ティーンスピリットのレビュー・感想・評価
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説明セリフに頼らない新鋭マックス・ミンゲラの演出の冴え
誰かに噛みつきたいわけではないので、ほかの方のレビューを一切見ずに書きます。一番言いたいのは、本作が「MTVっぽい編集の中身の薄い映画ではない!」ということ。確かに、オーディション番組がモチーフということもあり、音楽合わせの編集が多く、歌の場面になるとミュージックビデオっぽい演出も増える。しかし、そういうカットの積み重ねの中に、実にさりげなく、登場人物の心情や背景が想像できる情報が仕込まれていて、流れるように観られるのに、気持ちがちゃんと伝わってくる演出がなされているのだ。
プロットは極めてシンプルだし、オチも決してヒネったものじゃないが、一見ミュージックビデオ的な語り口を、物語や人物を伝えるツールとして洗練&進化させた映画だと思っている。その証拠として挙げたいのが、この映画の説明セリフの少なさ。心情をべらべら喋ったりしないのに、実に饒舌なのだ。「ミュージックビデオ風のアイドル映画」みたいな評価に落ち着くのだとしたらあまりにももったいないので、本作の過小評価の波には少しでも抗いたいと思っています。
ありふれた筋書きながら、ファニングの歌声やディテールは見応えあり!
本作の受け止め方は人によって大きく差が出るはずだ。そもそも、このタイプのシンデレラストーリーはありふれている。それにオーディション番組のパフォーマンスや楽曲、それに衣装や番組演出のダサには思わず苦笑してしまう。が、実際の番組のクオリティなんて意外とこんなものだ。
むしろ、私が心打たれたのは前半だった。イギリスのワイト島という特別な場所をフィーチャーし、しかも主人公はポーランド移民で、彼女に救いの手を差し伸べる老人はロシア移民。それだけでもこの国の多様性の現状が伝わってくる。さらにマックス・ミンゲラ監督の父は、高名な映画監督でもともとは音楽家志望。母は香港出身の振り付け師。つまり両親ともに夢を掴もうと必死に努力してきた人で、その生き様がエル・ファニングの体に乗り移ったかのように情熱がスパークする様が美しい。ファニングの歌声も透き通っていて力強い。思いがけない「拾いもの作品」といった印象だ。
グランツーリスモのヤン君
物語部分が薄味。バックボーン説明してよ
ティーンスピリットという架空の番組を通じて、成長し輝いていく主人公の姿を追ったサクセスストーリー。エル・ファニング自身が成長途上の若手女優で、まだ確固たる評価をものにしていないだけに、はまり役と言っていい。むしろ彼女の頑張りを、演出で生かし切れていない印象が強い。吹き替えじゃないとすれば歌唱力だけでもものすごい実力がある。ストーリーもいたってシンプルで、この内容で失敗するほうが難しいと思うのだが、いろいろと残念な失敗が目に付く。
その最大の失敗が、師匠であるブラドと、ヴァイオレットの出会いと絆の描き込みの弱さ。ふたりの俳優の相性も最悪と言っていい。元有名オペラ歌手というなら、その片鱗ぐらいは見せてほしかったし、主人公の危機を救うほどの強いリーダーシップもなかった。たまたま少女の横に居合わせただけの存在にしか見えない。
誰もが共感できるストーリーにするなら、もっと少女の日常を分かりやすくみじめに描けばいいのに、適当に断片的に農場で馬の世話をしたり、野原に寝転んで音楽に浸ったり、「自分はまだ何物でもない」状態を象徴的に映しているだけ。退屈なクリップをずっと見せられている展開が延々続く。
そこに分かりやすい堕落と妥協、誘惑が押し寄せ、それに負けそうになる様子が描かれるが、どれも弱い。例えば契約さえとってしまえば奴隷同然にスターの卵を食い物に商売していく悪辣プロデューサーのような、強烈なキャラクターも出てこないし、主人公が進むべき正しい道筋もはっきりしない。
家族に回帰していく映画なら、名声よりも愛に生きる道をとる生き方が共感を呼ぶし、成功して大衆に愛されるアイドル誕生のサクセスストーリーならもっと大きなステージで輝く彼女をクライマックスに持ってくるはずで、オーディション番組で勝ち残るストーリーだけでは何とも弱い。
そして、すでにそんな番組は今までさんざん見てきたし、番組の中で何人もの少女たちが羽ばたいていくのだ。なぜ、彼女が特別なのかを丁寧に証明する義務があり、それができていない以上、この映画は失敗と言わざるを得ない。
2020.1.14
エル過剰説
個人てきには、どっちかというとダコタである。
が、なにしろエルの出演作が目白押しである。またエルか、これもエルか、あれもエルかみたいな、エル供給過多な気配は、正直なところ、ある。
ただ、ぜんぶ網羅したわけじゃないが、エルの出演作は、どれもなんかいまいち。な気がしている。
とはいえエルファニングには文句はない。
日本とちがって、かわいいだけの役者は、ハリウッドにはいない。エルの出演作をごらんになった方はだれもが認めるだろうが、演技力があり、役作りもする。かのじょ自身にはもんだいがないけれど、作品に、これという決定打がない。のである。
決定打がないことは(成人してからの)ダコタにもいえる。
似てない姉妹だなと、しばしば思う。が、父母は同じ。
だけど、顔のつくりも、演じる役どころも、けっこう違う。
しかし、ふたりとも可憐な見た目に反して、芯がある。伊達に女優やってるわけじゃない。
そもそも子役スタートゆえ、その若さに反して既に20年のキャリアがある。「かわいい」ってのも、あんがい失礼なハナシ、かもしれない。
(2021年時22歳。『2歳8か月のときに芸能活動をスタートする。』とwikiに書いてあった)
わるくない映画だった。
わたしもユーチューブで海外の「スター誕生系」動画を眺めるのが好きだが、あれらのステージでは、出演者たちの事情や内的葛藤は、ほとんど見えない。この映画は謂わばそれを描いている。グレートヴォイスを持っている市井の娘がコンペティションにうち勝って、スターになる。わたしが敬愛するAdeleだって、あるいは他の多数のスターたちも、必ずしも恵まれた家庭環境に育ったわけじゃない。番組の挑戦者たちは陽気に見えるけれど、とうぜん彼/彼女が背負っているものはあるだろう。その内幕を、映画は描いていた。
エルファニングは、きらびやかなスターオーラを出せる一方、そこらへんの娘にもなれる。軽くも重くもなれる。その演技力がいかんなく発揮されていた。と思う。
ところで日本で「スター誕生系」(この言い方がどうしようもなく古いことは承知しています)番組が流行らない理由をご存知ですか?理由は、謙虚な審査員がいないから。日本でスタ誕番組を設定し、著名なミュージシャンまたは業界人を審査役に据えると、そいつは必ずマウントをとってきます。マネーの虎ってご存知ですよね。あれは出資するという前提があったからHarshな審査だったわけですが、日本での芸道事では才能よりも先に「俺/私のがキャリアが上」という上下関係が前提です。つまり先輩貴兄たちは、有望な新人が芽を出そうとしていたら、まずそれを潰しにかかります、その芽潰しを乗り越えてこい──を基本育成スタンスにしているわけ。そんな不遜な輩しかいない業界で、スタ誕が成立するはずがありません。イカ天(これも古いけど)でもM1でも、重鎮とか大先輩とかのHarshな否定発言が、つねに紛糾しますよね。日本にスター誕生番組がない理由はそこに尽きます。
それはともかく。わるくないけど映画はまあまあ。というところ。
ですが、imdb見たら俳優の初回監督作となっていました。あちら(ハリウッド)では俳優が監督業へ回って、じっさい監督をこなせてしまう──という日本じゃ絶対にありえない現象が多々あります。とはいえ凡打なのは、エルはいい演技だけど、映画の性質上、勝ち抜けるほどの歌唱力を感じないwところに課題があるんじゃなかろうか。また、どの画も暗いのはやや気になりました。
個人てきに、もっとも楽しかったエルの主演作は、映画ではないけれどElle Fanning's Fan FantasyというVogue主宰のショートフィルム。ランニングタイム2分。YouTubeで簡単に見られます。
日本にバンドで来日したら、ぜひ観たい!
田舎の決して派手ではない 大人しい女の子が オーディションを登り詰...
田舎の決して派手ではない
大人しい女の子が
オーディションを登り詰めるわりには
挫折が少なくてストーリー展開もスラスラ。
映画にして少し物足りなさがあったけど
これはこれで見やすいのかな?
エルの可愛さと低くて強さがある歌声の
ギャップがよかったし曲も素敵だった!
エル・ファニングの魅力は語り尽くせない --- 昨今のオーディショ...
エル・ファニングの魅力は語り尽くせない --- 昨今のオーディション番組ブームを、俳優マックス・ミンゲラが脚本監督して描くタイトル120点の音楽青春映画。エル・ファニングのカリスマ性溢れる出で立ちとパフォーマンスにマックス・ミンゲラの多彩なフックを仕掛ける監督っぷりは良いけど、作品自体は驚くほど無害で自分の中で「え?」と「で?」が最後に残る、そのビジュアルのスタイリッシュさと相反してさほど記憶に残らない(使い古された)王道 = 普通のサクセスムービーだった。それを敢えて、そしてどうせ"今"語り直すならSNSやYouTube等ネット社会を絡めても良かった気も一瞬したけど、それはそれでやり尽くされている感あるかと思い直したし、コッチの方が古びないだろう。撮影・照明はフレア多用で時に圧倒的暗さは主人公ヴァイオレットの心情や置かれた状況を表しているよう。エル・ファニングは相変わらず素晴らしい。そんな不安定な彼女を支え導く元オペラ歌手で自称マネージャーのヴラド役には、『プッシャー』シリーズでお馴染みのズラッコ・ブリッチ。この二人の関係性こそが本作の鍵となっていて、そこにもまた既視感を覚えてしまうが、やはり嫌いじゃない。「&」ポジションなレベッカ・ホールはしっかりと胡散臭く金の匂いのする業界人感を醸し出している。
俳優監督週間
かわいいw
ラストのライブパフォーマンスで全てを許す!
歌の才能はあるけど田舎で燻っている地味女子が、地元でたまたま開催されるオーディションをキッカケにのし上がっていくシンデレラストーリー。
この手の作品にしては説明や台詞が少なく、歌や映像で語る場面が多用されていて、ちょっとアート映画のような雰囲気も。なので、エル・ファニングの美しさや個性的な歌声をたっぷり堪能出来ます。
一方で、ストーリーは非常に凡庸で、正直擦り尽くされたシンデレラストーリーの枠を出ません。先も読めるし意外な展開もなし。歌のパフォーマンスも「ララランド」のように印象に残るものがなく、うーんと思っていました。
でも!ラストのライブパフォーマンスが素晴らしく、それまでの80分を全部許して、観てよかったという気持ちにさせてくれました。主人公の溜まりに溜まった思いを歌に込めてシャウトし、体全身で表現する姿がとにかくエネルギーに溢れていてカッコ良い!!痺れました。
他は置いといて(笑)、ラストのパフォーマンスだけでも一見の価値ありです。
自分らしく生きること
イギリスの片田舎の島に住む女子高生が、オーディション番組を勝ち抜いていく物語。
確かになんのひねりもないし、根性ものでもない。
だけど、ポーランド移民で片親で牛の世話からバイトまでしても楽にならない鬱屈した暮らしの中、たった1つの楽しみの歌を人に認められた喜び、落ちた時の悔しさ、いろんな感情が爆発するシーンの輝きったら!
エル・ファニングのPVかな、まあ好きだからいいやと軽い気持ちで見たら意外と良い映画だった。
エル・ファニングは困った顔、怒った顔の方が美しい。そして、バッチリメイクにドレスよりもタンクトップやジャージがかわいいってズルすぎる!
浅い。安っぽい少女漫画のレベル
エル・ファニングのかわいさだけ
エルはやっぱり
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