工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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2重スパイが国家間の争いに失望する映画
同時期に韓国のスパイ映画が2本も、あって色々悩んだが、この映画は正解だった! 国家の都合で翻弄される2重スパイは、最期には究極の選択をする!ただ今の韓国の政治背景も反映している気がして、残念な面もある!少しプロパガンダ映画の様な側面があるという意味です! なお映画の中で、実際の南北朝鮮半島の実在する人物が、ドンドン登場する事には驚いた! 日本だと、実在の人物は、架空の者に置き換えられ、ストーリーがめちゃくちゃになるケースがあるが、韓国では許されるのか?そこが凄い!徹底されてる!
すげぇエンターテイメントなスパイ映画。傑作。とりあえず観ろ。
社会派映画かと思いきや・・・すげぇエンターテイメントなスパイ映画でした。びっくりした。めちゃくちゃ面白かった。傑作。今年、暫定No1かも。なぜ、みんな観に行かないのか・・・。 この映画の中に漂う、緊張感の演出の凄さは、映画館じゃないと分からない。 是が非でも、映画館で観た方が良い。 僕は最初のイメージと違ってた映画を褒める傾向にあるんだけど、それを差し引いても良くできてます。リアル007です。 007みたいに、秘密道具、爆発、美女、ド派手なアクション、そーゆーのは無いです。 この映画にあるのは、バレるかバレないか?のギリギリの緊張感、愛国心、権力者の腐敗、共産主義・・・いやぁ、とにかく地味なんですよ。おっさんの脂ぎった顔ばっかりアップで映るし。映画の雰囲気は極めて硬派でシリアス。 ところがビックリ。めちゃくちゃエンターテイメントになってる! おっさん同士の友情も泣けた。俺もあんなおっさんになりたい。おっさんのロールモデルとは、こうでなくちゃいけないのだ! そして社会派映画としても超優秀。歴史を知ってから観た方が面白いので、下調べして観ることをお勧めする。 この映画に込められている社会的なメッセージ性は、幸か不幸か、我が国ではタイムリーで、今このタイミングで公開されていることは奇跡と言える。 この映画は、保守とは何か?を問いかけている。 劇中で、南の政治家が政権の支持率を上げるために戦争を仕掛ける様が描かれる。あれ?最近どこかの国(四方を海に囲まれている)の首相も全く同じことをやっていなかったっけ? この映画の中で、「政権を維持するためには敵が必要なのだ」というセリフがある。あれ・・・これは、どこかの国の大統領のことを言っているのかしら? いま世界的に「保守」という概念が混沌としていると感じる。グローバル化とIT化が進んでしまったせいで、もはや守るべきものが何か、誰にも分からない。朝鮮半島の南北の対立から、いまの世界情勢が見える。見事でした。 とはいえ、この映画を観たからといって、世の中の流れは変わらない。しかし、守るべきものは何か?を真剣に考えるキッカケにはなるはずだ。
表情筋の戦い
1990年代の朝鮮半島。北の核開発を探るため潜入した南の諜報員・黒金星。 実在するスパイとして唯一金日正と面会した、韓国史上最も「成功した」諜報員をベースにした話。これ、今季一番面白かった…! アクションシーン一切なしの会話劇なのに130分間ずーっと緊張しっぱなし。 (韓国語分かれば猶更おもろいんだろうな…) なんてったって主演のファン・ジョンミン(気付かんかったがコクソンの祈祷師役)と、南の主人公イ・ソンミンとの表情合戦が凄まじい。 ファン・ジョンミンの役柄的には「自分はスパイではなく一商人」という自己暗示をかけなきゃならん役だけど、同時に(観客に対しては)スパイとしての心情もきっちり表層化させなきゃならないという、半ば無理ゲー的パラドクスを絶妙な塩梅でやってのける。 その歪みを表すかのようにどこか崩した絵を散々積み上げておいて、ラストシーン、王道の構図で描かれる北と南2人の再会。もう号泣。 国家を超え個人として対峙するラストは極めてフィクション的でありつつ、案外あり得るのかもしれない…と思わせる強度がありました。 ずーっと喋ってるし、時代背景入ってないと置いてけぼり喰らう(観た後そうだったのか!ばっかり)けど、おススメです。
「浩然の気」を体現する二人の男の姿に涙する。近代南北朝鮮を舞台にしたスパイ映画の傑作
韓国の工作員”黒金星”と北朝鮮の外交を司る男二人が、立場は違えどある想いを命を懸けて実現させようと奮闘する姿をスリリングに描く。 韓国の大統領選を上手く絡めて、物語を重層的且つ奥深く作り上げている。 ラストの二人の表情、仕草には涙を堪えきれなかった。 韓国映画のポリティカル映画の傑作が、又一つ誕生した。 <金大中が韓国大統領になった前後の近代朝鮮半島の歴史を事前にさらっておくとストーリーに入り込みやすいのではないかなと思います。>
ただ今、色々と世界を騒がせている韓国さんですが。
まぁ、そんなこんなは一切合切無視して、忘れて、観て来ました。これまで見た韓国映画の中でも、一二を争うくらい面白かった!
ただ、本当に忘れなきゃダメです、他の韓国映画と同じように。もう、あらゆる事を全部忘れて、フィクションとして見るべき映画です。
もう、出て来る男も女も、全員「敵」に見えて来て緊迫感高まります。潜入、密会、盗聴、暗殺、などなど、「スパイの基本」はアジア的かつ古典的。日本語でまくしたてるキヨハラとか結構好き。チュ・ジフンの名前が出て来なくって、「ヘウォンメク!」と頭の中で連呼してしまったのは私です。
党からの指示に従うしか生きる道の無い男と、組織と国家のために全てを捧げて来た男。
利害も生きる目的も、真っ向からぶつかり合っている、この二入。北京の高層ビルから見下ろす眼下には光の塔と筋が広がっていました。二人はその景色を眺めながら一つだけ同じことを考えます。
「北が変わり南北統一へと向かう流れが出来れば」
まぁ、最後はやられた。良かった。だけど、そのRolex、偽物なんだよね.....
もしかしてそのタイピン、青酸カリとか仕込まれてません?
そういうところを突っ込む場面じゃないんだけどw
以下、映画の基本的な背景など
◆韓国と北朝鮮は、今も休戦に合意していない
そもそも、朝鮮戦争の休戦協定は「国連軍」と「朝鮮人民軍 及び 中国人民志願軍」の間で結ばれたものであり、当時韓国の李承晩は協定協議に参加すらしていないとされています。手っ取り早く言うと、休戦は「アメリカと北朝鮮の間だけ」の話。北朝鮮と韓国の間の関係は、今も「交戦状態」です。ですが、陸上に惹かれた非武装地帯を超えた軍事行動はもってのほか。境界線の取り決めの際に、曖昧にされていた「海上の境界線」を巡り、北朝鮮が挑発行為を定期的に繰り返している、と言う事実があります。
◆実際に起きている「島への砲撃」
延坪島砲撃事件は2010年。金正恩への権力移譲に向けた指導力アピールが目的とみなされている軍事行動です。映画の中では「南方の島を砲撃してくれ」と言う話が出ますが、砲撃は12年後に現実のものとなります。
◆金大中と言う、よく判らない人
また「金大中事件」は、下手な政治事件サスペンスが顔色を失うほどにショッキングな内容。日本のヤクザも絡んでいます。韓国諜報部と日本の反社会的組織の繋がりを知る、と言う意味からも、wikiで十分なので調べてみてはいかがかと思います。映画としては大ゴケした「KT」ってのがあります、俺も観た事無いけど。
尚、金大中はノーベル平和賞を受賞していますが、一方では「崩壊寸前だった北朝鮮の金体制を延命させ、核武装に必要な時間稼ぎと資金調達を手助けした男」と言う見方も出来ます。
8/16追記
◇黒金星の意味
金星が太陽の表面を通過する時、明るい金星は数時間、真っ黒な点となります。これが黒金星です。1716年、イギリスの天文学者エドモンド・ハレーは世界中の科学者が結集して地球規模のプロジェクトを成功させようと呼び掛けました。
金星の日面経過を地球上の異なる地点から観測し、その結果を持ち寄れば太陽系の正確な大きさを計算出来るからです。
1716年、ハレーは60歳。次の日面経過は1761年と1769年。ハレーは、自分自身の提唱したプロジェクトの成果を見届けることなく亡くなります。
1761年6月6日と1769年6月3日、世界各地で数百人の天文学者が望遠鏡で空を見上げ、金星の日面経過を観測しました。宗教や国や経済力の違いを捨てて、史上初の世界的な科学プロジェクトのために力を合わせたのでした。
「黒金星」の暗号名に込められた願い、胸に刺さります。しっかりしろよ韓国、って言いたくなります。
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10/11追記 「金星を追いかけて」
「世界中で金星を観測した」と簡単に書いてしまいましたが、当時は7年戦争を挟み、英仏のフリゲート艦が海上で出会えば必ず戦闘になっていたと言う時代。天文観測は命がけの冒険でした。欧州から喜望峰を回り、インド洋を渡り、戦闘とハリケーンを潜り抜ける観測地までの旅は、完全に大冒険。凍った川を渡りシベリアへ向かった者もいます。太平洋を渡りメキシコに上陸、カリフォルニアまで移動した者。観測地で熱病に倒れた者も居れば、あれだけの冒険を乗り越えたにも関わらず、天候に泣いたものもいます。彼らの大冒険は「金星が太陽面を横断する日」に向かって、各々が自力で動き出し、各々がそれぞれの冒険を乗り越えて行きます。
胸アツを超える、先人たちの命を賭した科学探求の冒険物語は、私にとって鳥肌と感涙の人生最大級の絵巻物でした。「金星を追いかけて」も、お勧めの一冊です!
Wikipediaでも大まかな概略が判ります。「金星の太陽面通過」、「1761年」の項と「1769年」の項を参照。
パクソギョン、今何を思う
北は結局、核保有国になってしまった。 パクソギョンは、今何を思ってるのだろう。 パクソギョンの心の揺れなどよく出ていて、生々しいやりとりも緊張感があって面白かったが、逆に史実だと考えると、スッキリしない部分が残る映画だった。でも面白かった。
史実と事実のほぼ中間をいくストーリー展開なので、劇中の緊張感はハン...
史実と事実のほぼ中間をいくストーリー展開なので、劇中の緊張感はハンパない!アノ感じの攻防戦を常に行った両国の悲劇と友情が深く胸に刺さった!
心理戦だけでここまでの映画になる
# 非常にスリリング。とひとことで言ってしまうのもどうかと思うのだが...。 南北朝鮮という、かつてはひとつの国だったのが分断されたという事情。同じ言葉を話しても全く異なる思想。しかし裏側ではこんなにも緊張感溢れるやり取りがあったのか、という。 派手なアクションは全くない分、演者の見せる機微というか、探り合うやり取りがとんでもなくスリリング。そしてそこに絡む大統領選。選挙の結果は知っているとはいえものすごくハラハラする。 そしてラブもアクションもない分、渋く効いてくる友情。ラストシーンはちょいやり過ぎではとも思うが、単純な私はすぐ目が潤んでしまうのである...。 それにしても、内政の極致たる大統領選の裏でここまでの駆け引きが行われるとは...。「将軍様」に謁見するときとか、意見するときの緊張感が画面越しにリアルに伝わってきた...。 ファン・ジョンミンさん、メガネをかけると松重豊さんに見え、外すとなぜかジョン・チョーさんに見えてしまい混乱しましたが、そう見えるってことは別の言葉で言えばものすごく二面性が見えてよかった。演者さんは皆凄かった。ほぼ会話の心理戦なのに飽きさせない。そして「将軍様」似てたねえ...ちょっとお腹出すぎかなって気もするけどね...。
南北問題は難しい
核開発の実態を探るため、「黒金星(ブラック・ヴィーナス)」というコードネームの工作員として、北朝鮮に潜入するという作品。 スパイ物であっても派手なアクションシーンが無いにも係わらず、全編に渡って緊張感がある作品で、次の展開を楽しみにできた作品であったが、政治に疎い私にとっては、最後の大統領選挙とスパイ活動中止命令に背くくだりが良く理解できず、難しいラストシーンになってしまいました。
マジか
いま鑑賞後、飲み屋で本作とは全く関係ない本など読んで飲んでる。 内容については他者に譲るとして、 あんまり韓国映画の俳優に明るくないので、 主人公のひとがアシュラの市長か!! なんとなく似てると鑑賞中思ってたけど。 まじかー なんかすごい! すごいわ。すごすぎやろ韓国映画。 なんでかわからんけど、なんかその事実だけで泣けるわ。
緊張感あふれるスパイ合戦
1990年代に活動した実在の韓国人工作員(スパイ)をモチーフにした、フィクション。 北朝鮮へ潜入して、核兵器開発の実情を探るミッションなのだが、韓国も北朝鮮も、出てくるキャラが濃すぎ。 騙し騙され諜報戦の緊張感が素晴らしい。 やや漫画や、冒険小説にあるようなご都合主義的展開もなくはないが、実際の政治、実際の歴史の事実を紛れ込ませた、実に興味深い内容でした。
ファン・ジョンミンは確かに素敵
だけど、ちょっとシナリオが甘かった。 上映館が少ないせいもあってか、週末のシネマートはパンパンで、事前の予約をした方が良さそう。 南北の友情を求める今の韓国の気分にはフィットしてるのかもしれませんけど、潜入ものとしては「ベルリン・ファイル」や「新しき世界」ほどとは言えないかと。 北の核開発の証拠を得るために潜入する実在の工作員をモデルにしたフィクション。 劇中では日本は空気でしたが、当時の大統領選を巡る疑惑は、なんか日米の関係性とかを想起させます。 将軍様が登場する映画としては(時代が違うけど)Netflixオリジナルの「鋼鉄の雨」のがハードで良かったなあ。 ブレイク・スナイダー的に言うなら「組織の論理(vs個人)」にあたるプロットなんだろうけど、その相克や緊張感が今ひとつ弱いという。 でもまあ、もちろんこのラストは腐女子的に号泣もので、八甲田山的な男と男が再会できるのか…みたいな企画が成り立つこと自体に感動してしまう。 そういう意味でも韓国映画が大変うらやましくなりました。
大義より保身
ファンジョンミョンに外れはないですねー! 有能な軍人だったパクがスパイとなって民間人を装い北朝鮮が核を持ってるかどうかを探る、というミッションに始まるのだが、韓国では金大中が大統領になるか?という時代で、既得権益を守るため…。という驚愕のはなし。いや、Jアラートがどうしたこうしたと危険や不安をあおられてたどこかの国もありました! 大義を忘れた国家権力者たちに疑問を抱くものは北にも南にも居て、己の危険も省みず大胆な行動にでる、という胸すく展開。 ただ、基礎的歴史的知識がないと前半どうしても分かりにくいです。少しおさらいしてから見た方がいいかも。
圧巻でハードな作品。
韓国に思う所は沢山あるが、こと映画においては本作でも日本は足元にも及ばない事をまた痛感した。この見応えはなんなんだろう。主人公2人の心の通じ合いの描き方は見事。韓国映画の傑作に会うたび何故日本はこういうの作れないのか不思議に思う。多分しがらみが多過ぎるのかもね。 ファン ジョンミンはいつも見事。今回はリ課長の役者がとても素晴らしかった。前半の緊張感漂う険しい表情から最後は一転して優しげな柔らかな表情で圧巻の演技だった。こんなに感情を見事に表現できる民族なのに分かり合えないのが残念。
『反日』や『北風』を掲げないと国体が維持できない、そんな悲劇の国家
平和ボケと叫ぶ日本人がいる、でも平和の人々には融和心があると自分は思う。 昭和が終え、平成そして令和を迎えて『戦後』という言葉も朽ちあせつつある日本にはまだ休戦状態であるお隣の半島の事情はわかっているようでわかってない。 この物語の信憑性が立証されるのはまだ先、でもなるほどと感じるお隣の事情。徴用工問題からしてもそもそもこの国は未だ戦争状態だから我々の標準では語れないかもしれない。 韓国民が『反日』や『北風』を掲げないと国体が維持できない、そんな悲劇の国家の真実を訴えるある意味の衝撃問題作。
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