鹿の王 ユナと約束の旅のレビュー・感想・評価
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2時間では難しい
一冊の小説でも、映画(2時間)にするのは難しいのに、小説の鹿の王は全4冊。壮大なストーリーに複雑な人間関係を巧妙に紐付けた作品なだけに、映画化はやはり難しかった。前編後編と4時間にしても無理だろう。
また、説明を端折りすぎていて、小説を読んでいないひとは、どれだけ理解ができたのだろうか。と思った。
そして小説では、最後を読者の想像に任せるような終わらせ方をしているのだが、映画のエンディングロールの最後にはその一部が表現されてしまっていて、原作ファンはあれをみてどう感じたのかなぁ。少なくとも私はがっかりというか答えを出されたことに憤りを感じた。
難しいことは理解していても、原作の素晴らしさに映画への期待も(度重なる延期もあり)高まってしまっていただけに残念でならない。
期待値高過ぎたかも…。
上橋菜穂子さんの小説が好きで、鹿の王が映画化と言う事で予告が出た時から公開を心待ちにしてたんですよね。
(実はまだ原作は文庫の3巻中盤まで読み掛けですが)
うーん、必ずしも原作とメディア化作品の内容が全く同じである必要は無いとは思うんですけど…何と言うか。。。
原作じゃなくて、原案…かな?みたいな。
予告編で「映像化不可能と言われた〜」みたいなナレーションが流れていた気がしますが、今回の映画を観た感想としては、
「(あの世界観を掘り下げるダケの)尺が足りないだけでは???」
とゆー感じでした。
本作、確かにファンタジーなんですけど。
上橋菜穂子作品の魅力はファンタジーなんだけどリアル(生々しい)所だと私は思っています。
違う世界の話だけど、其処で生きる人々の話。
登場人物それぞれの想いやバックボーンがしっかりあるんですよね。
流石に其れを映画の中で全て触れるのは無理があるとは重々承知だったけど…いくら何でも掻い摘み過ぎでは?
(そして端折る為に色々変え過ぎでは?)
何か画面派手にする為にファンタジー感(?)を盛り過ぎでは???
一緒に観に行った夫は「面白かったけど、原作とか読んでないから説明不足な感じしたかも。」と言ってましたが、私は「コレジャナイ感」で消化不良気味です。
良かった点はホッサルと飛鹿とED曲。
流石、鹿はいい仕事しますねwww
原作未読で今回の映画で評価が下がった人は、原作読んで欲しいなぁ…え?全然違くない??ってなるから。
新型コロナウイルスも何らかの拍子に‥‥
只今オミクロン株絶賛拡大中にあって、感染症?病気ネタを上手く練り込んだ、作品としての世界観・風呂敷はナカナカの物があるな、とPV当初は思っていました。ですが実際蓋を開けてみると‥‥
最初に結論を表記すると〝平凡〟と言わざるを得ません。
一番気になったのは堤真一の演技で、徹頭徹尾妙な威圧?的な唸る様な声質で暗く、その上全くメリハリがなかった事。確かにヴァンは武人で寡黙な男らしい男なのかも知れないけど、それにしてもあまりにも〝棒〟に思えました。堤真一の声優としての演技ウンヌンではなく、単純にミスチョイスだったんじゃないかと。
そして、もはやテンプレと化した幼娘描写・キャラデザインで「またソレかい‥‥」と思わされてしまった事でしょうか。元祖は宮崎アニメと思われますが、歯抜けに4白眼で必要以上に歯をむき出す作画と大げさな演技、サッコンの流行りの描写・演出なのでしょうか、そう言うのが毎度『○○みたい』『△△っぽい』『××的』などと、過去作とわざわざ比べさせてしまう元になってる気がします。
他の作品と類似する事でますます本作を落とす方向にベクトルが捻れてしまい、実に勿体ないと思います。コレは医者のホッサルやヤックルそっくりの鹿にも言える事ですが‥‥
ストーリーも淡々と時間経過をなぞるコレまた一本調子で、それは解りやすいと言う利点はありますが、それが余りに単調なリズムだと眠くなります。全体に抑揚がイマイチで盛り上げ感も足りない気が。犬も表現がイヤに微妙で、実際オオカミくらいの凄みがあった方が良かったのでは?
活字で説明する部分も物語に落とし込むべきだと思うのですが、 尺の制約なのでしょうか? 説明台詞と突っ込まれない様な創作能力で上手い事出来れば‥‥ また台詞回し・掛け合いに固有名詞が多く、聞き取りにくい上に何の事かよく解らず、そこは充分な予習が必要です。
唯一、病気と謎を解く鍵の物語への落とし込みは上手く行ってたんじゃないかな?と思いました。でもその辺は物語上あまり重要ではなかったのかも知れませんが‥‥
それに原作者も自身の作品は複雑で、2時間で表現するには難しいと思っていた様子。確かに免疫や医療については言葉で処理されていたものの、生態系や文化?については作品中でピンと来るものはありませんでした。
総括としては、イロイロ中途半端な感否めず、という結論になります。 (文中敬称略)
場面切り替え過ぎ
「ジブリ」
全体的に物足りない
意味不明な言葉の連続で、どうでも良くなる
主人公が地味過ぎて存在感なし
少女と動物を描写するという発想は良いがすべてがチグハグで噛み合っていない印象。主人公ヴァンも地味過ぎて存在感がなく、ストーリーもメリハリが無く分かり難い。ユナが唯一魅力的なのでもっと前面に押し出して欲しかった。主題歌は抜群に良いです。
2022-28
中高年には刺さると思います
期待してなかったけど
原作未読。精霊の守り人のアニメが好きなので、同じ原作者、同じアニメ会社という事で何となく見に行きました。すごく面白かったです。もののけ姫感を感じる事はありますが、私はもののけ姫よりも説教臭さを感じないだけこちらの方が好きです。もののけ姫ももちろん好きですが。少なくとも暇潰しに使う時間としてはお釣りが来るので、興味無い方も暇潰す気持ちで見て欲しいと思います!
何も引き付けられるものがなかった。
予告だけは映画館でさんざん観た。このコロナ禍の中、とうとう公開となり楽しみに劇場に足を運びましたが期待しすぎでした。もののけ姫の冒頭を真似したようなスタートだったけどとてもそこには及ばない。原作は知らないけど、映画を観た後で売店をのぞいたら結構巻数のある本が売られてた。それを2時間近くの作品に落とし込んだんだろうけどストーリーは細切れ、細切れのためにアクションも中途半端。途中から主人公が変わったかのようにやたらモノローグの入る若いお医者さん。あの木の中の爺さんは一体なぜあの中にいるのか。出てきたと思ったらあっさり元の木の中に帰って行って、また出たと思ったら中途半端にアクションに絡んで。
幼子も可愛げが足らない。足らないから前歯を欠けさして可愛げに見えるようにしたの?
何もかもがもののけ姫にそっくりだ(真似してる訳ではないけど)。祟り神、ツノが枝分かれしたヤックル、年食ったアシタカ、アシタカが助けて村に連れて行く甲六。
あの竜そばは14回観たが、コレは2度は無いな。
地味だが良い作画。
原作は上橋菜穂子。製作はIGということで、いつものタッグ。監督はジブリでお馴染み、安藤氏と宮地氏。
ちなみに自分は原作未読。だが上橋氏なので、悪くないはず!(精霊の守り人シリーズは好き)
作品を通して良くも悪くも全体的に安定してる。
残念ながら傑作にはなれなかったが、真摯に作られた佳作かと。
ストーリーは対策不明の疫病の免疫を獲得した主人公ヴァンが孤児のユナと一緒に、ゴタゴタに巻き込まれながら、どうにかこうにか切り抜けるファンタジー。
アニメーションとしては、男女の入れ替わりもないし、人造人間に乗って槍で世界を書き換えたり、鬼を呼吸でやっつけたりもせず、おじさんと血のつながらない娘の出会いと別れを描くという渋い内容。
この渋さは、ProductionI.G.ぽくて個人的には好き。
前半は、ヴァンとユナの出会いと村での生活が丁寧に描かれていて、派手では無いが、心地よかった。
ただ、中盤以降、ファンタジー要素と現実的な疫病の解明というミステリー要素とがケンカして、理解が出来なくなった。
どこまでがファンタジーの設定で、何処からが現実的な解釈をすべきなのか分かりづらい。
この辺りは原作でどうなっているのか確認したい。
演出は常に一定レベルで安定しているが、テンポが単調で印象的なシーンが少ない。もう少し効果的な手法や絵作りがあっても良かった。この映画を傑作にさせなかったのは、この辺りの悪影響。音楽も同じく、それっぽいし悪くは無いが記憶に残らない。これらが致命的。
作画絵作りに関しては、丁寧に描かれていて好き。特に日常での微妙な動きは流石。作監、原画のメンツを見ればさもありなん、である。
ただ、決して派手な動きではないし、ビビッドな色使いでもないので、万人受けするようなものではない。
個人的にはフェチズムにドンピシャな作画が多く、線を見ているだけで惚れ惚れ。(ほとんどの人には理解されないと思う。)
この作品には絶対的な比較対照がある。それは、もののけ姫。安藤氏が作監を務め、鹿や山犬などモチーフも重なる部分が多い。また、演出においても、疫病を振り撒く狼が現れるシーンのエフェクトなどは、もののけ姫でデイダラボッチが命を奪う様と酷似している。作っている人間が共通しているのだから当然である。
しかし、もののけ姫の宮崎駿の演出や久石譲の美しい過ぎる音楽と比較してしまうと、どうしても見劣りしてしまう。それは彼らの才能が圧倒的だったということだろう。こうした比較は、この作品の避けようのない宿命である。
ただ、そうだとしても、全体的に真摯に向き合って作られた映画だと思う。なによりも、今の安藤氏の技術で描かれた鹿(もはやヤックルと思って見てた)の駆ける様が見れたのが個人的には嬉しい。
景色と馬や鹿が綺麗
【自然、動物描写良し。妻子を疫病で亡くした生ける屍状態だった男が、自分自身の存在意義を再認識し、前を向く姿良し。だが・・。】
ー 上橋菜穂子の本屋大賞を受賞した長編ファンタジー小説原作のアニメーション映画。ー
◆感想
・今作は、原作を読んでいないと、内容について行くのはきついのではないかな・・、と正直思った。
・フライヤーを読んでも、(原作も登場人物が多いが、小説なので自分のペースで咀嚼しながら読み進めるので、問題ない。)登場人物の相関関係の複雑さと、意外に淡々と進む物語がやや、単調に思えてしまう。
(主人公のヴァンと、身寄りのないヴァンの生きがいになったユナと、黒狼熱(ミッツァル)の謎や解毒薬を求める医師、ホッサルの関係性は余り問題ない。)
・劇中、時折使われる言葉”ドンカク””玉眼来訪”(フライヤー見て、書いてます・・。)なども、ナカナカに鑑賞側を混乱させる、もしくは良く理解出来ないが故に、今作を退屈に思わせてしまっていないかな・・。
・チョコっとだけ登場する犬の王、ケノイを始めとした、アカファ王国と、ツオル王国の登場人物たちの位置づけも又、やや分かりにくい気がする。
<自然や動物描写は素晴らしいし、ヴァンや狩人でヴァンを狙うサエのような哀しき過去に捕らわれた人々が、徐々に心を解き放って行く姿は良かった。
だが、もう少し物語に緩急を付けるとか、カット割りの仕方とか”説明ナレーション”の箇所に工夫が欲しかったな。
故に、作品自体が単調に思えてしまったのである。(重いテーマを扱った重厚な物語なのに・・。)
彼の大長編を2時間に纏める難しさは重々承知の上で、申し上げる次第である。>
鹿の王(ダイジェスト版)
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