劇場公開日 2019年10月4日

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「社会派ジョゼ・パジーリャ監督による贅肉の欠片もないタイトな実録映画」エンテベ空港の7日間 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0社会派ジョゼ・パジーリャ監督による贅肉の欠片もないタイトな実録映画

2019年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

リメイク版『ロボコップ』、TVシリーズ『メカニズム』、『ナルコス』、そして何と言っても『エリート・スクワッド』2作と徹頭徹尾社会派を貫く、ブラジルを代表する監督ジョゼ・パジーリャによる、1976年にエンテベ国際空港で起こったエールフランス航空ハイジャック事件を描いた贅肉の欠片もないタイトな実録映画。

ダニエル・ブリュールとロザムンド・パイクらパレスチナ解放人民戦線メンバー、人質の方々、ウガンダのアミン大統領、イスラエルのラビン首相と側近達といった登場人物の心情を交互に描くも、どの描写も色褪せて淡泊。エンテベといえばサンダーボルト作戦ですが、ラビン首相がパレスチナ人テロリストを解放するか作戦を承認するかで葛藤する間に黙々と訓練を続けるイスラエル国防軍を淡々と見つめる様も実に地味ですし、作戦遂行もあっという間に終わるといった具合に誰にも肩入れすることなくリアリズムを追求しています。

『ゴーン・ガール』で一気にスター女優の座についたロザムンド・パイクが非常に美しいのが印象的ですが、さりげなく挿入されるアバンギャルドな演出もあってパジーリャ監督が表現者としてネクスト・ステージに立ったなと個人的には感慨深かったです。

よね