劇場公開日 2020年3月20日

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「不登校児たち、みんな来ら~れ♪」もみの家 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5不登校児たち、みんな来ら~れ♪

2020年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 なぜだか田中美里を見たときに涙が出てきた。そうです、かつては石川県のアイドルといえば田中美里さんだったのです。富山弁もいくつか聞かれるのですが、美里さんにはもっと金沢弁で喋ってもらいたかったところ。渡辺真起子も菅原大吉も安定の演技で支えてくれました。

 自立支援施設の「もみの家」が舞台。多分、場所は砺波市の散居村という独特の町並みの風景があるところです。一軒一軒とても大きな家で周りには防風林が植えられている。前田家による農業政策の一環でもあったのです。そんな中の一軒家を10人近くの、学校生活が息苦しい、いじめに遭ったなど不登校生徒が共同生活をする物語です。

 とにかく優しさ満載の作品で、自立できた=卒業することなので何人かは途中で家を出ていくのですが、個人差もあり、年齢もさまざま。農業を通じて米や野菜を作ることの楽しさ、達成感を生み出す工夫があり、何も勉強だけを支える場所ではありませんでした。

 南沙良の演技も静かながら抜群でした。序盤には顔もろくに上げられなかった根暗少女が最後には満面の笑み。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』でも好演してましたが、こちらはどこにでもいそうな女子高生。揺れ動き明るくなっていく表情の変化が絶妙でした。また、近所のお婆さん佐々木すみ江の遺作ともなりましたが、エンドロールを見たら涙が止まらなくなってしまいました。

 たいしたことないと思ってたけど、この映画の春夏秋冬。1年かけて撮影したこともあって、四季それぞれの情景も見事でした。金沢・高岡から五箇山・白川郷へのドライブの際には途中に田園地帯と散居村が見られますので、ぜひご確認ください・・・

kossy
2020年9月26日

金沢ロケだったですね☺️
ストーリーは王道って言えば王道なんですが、地域の触れ合いをキチンと描いている。また、生活感の音が半端ない💦
そこに時間を感じさせてくれる所も好きですね✨

巫女雷男