「中盤あたりからだんだん冷めてしまいました」空の青さを知る人よ sabsabさんの映画レビュー(感想・評価)
中盤あたりからだんだん冷めてしまいました
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高評価が多くて書きづらいのですが、正直中盤あたりからだんだん冷めてしまいました。
物語の始まり、イヤフォンで外界の音を遮断してベースをかき鳴らすあおいの姿は、作画の素晴らしさもあってものすごく引き込まれました。
それで、女子高生が主人公で、音楽がテーマの作品だと勝手に思い込んでしまったのが原因かもしれません。
まず、あおいは主人公じゃなかった。もちろんあおいの物語はがっつり描かれているけど、最後まで見るとこの作品で真に描きたかったのは姉のあかねの方でした。
そしてもうひとりの主人公はしんのでした。二人のしんのと慎之介の対比を通じて、大人になることでの内面の変化と、それを乗り越える成長を描いてますよね。
ここら辺はエンドロールの序列みると実は明確に設計されてるっぽいんですよね…。(タレントの格の序列に過ぎないんかもしれませんが)
とはいえ3人いずれも描きたかったんだと思うんですが、導入であおいが主人公と刷り込まれてから展開を追うと、その後徐々に話が拡散していったように私は感じてしまいました。
二人のしんのの存在も、あおい=主人公という切り口から見ると、感情移入を妨げるものすごいノイズになるんですよね…
また、前半楽器や演奏を執拗に描いていたのに、途中で音楽の描写が背景に遠ざかり(代わりにあいみょんの素敵な曲がかかりますが)ラストあたりが音楽とは全く違う展開でのカタルシスに移ってしまったのも、なんか今まで何を見ていたんだろうと我に返ってしまいました。
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