鹿の王 ユナと約束の旅のレビュー・感想・評価
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THE 駄作
小説未読。予備知識ゼロ。
一言で言えば「時間の無駄」でした。
①【キャラに魅力がない】
主人公はオヤジ、ヒロイン(?)は不気味な幼女。
何この設定。
まぁわかるよ。少年+少女にしたら、「もののけ姫」の縮小劣化コピーだもんね。仕方ないよね。
肝心の主人公は感情表現が希薄。終始渋い声で落ち着き払っているため、観ている側が少しもハラハラしない。
あたかも主人公が最初から最善策を知っているような雰囲気なので、観ている側も「どうせハッピーエンドなんだろ?」って感じで眠くなる。
渋いオヤジが主人公でも山本五十六とかなら全然良いのに、ファンタジーの主人公がこれじゃダメダメ!
ヒロイン(?)は、歯が欠けてて目が不気味な、知性を感じない3歳位の幼女。
画面に全く華がない!!
せめてかわいい女性キャラを用意しろよ!
誰だよこんなメンツでやろうって言ったの!
(↑原作者です)
②【単純なあらすじ】
要するに、狂犬病とかペストみたいな伝染病を、侵略した国に免疫が無いのをいい事に、「呪い」とか「祟り」として利用したってだけです。
それを止めるのが主人公オヤジ。
しかも、医者が無能。
免疫は鹿の乳とナントカ野草を食べる習慣で身につく、それを侵略した国はしてないから免疫がないという三文小説。
私は初見で見抜きましたよ。
てか、誰でも気づきますよ。
全く予想を裏切らずに、その通りに展開しましたね。
なんですか、この茶番は。
誰にでも思いつくようなことを金と時間をかけてやるなよ。
③【無意味な過剰煙幕】
上記だけのことを、無駄にファンタジーに仕立てようとして、余計なトンデモ設定を湯水の如く盛り込んだために焦点がぼやけ、単なるドタバタでおわっている。
特に何、あの木の中の爺さん。
もー、全編に渡ってなんでそうなる?というツッコミどころが満載。
無理矢理の設定、後出しジャンケンのご都合主義的解決ばかり。説明不足で腑に落ちない。
中盤まで物語を理解するのに頭を使わされた。
あのですね、才能がないならシンプルにやればいいと思いますよ。
藤子F不二雄を読んで出直してきて。
④【作画レベルが凡庸】
このご時世のアニメとは到底思えません。
キャラの生き生きとした表情を描こうという意識が欠如しています。
河原の岩より手前の針葉樹のほうが小さいとか、稚拙な作画ミスはご勘弁願いたい。
⑤【音楽が全く耳に残らない】
印象的な音楽がないので、もしサントラが出てもを買おうと思えない。
ブッ○オフで100円で売っていても買わない。
てか、鳴ってた?
⑥【声優を使えよ···】
いい加減、芸能人を使うのはやめませんか?
【総評】
この映画をまとめるとこうなります。
もののけ姫からサンとアシタカを除き、代わりに劣化メイちゃんと劣化したユパ様をキャスティング。
主人公が序盤に受けた「祟神」の「呪い」を解く旅に出る設定を変え、「偶然ゲットした能力」に苦しむこと無く、幼女とのうのうと暮らす設定に。
医者の探求もあっけなくする。「名探偵コナン」の1/10くらいに簡単にする。
伏線で語ることを放棄して、それよりトンデモ設定を詰め込み、「どーだ、分からんだろ、凄いだろ、参ったか」とマウントを取る。
各登場人物の厚みや奥深さを無くし、サブキャラの存在意義を無くす。
ラストにおいては、例えば「トトロ」でサツキがメイを探すほどの悲壮感もなく、いとも簡単に幼女を奪回し、自己陶酔的演出でメデタシメデタシとする。
こんな感じですね。
表現力と構成力と客へのサービス精神の無い、THE 駄作。
私としては時間とカネの無駄でした。
もしかしたら小説のファンの方ならもう少し好意的に評価できるんでしょうか。
しかしそれは、予め設定を知っているからでしょう。
単体では「説明不足、魅力不足、構成力欠如」ですので、このような評価しかできません。
私はオススメしません。絶対に。
【総合評価(各5点満点)】
キャラの魅力 ☆
ストーリー ☆
ギミック ☆
作画 ☆☆
音楽 ☆
声優 ☆
総合評価 ☆
え?主題歌?
聴いてません。
だって、一刻も早く帰りたかったから。
ダイジェスト感
壮絶作画や美しい背景が楽しめた。
さすが安藤さん、さすがIGと思うだけのハイクオリティ。
動物の動きを見るだけでも惚れぼれ。
ただ、尺の中に納められる要素が、かなり駆け足かつ浅い印象に。
たしか全4巻の壮大な原作だったはずなので、ものすごいダイジェスト感が出てしまった。
個人的にはヴァン、ユナ、サエの心の通い合いをもう少し深掘りしてほしかった。
さらに言えば、演出が少々古臭く、どこかで見たような印象がぬぐえなかった。
操られると目が赤く光るとか、禍々しい紫のオーラとかを見ると、『もののけ姫』くらいの時代で、すでに手垢のついた表現だったし。
制作の枠に日テレが入っているから、単なるないものねだりなのだが、できればEテレやNetflixで80分×全4話くらいで、もう少し洋画等で試されてる新しい映画的な演出で観たかった。
日テレは責任を取って下さいね。
鹿の乳を飲め!
「精霊の守り人」や「獣の奏者」は見たことなかったので本作が上橋菜穂子さん原作のアニメ作品は初めてでした。作りこまれた世界観や設定、人間模様が張り巡らされていて凄かったです。
ここまで細かく練りこまれてるストーリーは圧倒的で昨今のなろう系作品の薄っぺらさを改めて思い出させてくれます。
はてさてアニメーション映画としてはどうだったかといいますと、率直に言って普通の映画でしたね。
ファンタジー物としては過去のジブリ作品のほうがわかりやすいし、感情移入しやすい。
アクションなどの見せ場としては鬼滅の刃や呪術廻戦0のほうが迫力、構図、勢いともに上でしたね。
古き良き時代のアニメ映画って感じで現代のアニメ映画とは思えなかった。
いい意味でも悪い意味でも古臭い感じ
作画はしっかりしてるし表現も丁寧で作品全体はとてもいいと思う。
でも、これといって印象的なシーンや心に残る演出は無かった。
大変申し訳ないけれど記憶にあんまり残らなさそう。
なんだろうか、全てが普通の作品の水準より上のはずなのに特質してる部分がないため他の尖った作品と勝負できる所が無い。
決してつまらなくないし、出来栄えもいいのに地味すぎて特徴がない。
面白かったから見てみて、って言いづらい作品です。
ここを見てとも言いづらいし、ストーリーが壮大で簡単に説明できない。
作品の固有名詞や登場人物が多いため覚えきれないし、結局なにが起きて、どうして解決したのかわかりずらかった。
おそらく映画だけを一回見ただけじゃ全部を理解しきれない。
何回か見て理解しきったからと言って、この映画について話し合える人と出会うのは難しそう。
鬼滅や呪術なら見てる人も多いしストーリーもシンプルで会話の機会もあるだろうけれど、本作品はそうではないので話題性を求めて見るような映画じゃないですね。
声に関しては主要キャラの声を声優ではなく有名俳優にさせていたのでちょっと不安でしたが、全く問題なかったです、ちょっと杏さんブレてた所が少しあったかな?
作画も声も原作も問題ないのに一般人には鑑賞意欲がわく要素が無いて言う。
硬派と言うか大人向けと言うか、Production I.Gが流行りに乗らず真面目に作ったアニメです。
昨今のど派手な色合いとか若者向けのスタイリッシュお洒落アニメに疲れたアニメファンにはいい清涼剤になると思いますので、そんな方におすすめです。
公開楽しみにしています!
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