「ダメダメ音楽オタクが“母性”によって目覚めるまで」イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
ダメダメ音楽オタクが“母性”によって目覚めるまで
イギリスのロックバンド、ザ・スミスの活動を描く…のではなく、そのボーカリストであるスティーヴン・モリッシーがバンドを結成するまでの前日譚を描くという、少々変則的な伝記映画。
ザ・スミス在籍時は、歯に衣着せぬ発言を連発していたモリッシーだが、本作での彼は内向的かつ協調性がない、小心者な音楽オタク。
しかし、時たま発する言葉に皮肉めいた物が籠っているあたりは、間違いなくモリッシー。
タイトルこそ『England Is Mine』だが、彼の脳内では自分中心な『World Is Mine』なのだ。
モリッシー役のジャック・ロウデンは、風貌こそモリッシー本人とは似ても似つかないが、あの気だるくてアンニュイな雰囲気はよく出ている。
バンド結成前のお話ゆえかザ・スミスの楽曲は使われておらず、『ボヘミアン・ラプソディ』のように観ていてテンションが上がるシーンがないため、物足りなさを感じる人もいるかも。
全体的なトーンとしてジョン・カーニー監督作に近いので、その手の映画が好きな人ならハマりそう。
昨晩、鑑賞しました。堪能しました。ザ・スミスに多少思い入れがないと単調に思う方も多いのではと思いましたが、私はこういう描き方も良いかと感じました。regencyさんのコメントを読まなければ観る予定ではなかった作品でしたので、感謝いたします。
この映画は、リアルタイムでthe smithsを学生時代愛聴していた私にとっては鑑賞を躊躇していたのですが、レビューを拝読し、ボヘミアン・ラプソディ―を期待せずしかし”ジョン・カーニー監督作に近い”というコメントで
観ることにしました。貴重な情報を有難うございました。(当たり前ですが、違うじゃんか!などというコメントはしないのでご心配なく)