「原作を読んでないと腑に落ちなくて当然かと。」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング 黒さんの映画レビュー(感想・評価)
原作を読んでないと腑に落ちなくて当然かと。
ストーリー、作画、音楽、声優さんの演技、どれも良いものばかりで、それらが劇場の大画面で重なりあった時に生み出される迫力に自分は圧倒され、感極まって泣いてしまいました。
ただ、最後のワンフォーオールの譲渡シーンについては原作を読んでないと腑に落ちなくて当然かと思われます。
一応、入場者特典で貰える小冊子で堀越先生がそれについて語られていますが、これだけでは少し物足りないかなと思います。
そもそも今回の映画は時系列的にも、原作の23〜最新巻である25巻あたりの話(ちゃんと調べてないので曖昧です)なので、原作をきっちり追いかけてないと、腑に落ちない描写が出てくるのは当然であり、それが一番顕著に現れたのが、譲渡シーンかと思われます。
ですので、アニメは見た(または見ている)けど、原作は読んでないというような方にとっては、最後は釈然としなかったのではないのでしょうか。
まあつまりは原作読んで下さい。
多くの方はそれで納得するかと思われます。
拙文失礼致しました。
※2019/12/30 以下追記
ご都合主義だ、奇跡を簡単に使うな等のレビューがそこそこありますので、原作の内容も踏まえて以下追記させて頂きます。(以下原作ネタバレ有り)
原作を読んだ私の個人的な意見としましては、ラストシーンのワンフォーオールの譲渡に対してご都合主義なんて感じませんでしたし、あれを奇跡だとも思いませんでした。なぜなら、原作でワンフォーオールには先代の意志が介入しているという描写があったからです。デクが爆豪にワンフォーオールの譲渡を行った後、先代の意志の計らいで譲渡が阻止されたという解釈は、原作(+入場者特典の小冊子)を読んでいれば、充分に可能かと思われます。もちろん先代の意志がはたらく可能性なんて、譲渡前のデクは考えてなかったと思いますので、譲渡の阻止に先代の意志が働いたことを奇跡と解釈する余地はいくらかはあるかと思われます。しかし、それを奇跡と呼ぶには少し言い過ぎな部分があるのではないかと個人的には思います。なぜなら、原作を読んでもらえばわかっていただけると思うのですが、先代の意志とはいわば先代の幽霊のようなものであり、そこに人間としての理性はまだ残っているものと考えられるので、人間の力や自然法則を超越したものに関して扱われる「奇跡」という言葉での表現は不適切なように思われるからです。ですので、私、個人の意見としましては、あの譲渡の阻止は、偶然の部分はいくらかあったように思われますが、奇跡などではなく、必然性を伴った出来事であったと思います。ただここは解釈次第で意見が別れるところであるようにも思います。
そして、デクと爆豪の共闘後、オールマイトがワンフォーオールの譲渡阻止について「奇跡だ...」と言っていた場面がありますが、作者さんが小冊子でも述べられているように、あの時点ではオールマイトは先代の意志が具体的に働くということを知りません。ですので、オールマイトは先代の意志が働いたということを含めて奇跡だと言っているのではなく、ただ単にたまたま運良く阻止が行われたという意味で「これは奇跡だ...先代の方々ありがとうございます。」と言っていたのだと思われます。このオールマイトの「奇跡だ」という言葉が原因で、いくらかの方々が、公式が譲渡の阻止を奇跡という扱いにしたのだと誤解されたのかなと思います。あそこはあくまで譲渡の阻止についてよくわかっていないオールマイトがそう考えてしまっただけであり、実情は、譲渡の阻止は先代の意志の介入によって行われた、奇跡などではない、至って自然な流れであったというのが公式の見解なのではないかと私は考えております。
再度拙文失礼致しました。