「ステージの上では明るく、派手に歌うエルトンの表情の切なさ」ロケットマン カトソラさんの映画レビュー(感想・評価)
ステージの上では明るく、派手に歌うエルトンの表情の切なさ
ロケットマン
鑑賞日 2019 9/19
ボヘミアン・ラプソディの大ヒットに便乗して作った半ミュージカルの伝記映画。最初は主演のエルトン・ジョン役のタロン・エガートンは実際のエルトン・ジョンとは似ても似つかないと思っていたが、さすがの演技力と歌唱力でだんだんと本人に見えるようになった。孤独なエルトン・ジョンの半生を描いた物語で、全体的に世界観、雰囲気は暗め。アルコール中毒、ドラッグ依存になっているのにステージの上では必死に笑顔を作って歌う姿はとても悲しげだった。だが、どうしてもボヘミアン・ラプソディと比較をしてしまうと劣ってしまうように感じる。彼自身ゲイであることなどが余計ボヘミアン・ラプソディを彷彿とさせてしまう。まず、ボヘミアン・ラプソディと大きく異なることは「本人の再現」にそこまでこだわっていないことと、「本作は半ミュージカル映画」であること。エルトン・ジョンに似ている俳優ならば探せばもっといただろう。そして歌うシーンでエルトン・ジョンの実際の歌声を使っていないこと。ボヘミアン・ラプソディと違い、本作はいきなり歌って踊ってのミュージカルスタイルの映画であること。タロン・エガートンの歌唱力は素晴らしいが、この2つがあまり伝記映画という風に感じられなかったし感動も薄い。全体的にテンポも悪いため少し退屈に感じる箇所も…