「『クワイエット・プレイス』を少々雑にパクった作品」ザ・サイレンス 闇のハンター 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
『クワイエット・プレイス』を少々雑にパクった作品
ひと言で言えば、『クワイエット・プレイス』を少々雑にパクった作品。
『クワイエット』ではほんのちょっとの音をたてただけでも殺されてしまうから、文明の崩壊した世界でいかに音をたてないかに集中する生活が描かれ、それが新鮮だった。
ところが本作の場合は、囁き声くらいなら楽勝とばかりに平気で会話をしているし、食料や水の心配は不要で、電気もTVも都市機能だって生きている。つまり、設定が甘いのであるw
設定の甘さの代わりに、本作は音に引き寄せられてくる怪物や、彼らに殺されるシーンをせっせと描いて面白みを出している。
そして『クワイエット』のもう一つのパクリである『バード・ボックス』に出てきたような狂信者のカルトを登場させ、彼等との戦いをクライマックスに持ってくる。
音をたてないよう、信者は全員舌を切断されているという点がユニークなのと、彼らと戦う際も銃のような武器は使えないというのが面白い。
内容的に新味はゼロと言っていいが、父親役スタンリー・トゥッチ、娘役のキーナン・シプカが魅力的なので、ついつい終わりまで見てしまった。『クワイエット』には遠く及ばないが、いろいろな作品のパクリ・オンパレード『バード・ボックス』よりは結構マシ、というところだろうか。
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