歎異抄をひらくのレビュー・感想・評価
全4件を表示
鎌倉時代が舞台の大河歴史ドラマ。救いのある不幸なキャラクターたちが魅力的に映る。
鎌倉時代の4人の子供たちが当時の流行の仏教の影響を受けながら成長していく。随所で偉い人や主人公が仏教の説教のセリフを語る。
点数3.5。お勧めします。見どころは人間ドラマ。ごくふつうの人々の苦難、悲しみ、幸せ、青春、愛などの人間ドラマがNHKの歴史大河ドラマのように実在の人物とからめてドラマチックに描かれます。
この映画の良いところはキャラクターたちが魅力的なこと。鎌倉時代という不安定な時代に生きているので不幸な登場キャラクターが多いが彼らが運命と対峙する姿が魅力的に映る。偉い仏教のお坊さん「親鸞」の説教は言葉だけなので難しく何を伝えたいかよくわからなかったが、不幸を背負ったキャラクターたちの姿には視覚的なわかりやすさがあり魅力的だった。
この映画の悪いところは映画の序盤のクマ(大きな熊)遭遇シーンに代表される。クマの作画やその行動が素人レベルなのでアクションシーンの描き方が幼稚だと思った。4人の子供たちが山奥の川で遊んでいると興奮したクマが現れる。そこへ村人の強そうなおじさんが助けに入るのだがおじさんがじゃんけんをするみたいに手をパーにしてクマに見せるとクマはおとなしくなってどこかへ消える。興奮したクマに手を突き出すのはありえないと思った。
作品で描かれる鎌倉時代の庶民の生活はかなり貧しく映画館もプロスポーツも学校もなく、図書館もテレビもスマホもない彼らにとって仏教は娯楽のひとつであったと思う。(鎌倉時代の庶民の娯楽は他にもいろいろあったのだろうが。)実在の仏教関係の人物が登場するとはいえ、この作品は庶民の生活を描きだす良ドラマ作品だと思った。
視聴:液晶テレビ(有料配信Amazon Prime Video) 初視聴日:2025年7月4日 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で見た)
自分という存在をそんな視点で見たことは無かった
自分は大学時代からボランティアに励み、凶悪事件がおこれば加害者を2chで叩き、自分のことをこれっぽっちも嫌な人間だとか悪い人間とは思ったことが一度もなかった。
むしろ自分は一般的には善い人間で、死んだら天国にいけるタイプだと思っていた。
一方で、心の中で思うだけなら誰にも迷惑かけないし自由だとあらゆる酷いことを考えたりもした。無意識のうちに心で何人を殺したか分からないほど。
けれど確かに、本当の自分はどういう存在かを考えると、心の中の自分が本当の自分なんだとこの映画で気付かされた。
心がなければ行動しない。自分という人間は、外から見える行動から判断できることではない。大元は心なのだ。
そう考えれば、自分は、いや全ての人は皆間違いなく極悪人である。
本当の自分の姿が分かる
ゴンパチが処刑された後、殺人を犯したものでも救われるというのか、とモヤモヤした気持ちが主人公と同じように残りました。
しかし、親鸞の仰る通り、日々、どんな恩人に対してだろうが、ちょっと都合が悪くなると心で殺している自分を思うと、行動にうつすか移さないかの違いだけで、外面を剥いだ自分の姿は悪魔そのものだと思えました。
すべての人がそうなのだと思うと、私たちは救いようのない悪人なのだと知らされます(_ _).。o○
全4件を表示