「スーパースター」ロケットマン Masayaさんの映画レビュー(感想・評価)
スーパースター
ビートルズ解散後の70年にきら星の如く現れ、70年代ロックシーンを制覇してきた唯一無二のスーパースター、エルトン・ジョン。派手な衣装とステージパフォーマンス、そしてそれ以上に才能豊かな楽曲が今も世界中の人々の心を魅了しています。
この映画はそれらの楽曲を散りばめ、ミュージカルという形でエルトン・ジョンの半生を見せてくれます。主演のタロン・エガートンのなりきり度や歌唱力の素晴らしさに圧倒されつつも、スーパースターの多くがぶち当たる人生の虚飾と現実、酒とドラッグにまみれた暮らしぶりに哀歓がにじみ感動させられました。
ファンとして残念なのはミュージカルゆえに楽曲がシーンに沿ったエルトンの心情を表す素材となったため、ファースト・アルバムのナイーブな印象が徐々にロック色を強めていった過程が描き切れていなかった点と、ミュージカルにしては濃厚な同性愛描写です。
ディスコ全盛期には多くのロックスターがスランプにおちいり、エルトンもまたヘンテコなディスコ・アルバムを出し、当時バッシングを受けていたのを覚えてます。
「アイム・スティル・スタンディング」の軽快なポップスでの復活には当時ファンとして誰もが狂喜したはずですが、その裏にエルトン・ジョンのこんな苦悩があった事を知り、ますますファンになりました。