になっても感じてしまいました。
スリルをリアルに
生きるか死ぬかギリギリの狭間に身を置くことで、生の実感を味わうそれぞれの方法。
主人公は禁じられた色恋に夢中になり、古き良き時代を描いたサーフィン映画としてはズレまくりで戸惑う!?
あの女は変態行為に未成年で、犯罪ジャン!?
悪ガキで愛嬌もある相棒が"J・アダムス"並みの危険な魅力があり、そっちを主人公に物語があれば。
ガヤガヤしたアメリカとは違い、自然に囲まれたオーストラリアの波乗り文化が魅力的。
サーフィン映画ではない
いつの間に彼らは上手くなったんだ??
どれくらいの期間の話を見ているのかよくわからん
サーフィンのクオリティーも芳しくない
頑張ってはいるし
できる子を使っているから
日本のクソサーフィン映画とは比にならないクオリティーだが
波繋がってないし、ダンパー突っ込んで抜けれるわけないし
そもそも、なんでこれが売れたんだろうか
よくわからん
ビッチとのセックスもお決まりだし
フラッグ上がりすぎで面倒だし
なんかなー
左へカーブを曲がると光る海が見えてくる。
面白かった。かなり面白かった。
『ブレス』。
まさしく呼吸をする。
恐怖心に向き合う。嫉妬心に向き合う。
愛なのかただの性欲なのか、訳のわからないものと向き合う。
翻弄される波と運命と向き合う。
そして、友と、恩師と道が別れる。
生き残るということ、自分の人生が前に進んでいくということ。
たしかに恐怖心に負けたのかもしれない。
愛する人を守れる力がなかったのかもしれない。
でも、道を曲がった。
そのことは少年が大人になったということ。
堂々と歩めばいい。
かけがえのない友がいた、なんて言える君は素晴らしい。
しょうもない人間がたくさん出てくる映画。
だけど、なんだかみんないい。
海や波、海岸線は徹頭徹尾、美しい。
素晴らしい作品に夏にめぐりあった。
アメリカ合衆国で大ヒットしたのも、よくわかる作品でした。
今回は、プレミアムイベントにて、1960年代から70年代のオーストリアについて、原作本;「ブレス(邦題)」の和文翻訳者でもある、佐和田敬司さんより、ティーチ・イン・スピーチをしていただいた、そのお蔭様で・・・・・、
実際には、狭い世界のお話でありながら、たくさんのテーマを見つけることができ、その狭さをまったく感じさせない作り込みとなっていることに気付くことができました。特に、劇中、「ああ、そう言えば、あの登場人物は、あの時は、どんな表情だったのかなあ。」と、後戻りして、もう一度観たい、と感じることが、何度かありました。
段々と、数が増えてゆく、メンターに気付くと、製作スタッフさんも含めて、一枚も二枚も上手で、物凄く人懐っこく、「あんな風に、ありたいもんだなあ。」と、身近に迫ってきます。
また、画面構成比とタイミングが思いっきり精緻化されたカメラ・ワークを通して、普段、私たちだけでは、飛び込んでゆくことができそうもない、海そして山の懐の深さや躍動感も、存分に楽しめることができました。
自分と向き合えよと。
ビビりと無鉄砲のチャリンコ少年二人組がサーフィンと出会い成長していく話で、ビビり少年パイクレットの回顧録として語って行く。
発泡スチロールボードから始まり、バイトをしてボードを手に入れて、有名なサーファーと出会いどんどん大きな波に乗って行く。
サーフィンを題材にしてはいるけれど、元々の二人の性格はそのままに少しずつ大人になって行く姿を描いており、途中乗るものが変わっちゃったりもあったけど、爽やかさとモヤモヤとが入り混じりなかなか良かった。
広告の爽やかさに騙されるな!
期待を裏切られた作品となりました。
観る前と観た後で、印象がこんなにも違うとはビックリ!
てっきり、少年2人の甘酸っぱい青春の香りが漂う爽やかな内容だと思ったら…。
予想外なラスト!?
なんだか心がモヤモヤとする、精神が擦り切れそうな感じを味わいました。
前半は、1人のダンディな男に出会った少年が、彼からサーフィンを教わり、心から楽しむ様子が描かれています。
波の巨大さに圧倒されつつも、自然の素晴らしさ、人間のちっぽけさを感じ、少年たちが波にうち砕かれながら成長する姿が、凄く良かった!
気弱そうな少年の表情が、波に乗ることで、徐々に逞しく男らしく成長していく。
大人の階段を登り始める、少年たちの姿に感動したのですが…。
後半からガラリと様変わり⁈
ダンディな男性が突如、友達のルーニーを連れて勝手に世界へ旅立っていく。
置いてけぼりを食らった少年は、裏切られた気持ちと寂しい気持ちで1人クサクサしていたのですが…。
ここから後半へ。
個人的に、この後半の世界がちょっとドラマチック過ぎて、現実にあってはならないこと過ぎて、納得できなかった。
ネタバレになるので、後半のことはあまり書きたくないけど、少年が大人の世界の扉をあけて行ったことは事実。
大人でもなかなか体験しないような、ことが満載過ぎて、よく少年が自殺しなかったなと思いました。
きっとあのダンディな男は、この少年の何処か真面目な部分を見抜いていたのかもしれない。
ルーニーとは違った部分を、何処かで感じたからこそ、一緒に連れ出さなかったのだと思います。
一夏の思い出という意味では、『スタンドバイミー』を想像させるような雰囲気だけど、なんかちょっと違った気が…。
少年が最後に1人海を見つめながら、事の顛末を深く考えている姿が印象的なラスト。
宣伝のパンフレットのような、爽やかさが一切無くなった、虚無感だけが残る寂しいラストとなりました。
私の期待していた青春ムービーを返して…
(*´-`)
タスマニア 悲惨な歴史
この映画、主演・監督・脚本・制作を一人でこなした方で世間ではTVシリーズ「メンタリスト」で好評を博したサイモン・ベイカーが務めている。
批評家からも視聴者からも高い支持を受けている映画でその上、いつもハリウッドでは、同じオーストラリア出身のデブ俳優、おっと失礼、Mr.ラッセル・クロウ......と同じようにオーストラリア英語ではなくて、アメリカ英語を使っている器用な方で、ボイストレーニングの成果を象徴するかのような代表選手。この映画では、肩の荷が下りたのか思いっきり故郷に帰った感を出している。つまり、アメリカ人があまり使わない、 "I reckon〜" というどちらかというとコモンウエルスに加盟している国ぐらいしか使わない表現も出てくる。
個人的には、過去に観たようなステレオタイプと言っていいようなありふれた内容に加え、あまりにも話の流れが遅く、いい話としてなら我慢もできたが、関心のないものにとっては、途中で観るのをやめようかと思うほどつまらなくて、くだらない映画と映し出されている。たぶん、日本の一般の視聴者の方々は、冷静な判断をされ、私のレビューがいかにも自己中で的外れなのかをすぐにわかると思うのだが、敢えて辛辣なコメントを載せた。
タスマニアには行ったことがないが、この映画では日中からも何故か暗く、海そのもの自体も人を寄せ付けないような波でわざとそのような映像を撮ったとしか考えられないものにしている。つまり、日本人がオーストラリアに旅行に行くなら欠かせない場所、ゴールドコーストの雰囲気と180度違う場所と描いているように思える。
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