シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢のレビュー・感想・評価
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不器用な男が建てた石の宮殿が訴えかけてくるのは
死んだ妻に愛情のかけらも表すことなく、家を離れていく息子に別段別れの言葉をかけるでもなく、ひたすら、寡黙に、フランスの田舎道を行き来する郵便配達人。しかし、彼はある日、山道で見つけた風変わりな石のかけらを発見したことから、そんな人生への、家族への償いの気持ちを投入するかのように、石の宮殿の建設に没頭する。途中、神はさらに過酷な運命を彼にもたらすが、得られなかった普通の幸せや、家族との団欒の代わりに、遂に完成した宮殿は人々の目の前にそそり立つ。理論ではない建築物の圧倒的な存在感と、人生に於いてはすべてが平等だという真実が、深く胸に突き刺さる実話の映画化。不器用にもほどがある男の生き様は、器用さが重宝される今の社会への警鐘とも取れる。
まさか宮殿が実在すると思わなくて驚いた。 不器用な父親の娘への変わ...
まさか宮殿が実在すると思わなくて驚いた。
不器用な父親の娘への変わらぬ深い愛情を感じて辛いシーンも多かったけど、良かった。
フランスの美しい景色がたくさん見られたのも良かった。
タイトルなし
ジョゼフ·F·シュヴァル [1836-1924]
フランス南部田舎町の郵便配達人
何キロも歩いて郵便を届ける毎日も
『配達中。歩きながら夢を見ている。
空想に浸る時間は楽しい。』
その空想は
石を集め運び一つ一つ積み上げ
33年の歳月をかけ
たった一人で完成させたのは宮殿
「シュヴァルの理想宮」
(Palais idéal du facteur Cheval)
感情を表にださない
愛情表現を知らない
寡黙な男シュヴァル
周囲から「偏屈」と思われているが
彼は心が美しく善人
優しく強いフィロメーヌが寄り添い
彼女の支えがあり
数々の苦難に心を痛めながらも
宮殿を作り続ける
.
美しい景色·家族の愛情
家族のために作った宮殿
シュバルの表情を観ているだけで
涙が止まらなくなる
二本立て二本目。 「目標を達成するには頑固であれ」 蓋し名言。今回...
二本立て二本目。
「目標を達成するには頑固であれ」
蓋し名言。今回は偉人(変人)特集の模様。
主人公の生活、行動に少々違和感。単なる頑固を通り越してる気もした。
・即再婚、娘誕生。することはする(笑)どうやら偉人はお好きなようです。
・娘溺愛。息子は?孫も娘と同じ名前の方しか可愛がってないような…
・主人公の家族には究極の不幸が次から次へと襲ってきます。
偉かったのは寧ろ奥さんだったような気がします。それにしても凄い建造物ですね。やっぱり偉人(変人)
変人は偉大
高知市の手作りマンション『沢田マンション』をTVで観た時にとても驚かされたのですが、シュヴァルの理想宮にも驚かされました。正しく、やる気があれば何でもできるを超越したかの様な建物。シュヴァルが変人扱いされていましたが、後世に残るのはやはり変人です。変人は偉大です。
不器用口ベタ男の究極のDIY
愛娘に何かを残すために奮闘する父親の実話――と書いてしまえばありきたりだが、その「何か」が宮殿というところにまずビックリ。
それも金に物を言わせてではなく、自ら石を運んで(それも、形が歪な物を選んで)DIYで作ってしまったというから二度ビックリ。
とにかくこのシュヴァルという人物が、不器用かつ口ベタ過ぎることこの上なし。それでも2回も結婚できるのだから、人生とは不思議。
決して性格が悪い人物ではない分、中盤以降に降りかかる様々な不幸が本当に気の毒。
『探偵!ナイトスクープ』の名物企画「パラダイス」では、独自で遊園地や戦車を作ってしまうような、ちょっとやり過ぎなDIYをする人が出てくるが、その多くは男性。中には、夫の没頭ぶりに呆れながらも、「しょうがないわね」と苦笑いして受け入れる奥さんが映る。
シュヴァルの宮殿づくりも偉業なのは間違いないが、その影に奥さんの内助の功があった事は忘れてはいけない。
後半部でちょっと間延びする部分もなくはないが、少々物悲しげで切ないラストが余韻を残す。
この映画観て決めました。死ぬまで映画を観続けてやろうと!
何か一つのことに打ち込むことは大切。彼の場合、それが宮殿だっただけだ。しかし、郵便配達だけでも地球5周分配達して回ったわけだし、その上に毎日10時間も費やすなんてのは凄すぎる。かかった年数33年。アリスのために作り始めたのだけど、幼くして不幸にもアリスが病死してしまい、その墓を作るのにも8年かけているのです。
そんなシュバルも前妻を亡くしたときに息子シリルと生き別れ。なぜだかわからなかった序盤の出来事だったのですが、仕立屋の丁稚奉公してたのですね。独立できるようになってから戻ってきたときには涙が出てきました。寡黙な父だっただけに会話も少なかったのですが、それでも父や義妹アリスのことを愛していたことも伝わってきます。まさかの孫にまで・・・といった感じで。
19世紀半ばからの長い年月の物語だっただけに、周囲の人もどんどん亡くなっていきます。戦争が始まったと聞いたときには、まだまだ不幸が続くんじゃないかとヒヤヒヤさせられましたが、そこまでは描かれず。彼の地道な努力が世界遺産クラスにまでなったことに感動でした。建設途中の建物がニセモノなんだろうけど、それでも美術さんは大変な苦労だったのだと思います。
真摯に生きる、という事
について、改めて考えさせられる映画でした。
この宮殿の事をそもそも知らなかったからか、
役者さんが演じているというより、実際の映像
を見ているようでした。
利発で愛らしい娘アリスと主人公のやり取り、
ラストシーンの美しさが心に沁みました。
宮殿、監督、本人かのように演じた俳優さん
を知りたく、パンフレットを購入 (^^;
まるで絵画のような映像美でした。
美しい映像
アンコールワットに魅せられて作った自分のお城。そんな趣味の世界を描いたふわっとしたイメージで観に行ったら見事に覆された。
真面目で無口な郵便局員の根底にある不器用で、でも深い愛情。
途中で不意に訪れた不幸に、涙が止まらなくなる。
考えられないような長い距離を、毎日黙々と歩く道の映像は、フランス映画だけあって光と影のコントラストがただひたすらに美しい。
彼が残した建物に、家族との愛情が絡まって、痛いくらいの繊細さを感じることができた。
久しぶりに心に染みる作品に出合えました。
エンドロールが終わるまで動けなかった。
人の心の底深くを見抜ける女性が存在したのだ。
それだけで充分だ。
周りの風潮に流されず黙り続ける男。自分の気持ちを口にできない男。世の中の人々は後者を選び、彼を嘲笑い僕はまだ大丈夫だと安心する。他者と比較することでしか自己評価できない。どちらが不器用なのか分からなくてなってしまう。
夫を亡くしたばかりの彼女がシュヴァルに話しかけたあと友達に彼のことについて話をするシーンに釘付けになった。
絶好調の時には人は集まって来る。でも、大切なのは自分がどん底にいる時、誰が側にいるのか…
この映画はそんな大切なことを感じさせてくれた。
やはり生きていくうえで大切なことは女が教えてくれる。
ささやかなシュヴァルの人生
恵比寿ガーデンシネマは恵比寿ガーデンプレイスの外れ、ウェスティンホテルの向かいにあり、隣にはジョエル・ロブションのグランメゾンが堂々と建っている。噂によると中はいくつかの空間に分かれていて、それぞれ値段も違うとか。一番高いガストロノミー(フランス語で食道楽)ではランチが3万円、ディナーが5万円ほどするらしい。注文するワインによってはもっと高額になることもままあるとか。
ここほど高くはないが、フランス料理店で二人で夕食を食べて、ワイン込みで10万円払ったことは何度かある。しかしそのいずれもややこしい料理ばかりで、何を食べたかあまり記憶に残っていない。もちろんどの料理も素晴らしく美味しかったことは憶えているが、人間の味覚は大抵の料理を美味しく感じるように出来ている。フランス料理もラーメンも、同じ程度に美味しいのだ。それにどちらかと言えば寿司やラーメンのように臨場感のある料理のほうが記憶に残っている。多分素材をストレートに連想できる料理のほうが印象が強いのだろう。
さて本作品では主人公シュヴァルがパンを捏ねる。パン屋で働いた経験があるからだ。指ではなく手のひらを使うのがコツだと語りながら、力強くパンを捏ねる。焼き上がったパンはとても固そうだが、美味しそうでもある。多分記憶に残る味なのだろう。フィロメーヌは無口な夫を少しずつ理解する。シュヴァルも、慣れない子供の相手に次第に慣れてくる。生まれたアリスは頭のいい可愛い娘になった。
フィロメーヌを演じたレティシア・カスタがいい。昨年(2019年)末に「パリの恋人たち」を観たばかりで、若い恋人を手のひらで転がすようにもて遊んでいた美熟女の役が記憶に新しいにもかかわらず、本作品の地に足のついた女の役も自然に受け入れられる。大した演技力である。
この住みにくい世界でフィロメーヌに出会えたことは邂逅だと、最後の最期にシュヴァルは愛の言葉を語る。ささやかなフィロメーヌの人生。しかし幸せな人生。シュヴァルの行動を無条件に受け入れ助けてくれたフィロメーヌ。無口なシュヴァルの愛情がひしひしと伝わってくる。
出来上がった宮殿はとても見事である。あちらこちらに鏤められたシュヴァル独自の教訓の言葉。観光客が訪れるのは、この宮殿に人生があるからだ。ささやかなシュヴァルの人生。フィロメーヌとともに歩んだ半生。思いを言葉にすることなく、ただ黙々と作り続けた宮殿には、シュヴァルの家族への愛と悔恨が山のように盛られ、固められている。
シュヴァルは昔から古い建物が好きだった。動物も昆虫も、風も星も好きだった。宮殿を建てようとした動機は単純だが、それだけに力強い。生き物と自然と宇宙を共にして、一緒に宮殿を造り続けた。アリスもフィロメーヌも応援してくれた。決してひとりではなかったのだ。
長距離を歩く郵便配達と夜を徹しての宮殿づくりに身体を酷使し続けるシュヴァルを心配しながら観る映画だが、エンドロールになってはじめて、シュヴァルの素晴らしい人生を振り返ることができて、思わず涙が溢れてきた。名作だと思う。
観終わってガーデンシネマを出ると、ジョエル・ロブションのグランメゾンがやけにみすぼらしく見えた。
感動
角川シネマ有楽町 2020年1月鑑賞
めちゃくちゃよかった
想像していたよりずっとよかったです
途中から涙がとまらなかった
わかりやすいストーリーだけどいい
数年ぶりにパンフレットかったくらい
話の展開にムダがなく心地いい
登場人物に悪いやつがいないのもいい
主人公はきっとほんともこんな人だったんだろうとおもう
ヒューマンドラマが好きな人にはおすすめ
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