「儚さ」命みじかし、恋せよ乙女 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
儚さ
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日本の宗教観は、あちらの世界(あの世)とこちらの世界(この世)の境界線が曖昧で、お盆には亡き人をお迎えして一緒に過ごし、そして再びあちらの世界へ送り出します。日本で育ち当たり前に感じていたこの宗教感は、外国人からするととても幻想的に感じるかと思いました。カールはゆうと少し長いお盆を過ごしたのではないでしょうか。ゆうがカールと離れられなくなったのは、カールが死に傾いていたから。カールが生を意識した時がゆうとのお別れの時。ゆうは、普遍的に描かれてきた日本の幽霊と同じくとても情緒的で、昔話を読んでいる感覚になりました。
明日、来年、10年後、30年後、50年後、いつあの世へ渡るかなんて、誰も知りません。命は短く、儚い。だからこそ、「生きているのだから、幸せにならなきゃ」極右に傾倒した青年が殺戮の象徴だとしたら、幽霊は生きることをあの世から教えてくれる有難い存在なのかもしれません。
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