「死者25人以下なら成功?」エンテベ空港の7日間 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
死者25人以下なら成功?
個人的に最も記憶に残るハイジャック事件は過激派の犯行によるものが多い中、1979年の日本航空ハイジャック事件。犯人は単独で、所持金数10円。思想的背景無し。ニュースを聞いた途端に笑ってしまい、それをもとに曲まで作ったという楽しい思い出。犯人は今何をしてるのだろう・・・?
このエンテベ事件についてはほとんど記憶にないけど、ハイジャックが頻発していた70年代だから、ふーんといった感じで聞き逃していたに違いない幼い俺。イスラエルとパレスチナの対立にしても、難しいので知ることを拒否っていたに違いない。試験に出ないし・・・
珍しく、テロリストたちと対応する政府の両側の心理描写を描いていたことに好感が持てる。また、ドイツ人がテロ犯に加わっていたこと。ダニエル・ブリュールとロザムンド・バイクは意識の差こそあれ、なぜパレスチナに加担しているかがわからなくなっている点がいい。まぁ、作者の想像の域を越えないのではあるが。
死者数が少なく、軍事制圧成功例として国威高揚させるだけではなく、永遠に続きそうな中東問題に喝を入れるような描き方も興味深い。制圧したところで国家間の紛争は止まらないのだから。
ダンスは面白かった。サンダーボルト作戦に参加する兵士の恋人サラが一人だけ突っ伏してしまう演技は色んな解釈が出来そう。また、細かいところだけど、ラビン首相一人だけが挙手するときにナチス式ではなかったのも興味深いところ。
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