「登場人物の量の管理が上手い!」LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘 白い花さんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物の量の管理が上手い!
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ルパン三世のテレビスペシャル等にありがちなキャラを全て出そうとして、全てが不完全に終わるってことがこのⅢrdシリーズにはまずない。
使うキャラと使わないキャラの選択が上手く、使うキャラをより深く掘り下げ描けている。
今回は峰不二子……子供に優しい義賊というだけではないのが、原作テイストなのだろう。本質的には優しいのかもしれないが、峰不二子の人生経験がそれを全面に押し出すことを拒否する。仮面を被り、嘘で塗り固め、本質を隠す……そんな峰不二子の美学が感じられた。
絵の雰囲気は、見慣れたテレビスペシャルやアニメとは印象を変えている。
内容もまた原作寄りであり、有名な作品であるカリオストロの城のような雰囲気は薄れている。ルパン三世の作品でカリオストロの城以外を見た事がない場合は違和感があるかもしれないが、大人向けで悪の香りが強くする作品が好きな人は是非見て欲しい。
あくまでも、ルパン達は犯罪者、悪人であり、決して『純白な正義』にはならない。それなのに子供を守り、敵対する悪を倒す……そんな矛盾のようなものがルパン達のキャラクターをより魅力的なものにしているように思える。
作中には、「次元大介の墓標」と「血煙の石川五ェ門」で登場した敵キャラクターが出てくる。
この2作を見ていなければ、突然出てきたキャラクターに戸惑いを覚えるかもしれないので、見ておくこと、もしくは見た後にでも上記2作を見ることをおすすめする。
峰不二子が好きなら見といて間違いはないだろう。
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